2025/12/13~12/14で開催された、島根スサノオマジック@広島ドラゴンフライズの試合をレビューしていきましょう。
次節の群馬クレインサンダーズの対戦相手が広島なので、その事前情報収集も兼ねて試合レビューしていきます。
戦前データ
島根スサノオマジック


昨シーズンはリーグ屈指のスコアリングハンドラーだった安藤誓哉選手(現:横浜BC)が所属していましたが、今シーズンは同じくスコアリングハンドラーとして実力と人気を博している岡田侑大選手が入れ替わりで加入しました。
他、昨シーズンからのコアメンバーだったコティ・クラーク選手、ニック・ケイ選手、ジェームズ・マイケル・マカドゥ選手が残り、ハンドラーの役割の質があまり変わらなかったのは、これらコアメンバーにとってもやりやすさがありそうです。
島根というチームを評するなら、正に【OFのチーム】といった感じで、岡田・クラーク・ケイの3選手が全員PPG:15.0以上を記録しており、チーム4番目にスコアしているマカドゥ選手ですらPPG:14.2を記録しています。
原動力となっているのはもちろん岡田選手。%FGM3Pが48.3%で確率32.1%から見るとやや高めに感じますが、2PFGAのほとんどはペイントエリア。
同じスコアリングハンドラーでも、ジャンパーやPull-Upで強みを出していた安藤選手と異なり、岡田選手はスラッシャーとして、APG:5.2本でフィニッシャーとの連携で得点しているチームです。
ただ、明確に弱点となっているのがDF面。上位に食い込もうとしているチームとしては、被FG%が45.5%と高め。誘発しているTOVも11.57本と少ないのも特徴的です。
今節、実際のプレーを初めて見る選手が多いので、DF面には着目してみたいと思います。
広島ドラゴンフライズ


広島も島根に負けず劣らず【OFのチーム】と言ったところ。ただ、島根と明確に違う点があります。
島根はハンドラーからの連携を絡めたOFを展開するのに対し、広島はクリストファー・スミス選手やドウェイン・エバンス選手のスコアラーの個人技から得点を重ねていくスタイル。AST%が66.9%という低さからもその特徴が伺えます。
チームのスコアラーとしてはスミス、エバンス、コフィ・コーバーンの3選手になってきますが、注目したいのは主に6th・7thマンとしてプレーしている佐藤涼成選手。昨シーズン、特別指定選手として横浜BCでBリーグデビュー。今シーズン、ルーキー選手として広島と契約しました。
全体のFGAが平均5.3本なので、決してハイボリュームな選手ではありませんが、ベンチから出場した試合の平均は5.5得点、FG%:40.8%と一定の役割を与えられ、それに応えている印象です。
また、スターターとして出場した試合(5試合)でもPPG:5.8と積極性を欠きません(ただし、スターターでのFG%は35.7%)。外国籍選手の活躍が象徴的なチームにおいて、存在感が薄れないのは素晴らしいです。
広島も島根同様、明確な弱点はDF。DF Rateは島根と同等の水準ですが、被FGAが平均70.0本と多く、特にペイントエリアでの失点が多いです。
被%FG2Pが69.9%なので、平均失点の内57~58失点は2Pによる失点。ペイントエリアによる失点が37.67失点なので、割合にすると65.3%(2Pによる失点からみたペイントエリア内の失点の割合)になります。与FTAが15.2本とやや少なめなので、ペイントエリア内のDFは結構ソフトなのかもしれません。
加えて被P.O.Tが16.29失点、Efficasyにおいては1.48と結構悪い水準です。アイソレーション基調のOFから、ハンドラーがペイントエリア奥まで攻めた結果、TOVを犯してしまい、攻守の意識の切り替えが上手く出来ていないということだと思います。総合的にDF力は【広島<島根】という印象を個人的には感じました。
12/13の試合データ
各チームを振り返ったところで、それでは今節の試合のデータを振り返っていきましょう。
尚、今シーズンからデータ内容を増やし、ショットシチュエーションにも注目して分析していきます。
※ショットシチュエーションについて
基本スタッツ
| 島根スサノオマジック | 広島ドラゴンフライズ | |
| 71 | PT | 73 |
| 28/63 44.4% | FG | 28/70 40.0% |
| 23/46 50.0% | 2P | 19/35 54.3% |
| 5/17 29.4% | 3P | 9/35 25.7% |
| 10/17 58.8% | FT | 8/10 80.0% |
| 41 | REB | 39 |
| 10 | OREB | 9 |
| 31 | DREB | 30 |
| 16 | AST | 14 |
| 12 | TOV | 9 |
| 6 | STL | 7 |
| 5 | BLK | 0 |
| 18 | F | 18 |
詳細スタッツ
| 島根スサノオマジック | 広島ドラゴンフライズ | |
| 82.1% | %FGM2P | 67.9% |
| 17.9% | %FGM3P | 32.1% |
| 73.0% | %FGA2P | 50.0% |
| 27.0% | %FGA3P | 50.0% |
