第29節|島根スサノオマジック✕群馬クレインサンダーズの試合レビュー

試合レビュー

2026/4/4~4/5で開催された、島根スサノオマジック@群馬クレインサンダーズの試合をレビューしていきましょう。

本記事では関連サービスを紹介しています。なお、当該部本文は筆者の判断で作成しています。

戦前データ

島根スサノオマジック

戦前西地区8位の島根スサノオマジック。本サイトでは第14節の広島ドラゴンフライズとの試合をレビューした以来の取り上げです。

島根は終盤戦に入ってきてエースハンドラーの岡田侑大選手が3/11の大阪戦時に受傷した右肩鎖関節の脱臼により戦線離脱中。全治4~6週間という治療期間で、この群馬戦でも復帰は厳しい状況です。

試合観測上、島根のOFの半分は岡田選手から始まっているので、単純に攻撃力が半減することと同義。大阪戦も試合序盤で岡田選手が離脱しているので、その試合も含めると、岡田選手離脱以降は2勝4敗と負け越しています。

OF Rateを見ても、岡田選手離脱前後で109.55→105.90と4ポイント弱低下していますから、島根にとってカギになるのはDF力でしょう。

その中で最近覚醒を求められているのが、オールラウンドディフェンダーの介川アンソニー翔選手。最近のX上でのBリーグ公式からの取り上げられ方としては、クラッチなDF力とスポットアップ3Pの部分。

見どころとしているDF力に関しては、197cmという身長に対してウイングスパンは202cmという長さ以外は、体重:93kg・垂直飛び:42cm(助走アリ:62cm)・3/4スプリント:3.17秒と際立って凄いデータはないのが不思議。身体の当て方やDF IQが高いタイプなのでしょうか?その辺も含めると、かなりハイスペックなディフェンシブプレイヤーですね。
マッチアップ的にはトレイ・ジョーンズ選手との勝負になるので、どこまでくらい付いて行けるでしょうか?

底上げが必要なOF面はスコアラーのコティ・クラーク選手はもちろん、代役としてのハンドラーとなる中村大地選手や納見悠仁選手の安定感が重要。最近の群馬は藤井祐眞選手やコー・フリッピン選手のPoA-DFが強力かつ安定しているので、TOVには気を付けたい所。

群馬クレインサンダーズ

前節にアルティーリ千葉にも勝利して東地区3位で7連勝中で好調の群馬。連勝の内訳も、下位チームに重ねているのではなく、アルバルク東京や名古屋ダイヤモンドドルフィンズという、上位チームにも連勝した結果のものです。一言、素晴らしい。

連勝中の直近7試合は特にDFが素晴らしく、この期間のDF Rateは96.79という圧倒的なDF力を発揮しています。その影響もあって、P.O.T.E:1.30と、それまでのシーズン平均:1.22よりも向上しています。

その背景には島根側の戦前データ内でも述べましたが、バックコート陣のPoA-DFが安定していること。元々強力だったコー選手のDF力も、ハンドラーとしての時間帯の安定感も出てきたことで、【コー+藤井or中村】という強力なDFローテを組める2ガードの布陣を敷けるようになりました。

また、X内で他の人が言及していたことですが、チームの大黒柱であるケリー・ブラックシアーJr選手のDF力も強力。BPG:0.6本と分かりやすいビッグマンのDF力としては平凡のように見えますが、その人が「真骨頂」と表現していたのは、ハードショウDFと3Pシュートへのクローズアウトスプリント。特に前者はハンドラーが強力な名古屋DDやA千葉との試合では結構目立っていました。

OF面では、DF力に支えられてエーススコアラーのトレイ選手がOFに専念しやすかったりしていますが、何よりメインハンドラーの中村拓人選手の復帰が好影響をもたらしています。
バイウィーク前後は、ハンドラーの不安定感によってOFを封じ込められていた部分も大きく、中村選手離脱中の2/14:長崎戦~3/15:A東京戦までのTOV%:15.0%(10.5%~22.7%)に対し、スモールサンプルながら直近3試合はTOV%:11.4%(9.7%~14.6%)と大きく改善。現状、チームにおいて最も安定感・信頼感のあるハンドラーは中村選手を置いて他にいないので、非常に重要な復帰となりました。

4/4の試合データ

各チームを振り返ったところで、それでは今節の試合のデータを振り返っていきましょう。

基本スタッツ

島根スサノオマジック群馬クレインサンダーズ
55PT74
23/56
41.1%
FG26/55
47.3%
18/36
50.0%
2P15/29
51.7%
5/20
25.0%
3P11/26
42.3%
4/7
57.1%
FT11/15
73.3%
31REB33
6OREB7
25DREB26
11AST19
14TOV13
8STL7
1BLK2
16F12
基本スタッツの略語について

詳細スタッツ

島根スサノオマジック群馬クレインサンダーズ
78.3%%FGM2P57.7%
21.7%%FGM3P42.3%
64.3%%FGA2P52.7%
35.7%%FGA3P47.3%
65.5%%PT2P40.5%
27.3%%PT3P44.6%
7.3%%PTFT14.9%
16Points Off TOV17
12Fast Break Points4
82nd Chance Points8
30Points In the Paint24
11Bench Points36
0/4
(0)
After TO Results
(Points)
2/3
(3)
-3After TO +/-3
詳細スタッツの略語について

