第24節|群馬クレインサンダーズ✕宇都宮ブレックスの試合レビュー

試合レビュー

今回は2025.3.12に行われた群馬クレインサンダーズ対宇都宮ブレックスとの試合をスタッツなどのデータを中心に振り返ってみましょう。

宇都宮が頭1つ飛び出ていますが、同地区の1、2位同士の対決。ハイレベルな試合を期待したい所です。

戦前データ

まずは前回の試合を振り返ってみましょう。

10/23の試合データ

基本スタッツ
宇都宮ブレックス群馬クレインサンダーズ
72PT69
27/62
43.5%
FG26/61
42.6%
11/34
32.4%
3P9/31
29.0%
7/11
63.6%
FT8/11
72.7%
34REB37
11OREB12
23DREB25
21AST15
10TO12
7STL6
4BLK3
15F15
15被F15
詳細スタッツ
9ファストブレイクポイント8
30ペイントエリア内の得点26
18PTs Off TO10
112nd Chance PTs6
アドバンスドスタッツ
宇都宮ブレックス群馬クレインサンダーズ
65.84ポゼッション数65.84
試合のペース:65.84
109.36Offensive Rate104.80
104.80Defensive Rate109.36
53.9%TS%52.4%
52.4%eFG%50.0%
1.50POTE1.00
47.9%REB%52.1%
30.6%OREB%34.3%
65.7%DREB%69.4%
77.8%AST%57.7%
13.0%TO%15.4%
1.09PPP1.05
0.18FTR0.18

開幕7試合目、そこまで宇都宮は開幕節・千葉ジェッツ戦で2連敗、群馬もそれまで3勝3敗と両チームとも開幕好スタートとは言えない状況での対戦でしたが、この試合は宇都宮が1ポゼッション差で勝利しました。スタッツ上を見てもほとんどが宇都宮優勢だったように表記されていますが、いずれも僅差。かなりの好ゲームだったことが読み取れますね。

この試合で勝負を分けたのは、現在進行形で群馬側の課題になっているTO関連の項目。TO数こそそこまで変わりませんが、POT(PTs Off TO;TOからの得点)が宇都宮が18得点に対して群馬が10得点。要するに、群馬が自身のTOから18失点していたということです。

また、1TOあたりの得点期待値が宇都宮に1.5点も許していました。宇都宮自体がFGの構成が2P<3Pという特徴を持ったチームということを念頭に置いても、群馬のTOの2本に1本以上は得点を許していた印象です。

宇都宮はコアメンバーのほとんどが5年以上一緒にプレーしていることから、戦い方・勝ち方がチームとして浸透していることを思い知らされます。DJ・ニュービル選手こそ2023-24シーズンから加入でしたが、その年にシーズンMVPを獲得していますからね。今シーズンもここまで18.2PTs(リーグ3位)・5.7REB(PGではリーグ1位)・5.8AST(5位)と個人的には2年連続のMVP獲得の筆頭です。

群馬クレインサンダーズ

基本的にはAST%の高い、高度なパッシングオフェンスを展開する群馬ですが、前節の@渋谷戦では強みのASTを12本に抑えられ、51-82で大敗しました。

当初、アジア杯予選で名を売ったハーパー・ジャン・ローレンスJr選手の対人ディフェンスが強力で、起点となるハンドラーがTOを誘発されるなどで抑えられたのかとも思っていましたが、TOは今季最少レベルの僅か7本でした。
その反面、本来ならASTから展開されたであろう3Pが2/19(10.5%)と大不調だったのが、その試合での敗戦の大きな要因でしょう。ある意味、考察のしようがないほど明確な敗因でした。

また、他の群馬の試合のレビューで取り上げているTO関連の項目ですが、チームとしての被POTは12.25失点、被POTEは1.05といずれも、一見それほど悪くはありません。
ただ、こと敗戦時に限ってみると事情が異なり、被POTは15.55失点、被POTEは1.28と跳ね上がります。シーズン序盤はリーグトップクラスのDefensive Rateを誇っていたと記憶していますが、現在は103.17と、ディフェンスに強みを持つというチームとしてはやや平凡に見えてきてしまいました。

それでも、シーズンを通して現状3P%が35%を上回っているのは事実。3PのEPSが1.0を上回っていますし、PPPが1.13というのも比較的優れた数値です。オフェンスのアグレッシブさを表す指標の1つであるFTRも0.30と比較的高く、エースハンドラーのトレイ・ジョーンズ選手がそれを引っ張っています。

TO絡みの失点を抑えつつ、3Pが普段通りの確率なら、全然勝機はあると言って良いでしょう。

宇都宮ブレックス

宇都宮は前述した通り、FGの構成が2P(31.3本)<3P(34.0本)となっているBリーグでも珍しいチーム。それでいてFG%が5割近く、2PFG%:59.4%でEPS:1.19、3PFG%:36.5%でEPS:1.10といずれも高い確率および得点期待値を有しています。

また、40試合経過してシーズンも後半戦に差し掛かってきたところで、PPPが1.18という高水準を保っているのも、流石地区首位のチームだなって感じですね。

※「EPSとかPPPって何?」という方はこちらの記事を参照してください↓

REB、特にOREB数が比較的低めの数値ですが、これはそれだけディフェンスが固く、相手のシュートを落としている回数が多いからこそ、相手チームにOREBの機会を与えているだけとも言えます。事実、DREB%は70%近く確保されているので、ディフェンスに強みを持っていることが読み取れます。

ただ、敢えて課題を挙げるとしたらOREBを許した後の2nd Chance PTsの面。直前に言ったことと矛盾しているかもしれませんが、2nd Chance PTsによる失点が約12失点。計算上、OREB1本あたり1点は献上している計算になります。
FGを外させるところまでは良いですが、OREBを奪われた後に得点を与えるきっかけを許していることになります。

例えば、現在ディフェンスが固いと言われるアルバルク東京を比較として出すと、被OREB:10.30に対して、2nd Chance PTsによる失点は僅か9.39失点。ちなみにA東京はDefensive Rateが97.51とリーグトップクラスのディフェンス力を誇ります。

宇都宮は首位チームらしく、およそ穴のないチームではありますが、突く穴と言ったらこの辺になってくるでしょうか?