| 64.8% | %PT2P | 52.1% |
| 21.1% | %PT3P | 37.0% |
| 14.1% | %PTFT | 11.0% |
| 15 | Points Off TOV | 13 |
| 10 | Fast Break Points | 17 |
| 4 | 2nd Chance Points | 4 |
| 40 | Points In the Paint | 34 |
| 32 | Bench Points | 21 |
| 1/6 (2) | After TO Results (Points) | 1/5 (3) |
| -1 | After TO +/- | 1 |
アドバンスドスタッツ
| 島根スサノオマジック | 広島ドラゴンフライズ | |
| 72.48 | ポゼッション数 | 74.40 |
| 試合のペース:73.44 | ||
| 97.96 | Offensive Rate | 98.12 |
| 98.12 | Defensive Rate | 97.96 |
| 50.4% | TS% | 49.1% |
| 48.4% | eFG% | 46.4% |
| 1.67 | POT Efficasy | 1.08 |
| 0.40 | 2nd Chance Efficasy | 0.44 |
| 51.2% | REB% | 48.8% |
| 25.0% | OREB% | 22.5% |
| 77.5% | DREB% | 75.0% |
| 57.1% | AST% | 50.0% |
| 14.5% | TOV% | 10.8% |
| 0.98 | PPP | 0.98 |
| 0.33 | After TO PPP | 0.60 |
| 0.27 | FTR | 0.14 |
Shoot Summary
| 島根スサノオマジック | 広島ドラゴンフライズ | |
| 13/25 52.0% | Self-Shootmake | 10/17 58.8% |
| 2/7 28.6% | MID-Jumper | 2/4 50.0% |
| 3/5 60.0% | Short-Jumper | 4/6 66.7% |
| 3/5 60.0% | Push | 3/5 60.0% |
| 4/11 36.4% | Floater | 0/3 0.0% |
| 11/15 73.3% | Lay-Up | 8/15 53.3% |
| 0 | Dunk | 2 |
| 0 | Tip-In | 0 |
| 4/15 26.7% | Catch&Shoot | 5/16 31.3% |
| 1/2 50.0% | Moving | 1/5 20.0% |
| 0/0 ー | Pull-Up | 3/13 23.1% |
| 1/3 33.3% | Wide-Open | 0/3 0.0% |
戦評
両チーム、キープレーヤーがロスター外となった試合
島根はエーススコアラーの岡田選手がリーグの罰則規定により欠場、広島もビッグマンフィニッシャーのコフィ選手が肉離れ的なケガのため欠場となりました。
両選手ともPPG:15.0以上を記録するスコアラーが欠場となり、両チームともOFの編成やスカウティングが上手く機能しにくい、難しい試合になりました。
実際、試合を通して観たところ、前半は両チームとも腹の探り合いのような展開で、第1Q:18-17、第2Q:20-20と1点差。試合の熱量が変わったのは、ハーフタイムを終えた後半から、両チームとも一気にDFのインテンシティが上がって見応えのある攻防戦に。
DFの質が良かったのは広島
両チームのRatingが100に満たず、かつ、肉薄していることから、両チームともDFで粘れた試合でしたが、質が良かったのは広島だと筆者個人としては見ています。
この試合の島根のペイントエリア内の得点が40得点で、広島側からしたら、ペイントエリア内の平均失点を上回る結果になりました。もう1つ言えば、2PFGが23/46であるため、島根の2PFGMの内、約9割がペイントエリア内だったことになります。
ここだけ切り取ると広島側のDFの穴を突かれたように見えますが、Shoot Summuryを見てみると、Floaterを4/11(36.4%)に抑えています。この部分の精度を下げさせたのは大きかったと言えるでしょう。
と言うのも、広島としての弱点であるインサイドを攻めるためにクラーク選手やニック・ケイ選手がポストアップすることが多かったですが、ペイントエリアの最深部であるリム下への侵入までは許しませんでした。ポストアップしたプレイヤーのショットセレクションをFloaterのみの選択肢に仕向けたと言い換えることが出来るのです。
終盤、島根はガード陣がクリエイトを日和ってしまった
試合終了まであと5分となった時点で61-63と広島2点リードというクラッチゲームに突入。それ以後の島根のOFはどことなく単調でした。
そういう指示が出ていたのか、ガード陣の意識がそうなってしまったのか分かりませんが、前半はよくパスが動いて(記憶違いでなければ)3本のWide-Open 3Pを演出するほど連動が効いていましたのに対し、クラッチタイムにはガード陣が常にクラーク選手やニック・ケイ選手らビッグマンを探しているように見えました。
