今回は2025.3.19に行われた群馬クレインサンダーズ対千葉ジェッツとの試合をスタッツなどのデータを中心に振り返ってみましょう。
同地区2位・3位同士の試合。この試合の結果で順位の変動はありませんが、その差はごく僅か。どちらのチームにとっても、CSへストレートインするための重要な1戦になります。
戦前データ
まずは前回の試合を振り返ってみましょう。
12/14の試合データ
基本スタッツ | ||
千葉ジェッツ | 群馬クレインサンダーズ | |
82 | PT | 75 |
31/61 50.8% | FG | 26/65 40.0% |
16/34 47.1% | 3P | 8/25 32.0% |
4/9 44.4% | FT | 15/19 78.9% |
32 | REB | 38 |
8 | OREB | 15 |
24 | DREB | 23 |
16 | AST | 19 |
11 | TO | 11 |
2 | STL | 7 |
1 | BLK | 0 |
16 | F | 15 |
15 | 被F | 15 |
詳細スタッツ | ||
2 | ファストブレイクポイント | 2 |
30 | ペイントエリア内の得点 | 26 |
13 | PTs Off TO | 10 |
5 | 2nd Chance PTs | 20 |
アドバンスドスタッツ | ||
千葉ジェッツ | 群馬クレインサンダーズ | |
67.96 | ポゼッション数 | 69.36 |
試合のペース:68.66 | ||
120.66 | Offensive Rate | 108.13 |
108.13 | Defensive Rate | 120.66 |
63.1% | TS% | 51.1% |
63.9% | eFG% | 46.2% |
1.18 | POTE | 0.91 |
45.7% | REB% | 54.3% |
25.8% | OREB% | 38.5% |
61.5% | DREB% | 74.2% |
51.6% | AST% | 73.1% |
14.5% | TO% | 13.0% |
1.21 | PPP | 1.08 |
0.15 | FTR | 0.29 |
当節は千葉にとっては渡邊雄太選手がケガからの復帰から間もなかったことと、ジョン・ムーニー選手の離脱の影響で、ジョナサン・ウィリアムズ選手が合流していたことから、やや急造チーム感が抜けきらない状態での試合でした。
対する群馬は、辻選手の3Pがかなり調子が良かった時期。この試合も2/5とまずまずの結果を残していました。
ただ、この試合は振り返ると、千葉が群馬を圧倒した試合になった印象です。AST数が少なく、その中でFG%が50%を越えています。AST%が50%程度なので、個人での打開とASTからのFGのバランスが良く、それが群馬のディフェンスの的を絞らせなかったのかな?と感じました。
群馬としては、OREBで優位を取り、2nd Chance PTsでも20-5と圧倒しましたが、その優位性を活かせず。元々、チーム3P%が35~36%と比較的高い水準を誇っていましたが、この試合は8/25(32.0%)と普段を下回ってしまい、それが結果的に敗因となったでしょう。
12/15の試合データ
基本スタッツ | ||
千葉ジェッツ | 群馬クレインサンダーズ | |
53 | PT | 71 |
19/57 33.3% | FG | 30/70 42.9% |
8/31 25.8% | 3P | 6/27 22.2% |
7/11 63.6% | FT | 5/11 45.5% |
36 | REB | 44 |
9 | OREB | 14 |
27 | DREB | 30 |
12 | AST | 20 |
13 | TO | 5 |
2 | STL | 9 |
1 | BLK | 4 |
16 | F | 17 |
17 | 被F | 15 |
詳細スタッツ | ||
8 | ファストブレイクポイント | 6 |
16 | ペイントエリアでの得点 | 42 |
4 | Points Off TO | 20 |
8 | 2nd Chance PTs | 15 |
アドバンスドスタッツ | ||
千葉ジェッツ | 群馬クレインサンダーズ | |
65.84 | ポゼッション数 | 65.84 |
試合のペース:65.84 | ||
80.50 | Offensive Rate | 107.84 |
107.84 | Defensive Rate | 80.50 |
42.9% | TS% | 47.4% |
40.4% | eFG% | 47.1% |
0.80 | POTE | 1.54 |
45.0% | REB% | 55.0% |
23.1% | OREB% | 34.1% |
65.9% | DREB% | 76.9% |
63.2% | AST% | 66.7% |
17.4% | TO% | 6.3% |
0.80 | PPP | 1.08 |
0.19 | FTR | 0.29 |
当節2戦目は群馬がリベンジ。試合としては、どちらもシュートが決まらず、重たい苦しい試合となりました。
そんな中、ペイントエリアでの得点で42-16とインサイドを圧倒したのが群馬。ミッドレンジシュートが計算上、僅か3本しかないFG分布になる程、ペイントエリアを支配していました。
トレイ・ジョーンズ選手がベンチ出場ながらゲームハイの20得点で2PFGが7/10、その他、ケーレブ・ターズースキー選手が16得点(2PFG:7/9)、ヨハネス・ティーマン選手が13得点(同:6/10)とインサイドプレーヤーの貢献が光りました。
正直、期待されていた辻選手の3Pが不調だったり、藤井祐眞選手の乱発癖が出てしまっていたことが残念。また、アドバンスドスタッツを含めて、あらゆる数字が1戦目と大して変わっていないことから、「群馬が良かった!」と言うより、「千葉が自滅していった」という印象の方が強いです。応援するチームなんで、敢えて厳しめに書きました。シューティングスタッツに関しては2戦目の方が低いですしね。
