第19節|群馬クレインサンダーズ✕滋賀レイクスの試合レビュー

試合レビュー

2026/1/24~1/25で開催された、群馬クレインサンダーズ@滋賀レイクスの試合をレビューしていきましょう。

今節からB1リーグは後半戦。CS進出の可否が現実的になってくる時期に突入します。

戦前データ

群馬クレインサンダーズ

Bリーグ前半戦で19勝11敗で東地区4位で折り返した群馬。今節前のリリースで、エースであるトレイ・ジョーンズ選手が復帰。その兼ね合いでケリー・ローソンJr選手が契約解除となって、ロスターが若干変わりました。

トレイ選手が捻挫からの復帰なので、どの程度のパフォーマンスで戻れるかが心配ですが、チーム力としてはDFの機動力はローソンJr選手が在籍した時期よりも向上するはずなので、大崩れはしないのではないでしょうか?

カギになるのは3Pシュート。トレイ選手がバイウィーク明け早々に戦線離脱となった影響が出ていたのはそこで、トレイ選手自身も離脱以前は3P%のリーグトップランカーの1人でした。
開幕~バイウィーク(以下、前期)までは%FGM3P:38.4%だったのに対し、バイウィーク~オールスターブレイク(以下、後期)の期間は35.1%まで少なくなりました。

【得点力】という1点では、実は後者の期間の方が優秀でした。

開幕~バイウィーク
(前期:18試合)
バイウィーク~ASブレイク
(後期:12試合)
平均得点82.7283.00
FG%44.8%48.4%
OF Rate117.39118.23
TS%57.3%60.0%
eFG%53.4%56.9%

この事実があるのに、何故%FGM3Pの低さが問題だったかというと、その背景は【AST%の低下】【TOV%の悪化】があり、その結果、【Net Ratingの悪化】に繋がったからです。

トレイ選手のプレースタイルとしては、プライマリーハンドラー。Pull-Up 3PによりDFのスペースを広げ、その広がったスペースにアタックしてLay-Upを狙い、場合によってはキックアウトして味方のイージーなコーナー3Pを演出する、シンプルかつ強力なプレースタイルです。

トレイ選手が稼働していた前期にはAST%:76.0%だったのに対し、早々に離脱した後期には71.5%にまで下がりました。
【AST%】という指標自体は高い・低いで良い・悪いとはならず、各チームのカラーによって評価が異なりますが、12勝6敗だった前期と、7勝5敗の後期の戦績を考えると、群馬としてはAST%が高い方がチームカラーにあっていることが伺えます。

トレイ選手が離脱していた期間、ハンドラーのアイソレーションが多くなり、その結果TOV%も悪化(13.0%→14.1%)したことが、後期の戦績ブレーキに繋がっていたと考えられます。

今節のみならず、これからのシーズンの3Pシュートのシチュエーションなど注視したい所です。

滋賀レイクス

現在、11勝19敗で西地区11位の滋賀。今節、筆者が初めて試合を観るチームです。

低迷している滋賀ですが、実はタレント力が強いチームです。

  • ザック・オーガスト選手 ※ASプレイヤー
    • PPG:17.8(リーグ9位)、REB:8.6(リーグ8位)、STL:1.6(リーグ7位)
  • ライアン・クリーナー選手
    • PPG:14.3、REB:5.2、BLK:0.9
    • シュート効率:53.2-44.0-78.9(※3P%はリーグ5位相当)
  • 游艾喆ゆー・あいちぇ選手
    • AST:6.4(リーグ2位)
  • トーマス・ウィンブッシュ選手
    • PPG:16.8、REB:5.9

外国籍タレントが強力なので、今シーズン強豪として名乗りを上げた北海道と接戦(@11/8:83-95、@11/9:99-108)を演じたり、同じく強豪チームとなった仙台に勝利(@10/29:79-76)することもありました。

これらのチームは今シーズンの加入選手の影響が多分にあり、戦績がブレやすかったものの、昨シーズンのファイナルチームでコアメンバーがしっかりして今シーズンも強豪としてシーズンをリードしている宇都宮(@10/25:84-77)や琉球(10/15:92-86)にも勝利歴があります。

ただ、これは滋賀に限らないBリーグの低迷チームにありがちですが、これら外国籍選手にパワーバランスが偏っているのが滋賀の弱点。

Bench Pointsが32.53得点とかなり高い水準で、今シーズン最強の6thマンとなっているスタンリー・ジョンソン選手擁する西地区1位の長崎(同:30.93得点)を超えています。
長崎もBench Pointsの大方8割はSJによる得点で、滋賀もウィンブッシュ選手がほとんど記録している傾向にあるのは同じ。

ですが、長崎との違いは総得点との割合で、長崎は平均得点:94.1に対する30.9得点。滋賀は同:80.8に対して32.5得点です。割合にすると、長崎:32.8%、滋賀:40.2%になります。

現行のBリーグでは外国籍選手のオン・ザ・コート・ルールのため、滋賀はベンチワークが非常に重要になります。選手交代やAfter TimeOutによる流れの切り替わりに注目したい所です。