アドバンスドスタッツ

島根スサノオマジック群馬クレインサンダーズ
67.08ポゼッション数67.60
試合のペース:67.34
81.99Offensive Rate109.47
109.47Defensive Rate81.99
46.5%TS%60.1%
45.5%eFG%57.3%
1.23POT Efficasy1.21
1.332nd Chance Efficasy1.14
48.4%REB%51.6%
18.7%OREB%21.9%
78.1%DREB%81.3%
47.8%AST%73.1%
19.2%TOV%17.4%
0.82PPP1.09
0.00After TO PPP1.00
0.13FTR0.27
アドバンスドスタッツの略語について

Shoot Summary

島根スサノオマジック群馬クレインサンダーズ
8/20
40.0%
Self-Shootmake5/15
33.3%
3/8
37.5%
MID-Jumper3/10
30.0%
2/4
50.0%
Short-Jumper2/5
40.0%
0/0
Push0/0
3/6
50.0%
Floater3/5
60.0%
9/18
50.0%
Lay-Up5/7
71.4%
0Dunk2
1Tip-In0
1/7
14.3%
Catch&Shoot6/10
60.0%
0/2
0.0%
Moving3/7
42.9%
4/11
36.4%
Pull-Up2/9
22.2%
2/4
50.0%
Wide-Open3/3
100.0%
Shoot Summaryについて

戦評

得意のパッシングゲームで島根DFを翻弄した群馬

試合序盤からお互いの強力なDFの当たり合いとなり、かなりフィジカルな試合になることが容易に予測される展開でした。

観ていた感じ、DF合戦に煽られていたのは群馬側。最初の2ポゼッションをTOVを犯し、それに対抗するようにDFでやり返すような試合展開に。

ただ、DFのやり合いには煽られたものの、OFの組み立ては試合を進めるごとに落ち着きを取り戻し、AST%:73.1%と本来の力を取り戻し、得意のパッシングゲームで試合をモノにしました。
その中でも特筆したいのが3Pの内訳で、Catch&Shoot+Moving 3Pが9/17。それぞれ6/10、3/7と、どちらに偏ることもなく、綺麗な割合になったこと。

他にもDunkの演出も1つはFast Breakのシチュエーションでしたが、2つ目のAJ・エドゥ選手のDunkはパスワークとカッティングでもたらされたものでした。前半まではLay-Up:1/2でしたが、後半になって4/5と試投数も成功数も修正されたことからも、パッシングゲームが上手く行っていた影響と捉えられるでしょう。

流れを変えた第3Qのコーチングチャレンジ

第3Qの6:43の場面、それまで試合を引っ張っていた島根:新井翔太選手が24秒ギリギリで放ったシュートが外れ、ニック・ケイ選手がTip-Inして45-35の10点差となって、その後も島根優位に試合が進むものと思われていましたが、第3Q残り5:50で時計が止まった場面、群馬ベンチからコーチングチャレンジが申請されました。

コーチングチャレンジの趣旨はこのTip-Inの得点が24秒TOVではなかったか?というもの。結果、チャレンジが成功。当該プレーから2ポゼッション過ぎた後に求められたチャレンジで、その2ポゼッションの記録は継続するという珍しいシーンになりました。

コーチングチャレンジ成功によって当時7点差だったところを43-38の5点差になってリスタート。それからというもの、島根のOFが明らかに停滞し、逆に群馬は勢いを増していき、それ以降の得点が5-15と群馬が圧倒的なスコアリングランを披露。第3Q終了時で48-53と逆転し、それ以降、一度も島根にリードを許すことはありませんでした。

第2Q終盤から島根の新井選手がゲームを支配したが…

島根の特別指定選手の新井選手(元・青山学院大学)が今シーズン初スターターとして出場し、第2Q終盤以降は明らかに新井選手が試合を支配していました。
最終的なスタッツはゲームハイタイの17得点。FG:7/12(58.3%)、3P:3/6(50.0%)。個人のショットシチュエーションを振り返ると、Self-Shootmake:6/9(66.7%)、Mid-Jumper:2/2(100.0%)、Lay-Up:2/4(50.0%)。3Pは全てPull-UpによるAttemptながら、Wide-Open 3P:2/2(100.0%)も自らクリエイトするなど岡田選手が乗り移ったかのような自在なOFを展開しました。

基本的には試合が終わってから振り返るように試合を観ているので、要するに、結果が分かってから試合を観ることが多いです。ので、「試合に勝った」ことを知った上で今回も観ていたので、途中までは「この島根にどうやって群馬は勝ったんだろう?」と疑問を抱きながら観ていました。

島根の負け筋となっていたのは、せっかく新井選手がOFをクリエイトしても、肝心のフィニッシュの場面が全く信頼感がなく、群馬とは対照的にCatch&Shoot+Moving 3Pは1/9(11.1%)と、この試合、最も得点期待値の高かった新井選手の突破力と、ビッグマンのケイ選手のペイントエリアの得点に繋げることが出来ませんでした。

