第9節|長崎ヴェルカ✕名古屋ダイヤモンドドルフィンズの試合レビュー

試合レビュー

2025/11/8~11/9で開催された、長崎ヴェルカ@名古屋ダイヤモンドドルフィンズの試合をレビューしていきましょう。

戦前データ

西地区の1位・2位のチーム同士の対戦カード。しかも長崎は12連勝中、名古屋DDは11連勝中というリーグトップチームにふさわしい連勝街道を進んでいる両チームです。

長崎ヴェルカ

※戦前のスタッツ情報は準備中※

名古屋ダイヤモンドドルフィンズ

※戦前のスタッツ情報は準備中※

11/8の試合データ

各チームを振り返ったところで、それでは今節の試合のデータを振り返っていきましょう。

尚、今シーズンからデータ内容を増やし、より詳細な分析が出来るように試みていますが、群馬の試合ではショットシチュエーションにも注目して分析していきます。
ショットシチュエーションについて

基本スタッツ

長崎ヴェルカ名古屋DD
91PT96
30/73
41.1%
FG34/73
46.6%
15/36
41.7%
2P21/44
47.7%
15/37
40.5%
3P13/29
44.8%
16/18
88.9%
FT15/18
83.3%
42REB38
15OREB10
27DREB28
20AST23
14TOV9
5STL6
3BLK3
22F19

詳細スタッツ

長崎ヴェルカ名古屋DD
50.0%%FGM2P61.8%
50.0%%FGM3P38.2%
49.3%%FGA2P60.3%
50.7%%FGA3P39.7%
33.0%%PT2P43.8%
49.5%%PT3P40.6%
17.6%%PTFT15.6%
13Points Off TOV16
18Fast Break Points17
202nd Chance Points14
28Points In the Paint36
31Bench Points16
2/5
(9)
After TO Results
(Points)
3/5
(7)
2After TO +/--2

アドバンスドスタッツ

長崎ヴェルカ名古屋DD
79.92ポゼッション数79.92
試合のペース:79.92
113.86Offensive Rate120.12
120.12Defensive Rate113.86
56.2%TS%59.3%
51.4%eFG%55.5%
1.44POT Efficasy1.14
1.332nd Chance Efficasy1.40
52.5%REB%47.5%
34.9%OREB%27.0%
73.0%DREB%65.1%
66.7%AST%67.6%
14.7%TOV%10.0%
1.14PPP1.20
1.80After TO PPP1.40
0.25FTR0.25

Shoot Summary

長崎ヴェルカ名古屋DD
2/12
16.7%
Self-Shootmake13/25
52.0%
0/3
0.0%
MID-Jumper3/8
37.5%
2/3
66.7%
Short-Jumper3/6
50.0%
2/5
40.0%
Push0/7
0.0%
2/6
33.3%
Floater4/4
100.0%
7/13
53.4%
Lay-Up8/15
53.3%
0Dunk3
1Tip-In0
12/32
37.5%
Catch&Shoot6/14
42.9%
0/0
Moving2/4
50.0%
4/7
57.1%
Pull-Up5/11
45.5%
5/9
55.6%
Wide-Open4/9
44.4%

戦評

メチャクチャ面白い試合(小並感)

観終わった後の純粋な感想として、「メチャクチャ面白かった」です。と言うのも、観戦している側が「面白い!」と思う要素がいくつもあった試合でした。

  1. リードチェンジ:23回
  2. 最大リードがお互い1桁点差。
  3. ボールと人が良く動く。
  4. それでいてバタバタ感が無い。
  5. 80ポゼッションペースで展開が速い(F.B.Pts:18-17)。
  6. 点を取られても取り返す場面多し。
  7. パワープレーあり、スキルプレーあり、ダンクあり。

「バスケって面白いの?」と聞いてくるようなバスケ観戦したことが無い人におススメできる試合だったと思います。

展開が速くて目まぐるしいのに、お互いのチームでミスが少なかったのが良かったです。長崎のTOV:14と数字だけ切り取ると多かったように見えますが、言語化が難しいものの、いわゆる「しょうもないミス」がほとんどなく、攻めた結果に発生した切り替えられるTOVが多かったです。

また、展開の速さは特筆すべき点で、試合のペースが約80ポゼッションながら、お互いのPPPは1.10を超える試合。たくさんポゼッションを得ながら、効率の良いオフェンスを展開するので、「展開も速いし、点も良く入る」という、バスケの醍醐味とも言える内容でした。