1/24の試合データ

各チームを振り返ったところで、それでは今節の試合のデータを振り返っていきましょう。

尚、今シーズンからデータ内容を増やし、より詳細な分析が出来るように試みていて、ショットシチュエーションにも注目して分析していきます。
ショットシチュエーションについて

基本スタッツ

群馬クレインサンダーズ滋賀レイクス
92PT76
31/66
47.0%
FG26/61
42.6%
16/30
53.3%
2P16/33
48.5%
15/36
41.7%
3P10/28
35.7%
15/16
93.8%
FT14/21
66.7%
49REB25
15OREB7
34DREB18
19AST19
15TOV10
7STL7
5BLK4
22F22
基本スタッツの略語について

詳細スタッツ

群馬クレインサンダーズ滋賀レイクス
51.6%%FGM2P61.5%
48.4%%FGM3P38.5%
45.5%%FGA2P54.1%
54.5%%FGA3P45.9%
34.8%%PT2P42.1%
48.9%%PT3P39.5%
16.3%%PTFT18.4%
8Points Off TOV15
11Fast Break Points14
132nd Chance Points11
28Points In the Paint32
30Bench Points25
2/3
(5)
After TO Results
(Points)
1/4
(2)
3After TO +/--3
詳細スタッツの略語について

アドバンスドスタッツ

群馬クレインサンダーズ滋賀レイクス
73.04ポゼッション数73.24
試合のペース:73.14
125.96Offensive Rate103.77
103.77Defensive Rate125.96
63.0%TS%54.1%
59.4%eFG%50.8%
0.80POT Efficasy1.00
0.872nd Chance Efficasy1.57
66.2%REB%33.8%
44.5%OREB%17.1%
82.9%DREB%55.5%
61.3%AST%73.1%
17.0%TOV%12.5%
1.26PPP1.03
1.67After TO PPP0.50
0.24FTR0.34
アドバンスドスタッツの略語について

Shoot Summary

群馬クレインサンダーズ滋賀レイクス
7/15
46.7%
Self-Shootmake8/22
36.4%
3/6
50.0%
MID-Jumper3/5
60.0%
0/3
0.0%
Short-Jumper5/8
62.5%
0/1
0.0%
Push0/3
0.0%
1/3
33.3%
Floater2/5
40.0%
7/11
63.6%
Lay-Up4/10
40.0%
2Dunk2
3Tip-In0
5/16
31.3%
Catch&Shoot7/19
36.8%
2/5
40.0%
Moving1/2
50.0%
8/15
53.3%
Pull-Up2/8
25.0%
4/8
50.0%
Wide-Open1/5
20.0%
Shoot Summaryについて

戦評

スコアリングの分散が効いた群馬が後半に逆転勝利

今節からトレイ選手が復帰してハンドラー・クリエイターの層が厚くなった群馬。その効果が早速現れた感じです。

この試合、ローテーション選手の1つの基準となる15分以上の出場選手が群馬が8人、滋賀が7人いました。その内、複数FGMしたのが群馬が6人、滋賀が4人という記録に。FTAにも配慮すると、4本のFTAを記録した藤井祐眞選手(FG:1/5ながら、FT:4/4)も加えると、群馬は8人中7人がスコアリングに関わったことになります。

ゲームハイは第1Qに3P:4/4で14得点を記録した滋賀のクリーナー選手で、次点が同じく滋賀のオーガスト選手の19点。
しかし、その後は3位に細川一輝選手の17得点、4位タイとなる14得点の選手が3人(中村拓人・KBJ・辻)と並びました。

戦前に注目したAST%が思ったように伸びず(AST:19、AST%:61.9%)、TOV%も17.0%とパッシングスタイルを基調とするチームとしては良くなかったですが、eFG%:59.4%というシューティング能力の高さで逆転勝利を収めました。

Effortが高かったKBJ

データとはあまり関係ないところではありますが、試合を観ていて感じたのはKBJのEffortがかなり高いように感じました。

まず、これまでのシーズン30試合でダンクが7本のみでしたが、この試合だけで2本記録。

ホントにこのポスタライズはしっかりハイライトを作って欲しかったです。

また、未遂でしたが、プットバックを狙ったダンクも試みていたり、かなり気持ちが入ったKBJのプレーでした。

他にも、この試合のFoul Drawが10本。この内3本はシューティングファウルを誘発し、FTも6/6。いずれのデータもチームトップの成績でした。

その結果、滋賀というチームの柱であるオーガスト選手やクリーナー選手をそれぞれ4Foul、5Foul(退場)に陥れ、群馬優位に試合が進む原動力となりました。

両チームの選手交代の仕方が対照的

普段、ATOの記録を取るために、Bリーグ公式の【テキスト速報】からATOの記録をピックアップしているのですが、その時に、「やけに滋賀の選手交代の列多いな…」と思いました。