戦前比較まとめ

お互い高効率のシュートを強みにしています。勝敗のカギを握るのは、2nd Chance PTsの得失点やTOからの得失点になってくるだろうと予測します。

3/12の試合データ

基本スタッツ
群馬クレインサンダーズ宇都宮ブレックス
77PT83
29/73
39.3%
FG29/56
51.8%
8/29
27.6%
3P13/34
38.2%
11/13
84.6%
FT12/17
70.6%
34REB39
20OREB15
14DREB24
19AST25
9TO17
10STL4
0BLK1
20F16
16被F20
詳細スタッツ
14ファストブレイクポイント8
32ペイントエリア内の得点24
24PTs Off TO18
182nd Chance PTs15
アドバンスドスタッツ
群馬クレインサンダーズ宇都宮ブレックス
67.72ポゼッション数65.48
試合のペース:66.6
113.70Offensive Rate126.76
126.76Defensive Rate113.70
46.6%REB%53.4%
45.5%OREB%51.7%
48.3%DREB%54.5%
65.5%AST%86.2%
10.3%TO%21.1%
1.14PPP1.27
0.18FTR0.30

試合は宇都宮がFG:50%超、3P%も40%近く記録して勝利。点差こそ6点ですが、ハッキリ言って完勝。群馬からしたら完敗という結果でした。

戦前、カギとしていた2nd Chance PTsの項目から見て行きましょう。
2nd Chance PTsは群馬が18得点、宇都宮が15得点でした。一見、群馬が優勢だったようにも見えますが、OREB1本あたりの得点を計算すると…。

  • 群馬クレインサンダーズ
    • OREB:20本
    • 2nd Chance PTs:18得点
    • 2nd Chance PTs/OREB:0.9得点
  • 宇都宮ブレックス
    • OREB:15本
    • 2nd Chance PTs:15得点
    • 2nd Chance PTs/OREB:1.0得点

こんな感じで宇都宮に軍配が上がります。微々たる差かもしれませんが、いずれのシチュエーションにとっても得点期待値が1.0を上回るか下回るかは、トップチーム同士の試合になる程、勝敗を分けるカギになることが分かりますね。

2nd Chance PTsの土台になるOREBについても、絶対数は群馬>宇都宮ですが、OREB%では宇都宮の方が51.7%と高確率で獲得しています。この数値は1/25の@琉球戦で記録した56.7%に次いでシーズンで2番目に高い水準です。

TOの項目についても2nd Chance PTsと全く同じことが言えてきます。
TOの数もPOTも、一見、群馬の方が優勢に見えますが…。

  • 群馬クレインサンダーズ
    • 誘発したTO:17本
    • POT:24得点
    • POTE:1.41
  • 宇都宮ブレックス
    • 誘発したTO:9本
    • POT:18得点
    • POTE:2.00

POTE(PTs Off TO Efficiency)、つまり、誘発したTO1本あたりの得点となると宇都宮の方が優勢なのです。
群馬としては課題だったTOを9本に抑えたことまでは良かったですが、その後のディフェンスに課題を残す結果となりました。

TOについては宇都宮も分かりやすいくらい良くなかったです。ポジティブキャンペーンをしてきましたが、TO:17本はいくらなんでも多過ぎです。それだけ群馬側のディフェンスのインテンシティが強かったということでしょうか?

マッチアップ的にはコー・フリッピン選手対比江島慎選手orニュービル選手だったと予測しますが、コー選手はこの試合3STLでゲームハイ。また、比江島・ニュービル両選手はTOがそれぞれ4本・2本。メインハンドラーへのディフェンスを頑張っていたのでしょうか?

ただ、そこはベテランの両選手で、いずれも2桁得点。ニュービル選手はチームハイの22得点で効率も素晴らしく3Pは5/9(55.6%)と相変わらずアンストッパブルな活躍でした。TO:17本でも勝利を収めることが出来たのは、間違いなくニュービル選手の活躍のお陰でしょう。

群馬はBOXスコア上、トレイ選手やヨハネス・ティーマン選手が得点を繋ぎましたが、3P%が伸び悩んだ結果、宇都宮に追いすがることが出来ませんでした。
OREBの総数は取れていたことから、インサイドよりも3Pを警戒されての宇都宮ディフェンスだったと予測します。インサイドが手薄になっていたため、OREBを保持しやすかった面もあったでしょう。だからこそ、2nd Chance PTsをしっかり決め切りたかったですね。

まとめ

冒頭にも書きましたが、この試合はチャンピオンシップでの勝敗を占う意味合いもあった試合でした。そういう意味では、(敢えて群馬側の立場で書きますが)宇都宮はかなりの難敵であると思わされる試合でしたね。

群馬としては2/8の北海道戦から3P%が奮わない試合が多いので、なんとかチャンピオンシップまでには3Pの復調に期待したいです。

次節はまた同地区の強豪・千葉ジェッツ。CSのストレートインのラインまでじわじわ迫ってきているので、負けたくないです。でも、大好きな渡邊雄太選手にも活躍して欲しい(笑)

コメント

タイトルとURLをコピーしました