第24節|群馬クレインサンダーズ✕京都ハンナリーズの試合レビュー

試合レビュー

2026/3/7~3/8で開催された、群馬クレインサンダーズ@京都ハンナリーズの試合をレビューしていきましょう。

FIBAW杯2027アジア1次予選Window2が先週に終了し、いよいよここからChampionshipまで一直線のBリーグ。現在、ワイルドカード枠1位の千葉ジェッツが27勝12敗。ワイルドカード枠は4枠与えられることになり、残り21試合となります。

戦前データ

群馬クレインサンダーズ

戦前時点で24勝15敗で東地区5位、ワイルドカード枠も同様に5位でこのままではChampionshipに進めない順位に落ち込みました。ASブレイク後、5勝4敗と勝ち越したものの、Championshipを考えると厳しい勝率。北海道・宇都宮・長崎というトップチーム相手なので仕方ないと言えば仕方ないのかもしれませんが。

今回対戦する京都とは第16節に1試合戦っています。その時の感想がこちら。

64得点は今シーズン最少得点という試合でした。この試合はNet Rating(OF Rate-DF Rate)が-5.47。仮に1点差で勝利していても、Net Ratingがマイナスとなる可能性があったほどOFの効率が悪い試合でした。

分かりやすい数値を出すと、FG:23/59(39.0%)、3P:7/25(28.0%)、eFG%:44.9%と、シーズンワーストレベル…、というのは言い過ぎですが、それでも低水準でした。

この試合は両チームにとって難しいゲームで、群馬側はトレイ・ジョーンズ選手が、京都はアンジェロ・カロイアロ選手という両チームのエースがケガの影響で欠場していましたね。ただ、今節は両選手ともインジュアリー・リストから削除されて臨みます。

群馬は現在リーグ3位の3P%:35.6%を誇っていますが、前節の長崎戦では2試合で13/56(23.2%)と低調。その2試合はクリエイターの中村拓人選手がコンディション不良で欠場した結果、クリエイター不足が祟り、武器の3Pに繋がらなかったという課題が露呈しました。
※尚、中村拓人選手は今節も故障のため欠場です。

そんな中、クリエイターとして「使う側」にもなれるし、シューターとして「お膳立てされる側」にもなれるトレイ選手が復帰したのは武器になりそうです。その分、負担は大きくなってしまいますが…。

トレイ選手をある程度OFに専念させてあげたいというのはあるので、リムプロテクターのAJ・エドゥ選手や、PoA-DFとして藤井祐眞選手やコー・フリッピン選手には頑張って欲しいです。

京都ハンナリーズ

京都は現在11勝28敗で西地区12位。ワイルドカード枠4位の琉球が26勝13敗なので、理論上はまだワイルドカード枠獲得出来る位置にいますが、現実的には厳しいと言わざるを得ません。

データベースでチームを紐解くと、平均得点:71.49得点という数字は、戦前時点でリーグ最下位の数字。FG%:40.8%、3P%:30.5%も同様にリーグ最下位の数字です。

となると、DF力で勝たないといけないわけですが、DREB:22.31本と、これまたリーグ最下位の数字。ビッグマンのチャールズ・ジャクソン選手が平均DREB:6.1本と及第点ですが、次点でジョーダン・ヒース選手の4.6本とちょっと物足りなさを感じます。3番目に多いのがエースのアンジェロ・カロイアロ選手の4.1本ですからね。

ペイントエリア内の失点が37.33失点とやや多め。かつてはBLK王にも輝いていたヒース選手も、今シーズンは1.1BLKと「少なくないけど多くもない」と脅威感を感じなくなってきています。

注目選手はエースのカロイアロ選手。これまで、NBAでトランプカードにおける最強を意味する【Jorker】の異名を持つ二コラ・ヨキッチ選手を引き合いに「Bリーグ・Joker」と個人的に称していましたが、ポジション的にはウイングの選手なのであまり適切じゃなさそうと最近思い始めました。

出場した試合が5勝10敗と勝率が奮わないのが辛いところですが、選手としてのスペックはとんでもなく、PPG:20.2得点はリーグ3位相当の成績。シュート効率も61-40-85とエグ過ぎる確率を残し、その上APG:4.3本と、正に「OFの鬼」と言える選手です。