実際、クラッチタイムでの島根のFGA:5本の内、4本がクラーク選手とニック・ケイ選手の物。ファウルドローンも記録では介川アンソニー翔選手も記録しているものの、基本はクラーク選手かマカドゥ選手のものでした。
また、これは驚きのデータだったのですが、この試合を通じて島根はPull-Up 3Pの試投数がなんとゼロ。
ガード陣のシュートの意識が無さ過ぎたことと、広島としてもウィークポイントであるインサイドDFに意識が集中していたこともあって、そんな状況でインサイドにアタックしようにも流石に効率が悪くなり過ぎます。
試合を通して数本でも打てていれば、DFとの駆け引きの材料になって、広島DFの収縮を防げたかもしれません。2戦目の岡田選手の復帰がどう影響するか注目ですね。
12/14の試合データ
基本スタッツ
| 島根スサノオマジック | 広島ドラゴンフライズ | |
| 96 | PT | 88 |
| 29/57 50.9% | FG | 32/70 45.7% |
| 17/32 53.1% | 2P | 19/29 65.5% |
| 12/25 48.0% | 3P | 13/41 31.7% |
| 26/33 78.8% | FT | 11/17 64.7% |
| 36 | REB | 37 |
| 8 | OREB | 13 |
| 28 | DREB | 24 |
| 21 | AST | 20 |
| 10 | TOV | 12 |
| 8 | STL | 9 |
| 0 | BLK | 1 |
| 21 | F | 28 |
詳細スタッツ
| 島根スサノオマジック | 広島ドラゴンフライズ | |
| 58.6% | %FGM2P | 59.4% |
| 41.4% | %FGM3P | 40.6% |
| 56.1% | %FGA2P | 41.4% |
| 43.9% | %FGA3P | 58.6% |
| 35.4% | %PT2P | 43.2% |
| 37.5% | %PT3P | 44.3% |
| 27.1% | %PTFT | 12.5% |
| 10 | Points Off TOV | 10 |
| 7 | Fast Break Points | 22 |
| 8 | 2nd Chance Points | 15 |
| 32 | Points In the Paint | 36 |
| 29 | Bench Points | 5 |
| 4/5 (9) | After TO Results (Points) | 4/6 (11) |
| -2 | After TO +/- | 2 |
アドバンスドスタッツ
| 島根スサノオマジック | 広島ドラゴンフライズ | |
| 73.52 | ポゼッション数 | 76.48 |
| 試合のペース:75.00 | ||
| 130.58 | Offensive Rate | 115.06 |
| 115.06 | Defensive Rate | 130.58 |
| 67.1% | TS% | 56.8% |
| 61.4% | eFG% | 55.0% |
| 0.83 | POT Efficasy | 1.00 |
| 1.00 | 2nd Chance Efficasy | 1.15 |
| 49.3% | REB% | 50.7% |
| 25.0% | OREB% | 31.7% |
| 68.3% | DREB% | 75.0% |
| 72.4% | AST% | 62.5% |
| 12.3% | TOV% | 13.4% |
| 1.31 | PPP | 1.15 |
| 1.80 | After TO PPP | 1.83 |
| 0.58 | FTR | 0.24 |
Shoot Summary
| 島根スサノオマジック | 広島ドラゴンフライズ | |
| 8/16 50.0% | Self-Shootmake | 4/13 30.8% |
| 2/6 33.3% | MID-Jumper | 1/2 50.0% |
| 6/9 66.7% | Short-Jumper | 5/7 71.4% |
| 3/3 100.0% | Push | 0/2 0.0% |
| 1/7 14.3% | Floater | 0/0 – |
| 5/7 71.4% | Lay-Up | 9/12 66.7% |
| 0 | Dunk | 4 |
| 0 | Tip-In | 0 |
| 5/15 33.3% | Catch&Shoot | 6/18 33.3% |
| 2/3 66.7% | Moving | 4/8 50.0% |
| 5/7 71.4% | Pull-Up | 3/16 18.8% |
| 1/2 50.0% | Wide-Open | 2/2 100.0% |
戦評
鬱憤を晴らす岡田侑大選手の大活躍
この試合のメイントピックスは、誰がどうこの試合を観ても岡田選手の大活躍でしょう。これは異論ないでしょうし、あっても認めません。
キャリアハイに迫る30得点はもちろん、驚異的なのはその内訳で、FG:10/15(66.7%)、3P:8/10(80.0%)、TS%:94.5%、eFG%:93.3%、AST:4本、TOV:1本というプライマリーハンドラーとして最高の数字だったと思います。