名古屋DDはダブルエースの1on1オフェンスが起点に

試合を観て、データで振り返ると良く分かるのが、お互いのスタイルの違いでした。
勝利した名古屋DDは斎藤拓実選手やアーロン・ヘンリー選手のアイソレーションがOFの起点であり、ヘジテーションからのドライブフィニッシュや、ステップバックからのPull-Upで次々と得点を決め、2人で55得点とチームの得点の57.3%を占める活躍。

斎藤選手は得点だけでなく、ASTも9本記録。その上でTOVが0本と、Bリーグを代表するPGのクリエイション能力をこれでもかと言うほど見せつけました。

また、この試合の3rdオプションとしても躍動した今村佳太選手のパフォーマンスも素晴らしかったです。
直近3試合、チームは勝利するものの、PPG:5.7Pts、FG:2.0/10.3(19.4%)、3P:1.0/7.0(14.3%)とそれまで13.3Pts、FG:4.9/11.2(43.8%)、3P:2.5/7.1(35.2%)のパフォーマンスから急にスランプに陥っていました。

それがこの試合は17Pts、FG:6/13(46.2%)、3P:2/6(33.3%)と本来のパフォーマンスを取り戻しました。新潟県長岡市出身の選手としても応援しているので、これからも是非頑張ってもらいたいです。

長崎はボールムーブ×フィニッシャー+1というスタイル

スコアリングハンドラーがOFの起点となる名古屋DDとはやや対極にいた長崎のオフェンス。
登録ポジションがPFながら、メインハンドラーはジャレル・ブラントリー選手。起点になるというのは、名古屋DDと変わらないですが、ブラントリー選手の周りを山口颯斗はやと選手や馬場雄大選手、イ・ヒュンジョン選手が連動して動いていました。

名古屋DDのOFとの最も大きな違いはそこから生み出されるCatch&Shootの本数で、Attemptは名古屋DDが14本に対し、長崎は倍以上の32本。デザインOFとしてMoving 3Pも含めても、圧倒的に長崎の方が多かったです。

とにかくノーマークになっているシューターの選手を見つけることを優先し、それでいて、よくある「ノーマークを探し過ぎてボールが止まる」ということがほとんどありませんでした。それはフィニッシャーとなる選手が良く動いていたからですね。

というムーブメントの中で一人混じるスタンリー・ジョンソン選手という異物(笑)。【戦術SJ】とも言えるくらい、ガンガン攻めて、チームハイタイの24得点。ウイングの選手としてベンチ出場しながら、FGA:18本とハイボリュームな選手でした。
ただ、確率としてはFG:7/18(38.9%)と低調。長崎のSelf-Shootmakeが2/12(16.7%)と出ていますが、Attemptの半数以上がスタンリー選手によるもので1/8、確率にして12.5%でした。

もう開幕から1ヶ月以上経過しているため、チームとしては「SJを投入する時は【戦術SJ】だ!」というスタイルで確立されているのでしょう。ポジティブに見たら、6thマンとしてOFに強烈なアクセントを付けられているとも言えますね。

勝敗を分けたのはSelf-Shootmakeの確率

ハンドラーが起点となる名古屋DDと、ボールムーブが素晴らしい長崎という図式で解説していきましたが、この試合は前者に軍配が上がりました。

斎藤・ヘンリー両ハンドラーの選手が合計55得点したように、Self-Shootmakeは13/25で確率は驚異の52.0%。両選手とも3Pの確率も素晴らしく、2選手合わせて11/16(68.8%)でした。Lay-Upも同5/8(62.5%)。2選手ともF.Bの先頭を走るような選手ではなく、ハーフコート主体のフィニッシュ能力を持っている中で、この確率は驚異的です。

対する長崎は【戦術SJ】でも言及したように、Self-Shootmakeの確率が奮いませんでした。実際、残念なことにスタンリー選手が出場している時間帯の得失点差は-9で、チームワースト2位。スタンリー選手のアタックからTOVやDREBからのF.Bというシーンも何度かありました。この辺は長崎側の今後の課題ですね。

11/9の試合データ

基本スタッツ

長崎ヴェルカ名古屋DD
95PT87
30/62
48.4%
FG30/64
46.9%
17/31
54.8%
2P18/36
50.0%
13/31
41.9%
3P12/28
42.9%
22/25
88.0%
FT15/18
83.3%
29REB38
7OREB13
22DREB25
22AST24
13TOV20
10STL6
2BLK1
21F22

詳細スタッツ

長崎ヴェルカ名古屋DD
56.7%%FGM2P60.0%
43.3%%FGM3P40.0%
50.0%%FGA2P56.3%
50.0%%FGA3P43.8%
35.8%%PT2P41.4%
41.1%%PT3P41.4%
23.2%%PTFT17.2%
20Points Off TOV15
8Fast Break Points9
62nd Chance Points16
34Points In the Paint36
23Bench Points30
1/4
(2)
After TO Results
(Points)
1/6
(2)
0After TO +/-0