注目したい選手がもう1人いて、それが小川麻斗選手。昨シーズンまで千葉Jにいてくすぶっていましたが、今シーズン京都に移籍してステップアップ。特にASブレイク後はPPG:11.1得点(それ以前はPPG:9.0得点)。同様にFG%:38.0%とこちらは低いですが、シーズン全体でのFG%が34.4%であったことを考えると、一定の改善が図れていると見て良いでしょう。カロイアロ選手の復帰後も存在感を失っていないのが素晴らしいです。

3/7の試合データ

各チームを振り返ったところで、それでは今節の試合のデータを振り返っていきましょう。

基本スタッツ

群馬クレインサンダーズ京都ハンナリーズ
65PT67
27/60
45.0%
FG22/54
40.7%
19/36
52.8%
2P13/31
41.9%
8/24
33.3%
3P9/23
39.1%
3/3
100.0%
FT14/21
66.7%
32REB35
7OREB10
25DREB25
17AST14
13TOV14
7STL9
3BLK0
21F17
基本スタッツの略語について

詳細スタッツ

群馬クレインサンダーズ京都ハンナリーズ
70.4%%FGM2P59.1%
29.6%%FGM3P40.9%
60.0%%FGA2P57.4%
40.0%%FGA3P42.6%
58.5%%PT2P38.8%
36.9%%PT3P40.3%
4.6%%PTFT20.9%
12Points Off TOV18
13Fast Break Points9
82nd Chance Points11
30Points In the Paint18
20Bench Points37
1/7
(4)
After TO Results
(Points)
1/3
(1)
3After TO +/--3
詳細スタッツの略語について

アドバンスドスタッツ

群馬クレインサンダーズ京都ハンナリーズ
67.32ポゼッション数67.24
試合のペース:67.28
96.55Offensive Rate99.64
99.64Defensive Rate96.55
53.0%TS%53.0%
51.7%eFG%49.1%
0.86POT Efficasy1.38
1.142nd Chance Efficasy1.10
47.8%REB%52.2%
21.9%OREB%28.6%
71.4%DREB%78.1%
63.0%AST%63.6%
17.5%TOV%18.1%
0.97PPP1.00
0.57After TO PPP0.33
0.05FTR0.39
アドバンスドスタッツの略語について

Shoot Summary

群馬クレインサンダーズ京都ハンナリーズ
6/14
42.9%
Self-Shootmake7/23
30.4%
5/13
38.5%
MID-Jumper4/13
30.8%
1/2
50.0%
Short-Jumper1/6
16.7%
0/1
0.0%
Push2/2
100.0%
2/6
33.3%
Floater1/1
100.0%
8/11
72.3%
Lay-Up4/8
50.0%
2Dunk1
1Tip-In0
2/7
28.6%
Catch&Shoot6/11
54.5%
4/6
66.7%
Moving2/4
50.0%
2/11
18.2%
Pull-Up1/9
11.1%
2/8
25.0%
Wide-Open4/4
100.0%
Shoot Summaryについて

戦評

第1Q大コケしても、粘り強く戦った京都に軍配

試合開始早々、2分ちょっとで12-2のスコアリングランをかました群馬。この時間帯のFG:5/5と1本も落とさず、第1Q全体でもFG:12/17(70.6%)と高確率なシューティング。対する京都はFG:4/14(28.6%)とDFもOFもかみ合いませんでした。

ただ、第1Qこそ28-11、試合を通して20得点差をつけた群馬に対して、京都は粘り強く戦い、ビッグQは無かったものの、第2Q以降は16-20・12-15・9-21と、いずれも京都が上回りました。

試合をしていた選手たちにとってはどうだったか分かりませんが、観戦している立場としては、「大逆転負け」というわけではなく、「ジワジワ点差を詰められて終盤に捲られた」という感じで、流れの傾きが希薄なまま試合が終わってしまいました。

京都の粘り勝ちの背景には、%PTの内訳とREB。%PTについては後述しますので、ここではREBの部分に触れます。

京都のREB%は52.2%で群馬をわずかにリード。2nd Chance Pointsは11得点し、期待値としては1.10と高効率。群馬も効率としては悪くない(2nd.C.E:1.14)ですが、OREBの回転数で京都が上回っていました。