特筆すべきはやはり3Pで、前戦の課題として挙げたPull-Up 3Pを5/7で沈めました。逆に言うと、岡田選手しかPull-Upの選択肢が発生しなかったというチームの弱みとも捉えられるんですが、岡田選手個人にとっては素晴らしいパフォーマンスでした。
リザーブのパフォーマンスに明確な差
この試合、Bench Pointsが島根がクラーク選手の15得点を筆頭に、中村大地選手(5得点)・納見悠仁選手(7得点)も要所で3Pを決めるなど、岡田選手の一辺倒にならないためのつなぎ役として効果的な働きを見せました。
対する広島は僅か5得点。記録者として渡部琉選手(3得点)、山崎稜選手(2得点)のみ。この試合ローテーションに組み込まれた選手が上澤俊喜選手の17:10の出場程度で、渡部選手は10:55、山崎選手が11:45のプレータイムでインパクトを残せませんでした。
スミス選手・エバンス選手・メイヨ選手の3選手がハイスコアリングを見せていたので、仕方がないことかもしれませんが、もう少し攻め方の「違い」を見せてくれると、全然可能性のあった試合だったと思います。
明確な弱点が見えた両チーム(ただし、検証は必要)
これはあくまで個人的な意見であること・検証を重ねる必要があることを前提にしますが、両チームとも明確な弱点が見えた試合でした。
島根側としては、やはり計算できるクリエイターが岡田選手しかいないこと。クラーク選手も思ったよりも自分でクリエイト出来ない選手でした。
1戦目の時はクラーク選手のSelf-Shoot Makeが4/10、2戦目は1/1と、Attemptに差があり過ぎます。ここから言えることは、1戦目はクラーク選手が岡田選手の代わりを果たそうとしたけど、あまり機能しなかったというところ。
他にも、岡田選手自身の弱点、というか、チームに与えるマイナス面も見えてきました。これは今後の検証を重ねた上で、いつか発信出来たら良いかな?と思っています。
対する広島は、スミス選手・エバンス選手の強力なスコアラーがいてもちろん脅威だけど、結構「真正面から正々堂々のアイソレーション」という感じで、Pick&Rollやハンドオフからのクリエイトなど、現代バスケで重要視される「ズレ」を作る小細工があまりありませんでした。
もちろん、コフィ選手が復帰した後、どう変わるか注目したい所です。
群馬対広島戦を前に
前述したように、広島は正面突破のアイソレーションの基調があるので、藤井祐眞選手や細川一輝選手、あとはテレンス・ウッドベリー選手辺りがどの程度対応できるのか気になるところ。
ただ、今節でAJ・エドゥ選手が復帰したので、インサイドでのDF・OFに躍動を期待したい所です。
PR:Bリーグを観るには?
Bリーグ戦においては、近年、地上波TVでも観戦することが出来ますが、録画などを忘れると基本的には再放送されないので見ることは出来ません。やはりその場合はオンデマンドサービスが有用です。
バスケットLIVE
日本のバスケ配信サービスと言えば?という問いに「バスケットLIVE」と答えられるくらいには地位が確立してきた感のある同サービス。
スマホアプリでは操作性に難があると言った口コミも目にしますが、日本のバスケ全試合がほぼ全て見放題なところが魅力。日本代表やBリーグはもちろん、天皇・皇后杯やU18の日清食品トップリーグ、中学生のウィンターカップ、ミニバス全国大会に至るまで視聴が可能です。
未来の日本代表の発掘もしたい人にとっては嬉しいサービスでしょう。
DAZN
サッカーやモータースポーツの印象が強いDAZNですが、バスケットボールも視聴が可能です。
DAZNは国際サービスともあり、日本代表だけでなくユーロの大会やアメリカ杯の試合も配信されるので、よりレベルの高い国の試合を観戦したい人にとってもおススメです。
また、地味ながらDZANの評判の良いところは、試合中の実況・解説がTVを含めた他の配信サービスよりも良い意味で控えめというところ。
他のサービスだと、絶え間なく実況アナウンサーが喋り続けて、観る側からしたら「まだそこまでじゃないけど…」というようなタイミングでも大袈裟に「決まったーッ!!」と騒いだり、必要以上に選手を持ち上げて、試合観戦に集中できないというコメントがよく目に付きます。
その点、DAZNでは必要十分な実況・解説コメント(TVとかは過剰過分)で、選手やプレーを称える瞬間も大騒ぎしません。海外スポーツの中継は割とこういったメリハリが主流ですよね。
ただ、DAZNは競技ごとの料金が無く、月額料金が3,200円~と、他と比べてお高めなので、その辺はよく検討してください。
蛇足かもしれませんが、アニメなどサブカルにも興味がある人は、【DMMプレミアムDAZNホーダイ】も検討の余地アリです。
DAZN視点だと、月額3,200円~に+280円(税込み)するだけで、アニメや漫画などのサブカル作品が見放題。もちろん、DMMにもスポーツアニメが多数存在します。
「バスケしか見ないのに3,200円は高い」と思っても、「+280円でアニメや漫画も見れる!」という嬉しさがありますね。


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