アドバンスドスタッツ

長崎ヴェルカ名古屋DD
79.00ポゼッション数78.92
試合のペース:78.96
120.25Offensive Rate110.24
110.24Defensive Rate120.25
65.1%TS%60.5%
58.9%eFG%56.3%
1.00POT Efficasy1.15
0.862nd Chance Efficasy1.23
43.3%REB%56.7%
21.9%OREB%37.1%
62.9%DREB%78.1%
73.3%AST%80.0%
15.1%TOV%21.8%
1.20PPP1.10
0.50After TO PPP0.33
0.40FTR0.28

Shoot Summary

長崎ヴェルカ名古屋DD
7/16
43.8%
Self-Shootmake6/9
66.7%
2/3
66.7%
MID-Jumper1/5
20.0%
3/3
100.0%
Short-Jumper3/5
60.0%
0/4
0.0%
Push3/6
50.0%
0/2
0.0%
Floater2/3
66.7%
10/17
58.8%
Lay-Up8/18
44.4%
1Dunk1
1Tip-In0
9/23
39.1%
Catch&Shoot6/14
42.9%
0/2
0.0%
Moving3/4
75.0%
4/6
66.7%
Pull-Up3/10
30.0%
4/6
66.7%
Wide-Open1/3
33.3%

戦評

メチャクチャ面白い試合(小並感)Take2

1戦目と異なり、リードチェンジは僅か6回で、最大リードも長崎が+12点、名古屋DDが+1点と、試合のほとんどを長崎がリードする展開になりました。

しかし、各Qが終了する頃には名古屋DDも盛り返し、1桁点差で食らいついていました。

そのようなスコア推移で何故「メチャクチャ面白い」という評価に繋がったかと言えば、スコアリングランがそこまでお互い長くなかったこと(長崎:9点、名古屋DD:7点)で、やはり中盤は点を取っては取り返す展開で、スコアリングランも試合終盤のクラッチタイムだったことが「メチャクチャ面白い」所以だったのではないでしょうか?「野球は9回2アウトから」という言葉があるように、「バスケはクラッチタイムから」というわけです。

試合を分けたのはFT

FG%は長崎:48.4%、名古屋DD:46.9%と肉薄。eFG%も長崎:58.9%、名古屋DD:56.3%と同様でした。違いが表れたのは、偏にFTMであり、長崎:22本に対し、名古屋DD:15本。試合の最終スコアが8点差なので、FTMの違いがそのままスコアに出た結果でした。

僅差のゲームでは、自チームのOFとDFの回転を速くしたり、相手のFTが外れるのを期待するなどを目的として、試合終了間際にファウルゲームを仕掛けて逆転を狙うことがよくありますが、この試合においては、ほとんどありませんでした。

お互いにF数は変わらないのですが、FTRに大きく差が生じることに。【戦術SJ】は相変わらず効率が悪かった(FG:4/17、Self-Shootmake:1/6)ですが、その悪さを隠したのがイ選手とブラントリー選手。
イ選手は3Pファウルを誘い、FTA(8本)がFGA(7本)を上回ってFTR:1.14を記録。ブラントリー選手はFTA:6本に加え、Self-Shootmake:6/10(60.0%)とスタンリー選手の効率の悪さをカバーしました。

「確率・効率」は悪かったが、「機能」はした【戦術SJ】

この記事ではスタンリー選手に対してネガティブなことばかり述べていたようで大変申し訳ないですが、この試合では+/-がチームトップの+11と一定の成果は出ました。

勝敗に繋がったFTについては、8/8で100%と完璧。FTRも0.47とスラッシャーとしてかなり優秀な数値(実は1戦目もFT:8/8、FTR:0.44)。

ただ、OF面にフォーカスが行きがちですが、DF面でも躍動し、PoAディフェンダーとして素晴らしいクローズアウトで相手のハンドラーから複数本TOVを誘発していました。

課題としてはやはり効率の部分で、FG%の低さも然ることながら、解説でも言及されていたTOVの多さ。0本にしろと言うのは、プレースタイル的にも難しいですが、せめて平均2本程度に抑えられると脅威が増すと思います。元々DF能力を買われてNBAに在籍していたような選手ですし。

まとめ

西地区の序盤の天王山となった今節の長崎対名古屋DDの試合。この強さを維持したら、間違いなくCSには参戦してくる両チームなので、今後の試合にも要注目ですね。

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