シューターが分散した京都、対する群馬は…

第2Q以降、ちょこちょこ3Pを決めてジワジワと群馬に追いすがっていた京都でしたが、最終的に39.1%という高確率を収め、勝利を手繰り寄せました。

対する群馬も8/24(33.3%)と京都の9/23と大きな違いはありませんでした。が、両チームのシューターの量の問題がありました。複数の3PFGAを記録した選手を見てみましょう。

群馬クレインサンダーズ

  • 藤井祐眞選手:0/4(0.0%)
  • トレイ・ジョーンズ選手:1/5(20.0%)
  • ケリー・ブラックシアーJr選手:2/3(66.7%)
  • 辻直人選手:2/5(40.0%)
  • 細川一輝選手:3/5(60.0%)

京都ハンナリーズ

  • 澁田怜音選手:1/3(33.3%)
  • 小川麻斗選手:0/4(0.0%)
  • 前田悟選手:2/2(100.0%)
  • 川嶋勇人選手:2/4(50.0%)
  • アンジェロ・カロイアロ選手:1/3(33.3%)
  • ジョーダン・ヒース選手:2/3(66.7%)
  • ホール百音アレックス選手:0/2(0.0%)
  • 古川孝敏選手:1/2(50.0%)

群馬は複数3PFGAを記録したのは5人。対する京都は8人で、3PFGAを記録した選手全員が複数3Pを放っています。

群馬は前半こそ細川選手の3Pが3/4と当たっていましたが、後半は僅かに第3Qの1本のみ。細川選手に限らず、前半、気持ちよく3Pシュートを放って、5/11(45.5%)と高確率でしたが、後半は3/13(23.1%)と低調。試合を観てても、第3Qはシュータープレーが少なくなってきたように思います。

数字上で明確なものを示せないのが申し訳ないですが、京都側のDFが3Pを優先的に防ぎにきた影響もあるかもしれません。藤井-コーの2ガードをせず、出来るだけコー選手のシュートレンジの狭さを隠していましたが、ヨハネス・ティーマン選手との併用時間もあったため、OFの対応がしにくくなっていましたね。

FTAを獲得できず、流れを掴めなかった群馬

勝利試合ではFTA:18.2本のところ、敗戦試合ではこれまでFTA:14本と比較的大きな差がありましたが、この試合はシーズンワーストの3本。

この影響が出たのが%PTの部分で、群馬は58.5-36.9-4.6と、全体の得点がFGに占める割合が著しく大きくなり、流れの中のシュートタッチに依存する形になってしまいました。

対する京都は38.8-40.3-20.9とおよそ4:4:2と美しい比率。FTAも21本獲得することで、群馬DFに対してペイントアタックの圧力を与えられたことで、3Pシュートの良いシチュエーションが演出できたのではないかと思います。

実際、苦し紛れになりがちなPull-Up 3Pは1/9(11.9%)と低調でしたが、デザインされた3PになりやすいCatch&Shoot 3P・Moving 3Pの合算では8/15(53.3%)で、群馬の6/13(46.2%)を上回りました。

群馬DFの対応を考えた時、京都のPoints In the Paintが最終的に18得点という少ない失点だったので、もう少し、ペリメーターへの対応の意識をしても良かったかもしれません。まぁ、それだけエースのカロイアロ選手の引力が強力だったということなのでしょうか(FT:6/7、AST:6本)?

3/8の試合データ

基本スタッツ

群馬クレインサンダーズ京都ハンナリーズ
92PT68
33/61
54.1%
FG25/58
43.1%
20/34
58.8%
2P21/35
60.0%
13/27
48.1%
3P4/23
17.4%
13/18
72.2%
FT14/23
60.9%
32REB34
8OREB12
24DREB22
19AST13
10TOV14
10STL8
1BLK0
21F20
基本スタッツの略語について

詳細スタッツ

群馬クレインサンダーズ京都ハンナリーズ
60.6%%FGM2P84.0%
39.4%%FGM3P16.0%
55.7%%FGA2P60.3%
44.3%%FGA3P39.7%
43.5%%PT2P61.8%
42.4%%PT3P17.6%
14.1%%PTFT20.6%
16Points Off TOV9
14Fast Break Points7
102nd Chance Points17
36Points In the Paint38
31Bench Points27
0/4
(0)
After TO Results
(Points)
2/4
(4)
-4After TO +/-4
詳細スタッツの略語について