あまりに気になったので、【両チームが同時に何人選手交代していたのか?また、それらの回数は何回だったのか?】を比較してみることにしました。

群馬クレインサンダーズ滋賀レイクス
1人15回10回
2人8回2回
3人10回
4人4回

チームのスタイルやHCの考え方・ゲームプランによって大きく異なる部分ではあるため、このデータ自体が両チームの優劣をつけるものではありませんが、滋賀は主力のファウルトラブルがあった割に、あまり細かい選手交代をしていませんでしたね。

実況解説の城宝匡史さんのコメントでしたが、スタミナ消費の激しいプレスDFを多用していたことが影響しているのでしょうか?より負担の大きいフロントコート陣(2~3人)+スコアラーローテーション(1人)という理由ならこの選手交代のデータも分かる気がします。

1/25の試合データ

基本スタッツ

群馬クレインサンダーズ滋賀レイクス
92PT76
31/56
55.4%
FG29/73
39.7%
17/29
58.6%
2P20/39
51.3%
14/27
51.9%
3P9/24
26.5%
16/18
88.9%
FT9/14
64.3%
33REB37
8OREB20
25DREB17
23AST16
13TOV12
4STL8
8BLK1
18F22
基本スタッツの略語について

詳細スタッツ

群馬クレインサンダーズ滋賀レイクス
54.8%%FGM2P69.0%
45.2%%FGM3P31.0%
51.8%%FGA2P53.4%
48.2%%FGA3P46.6%
37.0%%PT2P52.6%
45.7%%PT3P35.5%
17.4%%PTFT11.8%
18Points Off TOV14
15Fast Break Points14
192nd Chance Points16
28Points In the Paint38
35Bench Points32
0/2
(0)
After TO Results
(Points)
1/7
(2)
-2After TO +/-2
詳細スタッツの略語について

アドバンスドスタッツ

群馬クレインサンダーズ滋賀レイクス
68.92ポゼッション数71.16
試合のペース:70.04
133.49Offensive Rate106.80
106.80Defensive Rate133.49
72.0%TS%48.0%
67.9%eFG%45.9%
1.50POT Efficasy1.08
2.382nd Chance Efficasy0.80
47.1%REB%52.9%
32.0%OREB%44.4%
55.6%DREB%68.0%
74.2%AST%55.2%
16.9%TOV%13.2%
1.33PPP1.06
0.00After TO PPP0.29
0.32FTR0.19
アドバンスドスタッツの略語について

Shoot Summary

群馬クレインサンダーズ滋賀レイクス
11/20
55.0%
Self-Shootmake7/17
41.2%
3/9
33.3%
MID-Jumper2/8
25.0%
1/2
50.0%
Short-Jumper3/4
75.0%
0/2
0.0%
Push2/4
50.0%
4/4
100.0%
Floater3/10
30.0%
7/10
70.0%
Lay-Up8/12
66.7%
1Dunk2
1Tip-In0
9/16
56.3%
Catch&Shoot4/19
21.1%
3/6
50.0%
Moving2/4
50.0%
2/5
40.0%
Pull-Up3/11
27.3%
1/2
50.0%
Wide-Open2/6
33.3%
Shoot Summaryについて

戦評

第1戦を上回る群馬の高効率OF

この試合の群馬のOFは正にチームとしての理想形。%FGAは2P・3Pがほぼ半々。3P%(51.9%)が上振れた感はあるものの、3Pが決まることで2PFGも良く決まり(58.6%)、リム周りのシュートもほぼ完璧(Short-Jumper:1/2、Floater:4/4、Lay-Up:7/10)。

AST%は74%を超え、ASTからの3PとなるCatch&Shoot 3P:9/16(56.3%)、Moving 3P:3/6(50.0%)と高確率だったのが非常に良かったです。

それに加えて特筆すべきは2nd Chance Efficacy(OREB:1本あたりの2nd Chance Pointの期待値)。2.38という高水準を記録しており、OREBからOFを立て直し、3Pに繋げるというシーンが少なくとも1回以上あったことを示しています。

シュート効率を示すTS%:72.0%、eFG%:67.9%はいずれも今シーズンのチームにおいて3番目に高い数値であり、獲得したポゼッションも68.92POSSとスローテンポで試合をコントロールしていたことも「群馬らしさ」を体現したOFでした。

ペリメーターのDFはやや課題

OFでは会心の出来だったと言えますが、DFは正直なところ改善・修正の必要があるように感じました。

と言うのも、Wide-Open 3PのAttemptを6本許していること。8BLKの中で防いだものの、Lay-UpのAttemptを12本許していることが印象の理由です。

後述しますが、滋賀の3Pが奮わなかったことで、よりインサイドのDFをメインに考えていた群馬側の思惑もあったかもしれません。もちろん、3Pシュートが当たった場合は、そことのDFバランスを修正したかもしれません。

ただ、CS上位、優勝を目指すのなら、Wide-Open 3PやLay-UpのAttemptを少なくする努力は常に必要でしょう。相手の出来や出方に合わせる戦い方はジリ貧になりやすいですし、滋賀のような強力なフロントコート陣やアイソレーションが得意な選手のいるチームに対する再現性が低くなりがちだからです。

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