4/5の試合データ

基本スタッツ

島根スサノオマジック群馬クレインサンダーズ
65PT81
22/61
36.1%
FG27/56
48.2%
16/33
48.5%
2P17/31
54.8%
6/28
21.4%
3P10/25
40.0%
15/17
88.2%
FT17/20
85.0%
37REB33
12OREB7
25DREB26
15AST22
13TOV11
8STL7
2BLK3
20F20
基本スタッツの略語について

詳細スタッツ

島根スサノオマジック群馬クレインサンダーズ
72.7%%FGM2P63.0%
27.3%%FGM3P37.0%
54.1%%FGA2P55.4%
45.9%%FGA3P44.6%
49.2%%PT2P42.0%
27.7%%PT3P37.0%
23.1%%PTFT21.0%
6Points Off TOV14
6Fast Break Points8
142nd Chance Points5
28Points In the Paint28
21Bench Points52
3/7
(7)
After TO Results
(Points)
2/2
(4)
3After TO +/--3
詳細スタッツの略語について

アドバンスドスタッツ

島根スサノオマジック群馬クレインサンダーズ
69.48ポゼッション数68.80
試合のペース:69.14
93.55Offensive Rate117.73
117.73Defensive Rate93.55
47.5%TS%62.5%
41.0%eFG%57.1%
0.55POT Efficasy1.08
1.172nd Chance Efficasy0.71
52.9%REB%47.1%
31.6%OREB%21.9%
78.1%DREB%68.4%
68.2%AST%81.5%
16.0%TOV%14.5%
0.94PPP1.18
1.00After TO PPP2.00
0.28FTR0.36
アドバンスドスタッツの略語について

Shoot Summary

島根スサノオマジック群馬クレインサンダーズ
3/13
23.1%
Self-Shootmake6/16
37.5%
1/2
50.0%
MID-Jumper4/12
33.3%
9/11
81.8%
Short-Jumper5/5
100.0%
0/1
0.0%
Push1/2
50.0%
2/9
22.2%
Floater2/5
40.0%
3/8
37.5%
Lay-Up4/6
66.7%
0Dunk1
1Tip-In0
5/18
27.8%
Catch&Shoot6/12
50.0%
1/2
50.0%
Moving0/2
0.0%
0/8
0.0%
Pull-Up4/11
36.4%
3/8
37.5%
Wide-Open3/6
50.0%
Shoot Summaryについて

戦評

落ち着いてはいるが、2戦目もDF合戦に

1戦目ほど激しい立ち上がりではなかったですが、この試合も基本的にはDFのやり合いになりました。両チームともハンドラーへのプレッシャーを強く掛け、如何にハンドラー主体のOFの選択肢を消せるかにフォーカスしていたように見えました。

ただ、割と互角だった第1戦とは異なり、この試合は群馬のDFの方に優位性を持っていました。
と言うのも、前戦は新井選手のハンドリングに完全に翻弄されていたため、新井選手にはチェイスの段階からかなりプレッシャーをかけていたり、スクリーンに対するDFは基本的にハードショウを採用していました。

特にパッションが目立ったのがエドゥ選手。本来はリムプロテクターとして頼られますが、この試合はとにかく平面のDFを頑張っていました。

その中でインサイドが手薄になりそうなところ、DFローテーションも素早く的確で、島根側に全くと言って良いほどズレを作らせませんでした。DF Rateは1戦目の方が低かったですが、DFのシステムがかみ合ったという点で言うと、この試合の方が良かったです。

質も量も良かった群馬のシューティング

常々群馬の弱点として「シューターの『量』が足りない」と指摘していました。普段はトレイ・辻・細川3選手が計算できるシューターという認識で、今もそれは変わりません。

ですが、この試合はその3選手に加えて普段はほとんどシューターとしての役割を持たない中村選手やJTも3Pを決めました。中村選手は3P:3/5(60.0%)を含むゲームハイの20得点。JTも3P:1/1(100.0%)ながら、Mid-Jumperも1/1(100.0%)でスペーサーとして印象付けることが成功しました。

この試合は3PAを記録した9人の選手の内、7人の選手が成功を収めていたこともあり、その分、攻撃力も高いOFを展開することが出来ました。相変わらずCatch&Shootの確率が良い(5/10:50.0%)のも良かったですね。

島根はクリエイターの質が上がらず

島根は第14節のレビューでも指摘した気がしますが、クリエイター不足が弱点の1つですね。基本的にはスコアラーのハンドリングがOFの起点になっています。それ自体は良いにしても、そこからのバリュエーションが少ないのが気がかりでした。良くも悪くも、岡田選手ありきのチームということが露呈してしまいました。

島根側にとって誤算?だったのは新井選手のパフォーマンスの波。1戦目では明らかに試合を支配していたため、2戦目もそれを期待していたのは明白ですが、DFにアジャストされてしまってから手札が無くなってしまった感じですね。

本来は同じくスコアラーのコティ・クラーク選手に役割を持ってもらったり、納見選手の2ndハンドラーとして助けてあげられたらよかったです。

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