アドバンスドスタッツ

群馬クレインサンダーズ京都ハンナリーズ
70.92ポゼッション数70.12
試合のペース:70.52
129.72Offensive Rate96.98
96.98Defensive Rate129.72
66.7%TS%49.9%
64.8%eFG%46.6%
1.14POT Efficasy0.90
1.252nd Chance Efficasy1.42
48.5%REB%51.5%
26.7%OREB%33.3%
66.7%DREB%73.3%
57.6%AST%52.0%
12.7%TOV%17.0%
1.30PPP0.97
0.00After TO PPP1.00
0.30FTR0.40
アドバンスドスタッツの略語について

Shoot Summary

群馬クレインサンダーズ京都ハンナリーズ
5/14
35.7%
Self-Shootmake7/18
38.9%
4/10
40.0%
MID-Jumper4/8
50.0%
7/8
87.5%
Short-Jumper4/4
100.0%
0/0
Push2/4
50.0%
3/7
42.9%
Floater3/9
33.3%
4/6
66.7%
Lay-Up7/9
77.8%
2Dunk1
0Tip-In0
5/10
50.0%
Catch&Shoot2/13
15.4%
4/10
40.0%
Moving1/5
20.0%
4/7
57.1%
Pull-Up1/4
25.0%
2/7
28.6%
Wide-Open0/3
0.0%
Shoot Summaryについて

戦評

ロスター全員得点で圧倒

表題通り、群馬はロスター全員得点。2桁得点した選手はゲームハイのトレイ選手の26得点、KBJの12得点のみでしたが、細川選手が9得点、藤井・コー・JTの3選手が8得点と十返翔里選手と谷口大智選手以外、複数FGMを記録する、全体的に質の高いOFで京都DFを圧倒しました。リーグでも上位に位置するシューターである辻選手がこの試合欠場となった影響を感じさせないOFでした。

興味深いのが、ボックススコアを見てみると、AST:19本の内、KBJ:5本・AJ:4本・JT:3本とビッグマンだけで12本記録している所。コー選手の2ASTも含めると、ノンシューターの選手で14本記録していることになります。

後述するFTAの部分の修正と併せて、ペイントタッチからのキックアウト・オフボールスクリーン・ハンドオフ&スクリーンの機能が良く働いたということでしょう。シューティングの好調の背景に考えられると思います。

シューター陣が気持ち良く打てたという根拠は3Pのシチュエーションにも表れていて、Catch&Shoot 3P:5/10(50.0%)、Moving 3P:4/10(40.0%)で、合算すると9/20(45.0%)としっかりデザインされた流れの中の3Pだったので、確率も1戦目の33.3%を上回り、シューターの「量」の問題を「質」で解決して見せました。

FTAを修正?というか元に戻してきた群馬

この試合、群馬のFTAは18本と、前述したように勝戦時のデータと同等数獲得しました。第1Qだけで1戦目を上回る8本のFTA。チームとしても、この辺は即座に修正が必要なところだという認識は強かったのでしょう。

先のASTの内訳と同様に、この辺を引っ張ったのもビッグマン陣。KBJ:4本(4/4)・AJ:3本(2/3)・JT:3本(2/3)とチームの約半数である10本のFTAを獲得してきました。

また、確率は奮わなかったものの、トレイ選手も同様で、第1Qだけで4本のFTAを獲得。エースとしてチームが求めているものを体現してくれましたね。

序盤は勝ち筋があった京都だったが…

1戦目と異なり、第1Qからリードをする展開になって、前日の粘り勝ちの流れを持っていたかに見えた京都。エースのカロイアロ選手を筆頭にバランスよくスコアリングをして、OREB:3本。DF面においてもSTL4本と、攻守両面で粘り強さを見せていました。

こういった粘り強さを維持するためにはミスなく、落ち着いた試合展開にしていく必要がありますが、第1QだけでTOV::6本という悪手。ファウルも7本吹かれてしまい、粘りを体現することが出来なくなっていました。

試合を通して14本のTOVを犯し、群馬のP.O.Tが16得点なので、半数以上が失点に繋がっていました。OFは変な話、通常運転感が強かったので、DFで粘れなかったのが京都の敗因の大きな部分でしょう。

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