2025.1.4~1.5の2日間にかけて行われた第16節の群馬クレインサンダースと名古屋ダイアモンドドルフィンズの試合レビューをしていきましょう。
戦前データ
群馬クレインサンダース
前節のアルバルク東京戦でも言及しましたが、1試合当たりのポゼッション数が70を下回る超スローペースな群馬クレインサンダース。プレーメーカーである藤井祐眞選手やトレイ・ジョーンズ選手と3Pシューターの辻直人選手や細川一輝選手によるセットオフェンスに強みを持っているチームです。
前節のアルバルク東京戦ではこれらの選手の活躍によって2連勝を挙げました。
また、他方の分析サイトでは、現在DF Rateがリーグ1位と、ディフェンス力に定評のあるチームになってきました。
名古屋ダイアモンドドルフィンズ
名古屋ダイアモンドドルフィンズ(以下、名古屋DD)はこれまで14勝12敗とギリギリ勝率5割をキープしているチーム。平均得点は82.12点とリーグ4位の攻撃力ながら、得失点差がマイナスで、Net Ratingが1.17とディフェンスに不安を残しています。
ただ、直近5試合は4勝1敗で勝ち越しており、その試合内容もオーバータイムや接戦をものにしている粘り強さが出てきています。それ以前はどちらかというと大勝大敗の大味な試合が多かったですが、チームとしては勢いに乗っていると言えるでしょう。
直近5試合の成績
- 12/18@川崎:○95-84
- 12/21@宇都宮:○85-83
- 12/23@宇都宮:●90-91
- 12/28渋谷:○71-70
- 12/29渋谷:○77-75(OT)
1/4の試合データ
基本スタッツ | ||
群馬クレインサンダース | 名古屋DD | |
80 | PT | 77 |
29/65 44.6% | FG | 29/61 47.5% |
10/32 31.3% | 3P | 7/24 29.2% |
12/19 63.2% | FT | 12/15 80.0% |
40 | REB | 31 |
15 | OREB | 8 |
25 | DREB | 23 |
16 | AST | 22 |
14 | TO | 13 |
9 | STL | 6 |
0 | BLK | 2 |
13 | F | 21 |
21 | 被F | 13 |
アドバンスドスタッツ | ||
群馬クレインサンダース | 名古屋DD | |
72.36 | ポゼッション数 | 72.60 |
試合のペース:72.48 | ||
110.56 | Offensive Rate | 106.06 |
106.06 | Defensive Rate | 110.56 |
56.3% | REB% | 43.7% |
39.5% | OREB% | 24.2% |
75.8% | DREB% | 60.5% |
1.11 | PPP | 1.06 |
0.29 | FTR | 0.25 |
群馬は3P、名古屋DDはパッシングとお互い強みを見せあった好ゲームになりました。基本スタッツ上はREBが群馬の方が勝っています。
特にOREBから生み出される2ndチャンスポイントは群馬:14点、名古屋DD:11点と、3点差という結果から見るとこれが両チームの差になりました。元々のスタッツでも、相手チームよりも2本程度多くOREBをキープしている強みが出た結果と言えるでしょう。
他に差があったとするならば、第クラッチタイムでの両チームのパフォーマンスでしょうか?
クラッチタイムの主要スタッツ
- 群馬クレインサンダース
- PT:11点
- FG:4/6(3P:2/3)
- FT:1/2
- 名古屋DD
- PT:11点
- FG:3/7(3P:2/3)
- FT:3/4
群馬3点リードで迎えた試合時間残り5分からのスタッツです。分かりやすく名古屋DDは1本足りませんでした。
対する群馬はトレイ・ジョーンズ選手がこの5分だけで8得点(Q全体で10得点)とエースの働きを見せ、ゲームウィナーのシュートは細川一輝選手の3P(この試合2/6)でした。
1/5の試合データ
基本スタッツ | ||
群馬クレインサンダース | | 名古屋DD |
78 | PT | 86 |
31/78 39.7% | FG | 26/64 40.6% |
6/27 22.2% | 3P | 10/34 29.4% |
10/12 83.3% | FT | 24/31 77.4% |
40 | REB | 45 |
15 | OREB | 15 |
25 | DREB | 30 |
15 | AST | 21 |
12 | TO | 17 |
13 | STL | 7 |
5 | BLK | 2 |
27 | F | 16 |
16 | 被F | 24 |
アドバンスドスタッツ | ||
群馬クレインサンダース | | 名古屋DD |
80.28 | ポゼッション数 | 79.64 |
試合のペース:71.08 | ||
97.16 | Offensive Rate | 107.99 |
107.99 | Defensive Rate | 97.16 |
47.1% | REB% | 52.9% |
33.3% | OREB% | 37.5% |
62.5% | DREB% | 66.7% |
0.97 | PPP | 1.08 |
0.15 | FTR | 0.48 |
この試合、第4Q終了間際に藤井選手がタフな3Pシュートをねじ込んでOTに突入した試合。
OTは前回の試合とは打って変わって、名古屋DDのクラッチタイムパフォーマンスが上回り、OTは12-4で名古屋DDが圧倒しました。
今日の試合で1つの目標としてポゼッションゲームを勝つこと。昨日と違いリバウンドが良かったです。特にザイラン・チータム選手、アイザイア・マーフィー選手が素晴らしかったです。
名古屋DD ショーン・デニスHCのコメント(名古屋DD公式Xから引用)
同チームHCが言うように、REB数は群馬を5本上回り、チータム選手は13本(OREB4:DREB9)、マーフィー選手は10本(OREB2:DREB8)でした。
ただ、個人的に注目したいのはFTとFの部分。名古屋DDが群馬よりも圧倒的に多くのFTやFを誘発し、FTを着実に積み重ねていました。FG試投数に対するFT試投数の割合においても、名古屋DDは0.48と群馬を圧倒。
特に、群馬はインサイドプレーヤーが揃ってファウルトラブルに陥ってしまう苦しい展開でした。
- マイケル・パーカー選手:4ファウル
- トレイ・ジョーンズ選手:5ファウル(退場)
- ケーレブ・ターズースキー選手:3ファウル
- ヨハネス・ティーマン選手:4ファウル
なんだかんだ外国籍選手がオフェンス・ディフェンスの要になりがちなBリーグにおいて、インサイドプレーヤーのファウルトラブルはチームにとって痛過ぎです。
まとめ
群馬にとっては1/4まで7連勝とノリに乗っていたのですが、1/5は延長戦を落とすという残念な結果に。ただ、がっぷり四つの好ゲームで負けたのではなく、ファウルトラブルによって負けてしまったので、反省点が挙がるという意味ではそこまで落ち込まなくても良いのかもしれません。
名古屋DDとしては、戦後のHCのコメントでこんなことが発せられていました。
ここからは、ディフェンスのフォーカスをそのまま保てて、ペイント内の力を発揮できればかなり良くなると思います。
名古屋DD ショーン・デニスHCのコメント(名古屋DD公式Xから引用)
確かに、1/5のような試合を分析すると、名古屋DDの課題はほぼディフェンス面のみと言っても良いレベル。事実、1/5の試合のDefensive Rateは97.16と好データ。戦前の110.16が100前半に抑えることが出来れば、中地区の上位にも全然食い込めます。同地区2位のアルバルク東京が4連敗中で調子が悪いってところもありますしね。
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