群馬クレインサンダーズ


前節は宇都宮ブレックスと対戦。いつも課題として挙げていたTO絡みの項目ですが、2戦目は犯したTOの数は1ケタ台に抑えることが出来て、改善の兆しが見えましたが、POTEが2.00を記録するなど、TOを犯した後のディフェンスリカバリーに課題を残しました。
チームデータを見ると、1試合当たりのTOが11.41本に対して、POTによる失点が12.39失点。被POTEが1.05と本来悪くないはずなんですが、今後、CSで強豪と戦っていくことを考えると、もっと抑えていきたい所ですよね。
あと、前回の千葉との対戦記録を書いていて思ったことですが、AST%が高く、良くパスが通る美しいパッシングチームですが、逆に言うと、パス&シュートのコンビネーションが不発となると、個人で打開出来る選手や戦術が少ないのが弱点と感じました。事実、1戦目はそれで負けたようなものなので。
群馬の中で個人で打開できる選手と言うと、誰を思い浮かべるでしょう?大抵の人はトレイ・ジョーンズ選手と答えるでしょう。プレー的にはその枠に入りそうなのは藤井選手やコー・フリッピン選手ですが、いずれの選手もFG%が40%を下回っており、期待値が低過ぎます。
チーム内の平均得点No.2のJTは12.4得点でFG%が50%を越えますが、プレースタイル的にはフィニッシャーで、どちらかと言うとハンドラー・パサーに使われる側のロールプレーヤー。No.4(10.3得点、FG%:60.1%)のターズースキー選手はセンターの選手なので言わずもがな。
このように、フィニッシャーもこなせるハンドラーが群馬は少ないので、主なAST先になる3Pシューターの精度が崩れると、オフェンスが停滞・チグハグしがちなんですよね。
色々とネガキャンしてきましたが、勝利のカギは3Pシュート。TOは改善の兆しが見えるので、更なる改善が欲しいところです。
千葉ジェッツ


シーズン始まった当初は、昨シーズンのREB王だったムーニー選手を中心に、どちらかと言うとディフェンシブなチームという印象でしたが、平均得点が80点を超す、オフェンシブなチームに変貌?しました。
開幕から渡邊選手がケガで離脱し、渡邊選手が復帰したと思ったらムーニー選手もケガ…、と、中々盤石とは言えない苦しいこれまでのシーズンでした。
ただ、2月に入ってムーニー選手が復帰。渡邊選手も1月中旬のオールスターから調子を上げてきており、試合数を重ねて、ようやく【完全体・千葉ジェッツ】としてシーズンを戦い始めました。2月のムーニー選手復帰以降は6勝2敗。CSのワイルドカード枠を争うシーホース三河と星を分け合った他は、下位チームにはおよそ取りこぼしなく来ています。
今シーズン、NBAプレーヤーだった渡邊選手が加入しましたが、やはりチームのオフェンスの中心は富樫選手。平均AST数では名古屋DDの斎藤拓人選手や三遠ネオフェニックスの佐々木隆成選手にTOPの座を譲っていますが、優れたゲームメイカーとしてまだまだ健在です。
その証拠?に、千葉は渡邊選手を始め、クリストファー・スミス選手、DJ・ホグ選手、金近廉選手といった強力なウイングの選手は手ごわいですが、金近選手以外はやや役割がオーバーラップしている印象もあるため、それぞれを的確に潰されると、富樫選手のゲームメイクに依存する形になります。
2/1の横浜BC戦では、森井健太選手にべったり着かれて攻撃の起点を潰されたことで、試合中に上手くアジャスト出来ずに黒星を喫したことになりました。アジャストメントには少し難のあるチームという感じでしょうか?
ただ、最近は小川麻人選手、瀬川琉久にハンドラーの役割を任せて、少しずつ世代交代を図っている印象。特に瀬川選手は現役高校生の特別指定選手で試合数も少ないながら、平均6.0得点と光るものを見せてくれています。ここ数試合の群馬はハンドラーディフェンスに少し優位性を持たせているので、そこに通用することが出来るでしょうか?
戦前比較まとめ
以上をまとめると、各チーム、勝敗を握るのは以下の要素。
- 群馬クレインサンダーズ
- 3Pシューターの精度。
- トレイ・ジョーンズ選手以外のハンドリングフィニッシャーの出来。
- 千葉ジェッツ
- ウイングの選手たちのFGA配分。
- ゲームメイカーの出来。
この辺を念頭に置いて、試合を振り返ってみましょう。
3/19の試合データ
基本スタッツ | ||
群馬クレインサンダーズ | 千葉ジェッツ | |
70 | PT | 86 |
26/66 39.4% | FG | 30/63 47.6% |
10/34 29.4% | 3P | 8/22 36.4% |
8/13 61.5% | FT | 18/21 85.7% |
33 | REB | 41 |
11 | OREB | 12 |
22 | DREB | 29 |
22 | AST | 22 |
10 | TO | 13 |
7 | STL | 7 |
4 | BLK | 1 |
20 | F | 15 |
15 | 被F | 19 |
詳細スタッツ | ||
6 | ファストブレイクポイント | 14 |
24 | ペイントエリア内の得点 | 42 |
11 | PTs Off TO | 14 |
6 | 2nd Chance PTs | 12 |
アドバンスドスタッツ | ||
群馬クレインサンダーズ | 千葉ジェッツ | |
70.72 | ポゼッション数 | 73.24 |
試合のペース:71.98 | ||
98.98 | Offensive Rate | 117.42 |
117.42 | Defensive Rate | 98.98 |
48.8% | TS% | 59.5% |
47.0% | eFG% | 54.0% |
0.85 | POTE | 1.40 |
44.6% | REB% | 55.4% |
27.5% | OREB% | 35.3% |
64.7% | DREB% | 72.5% |
84.6% | AST% | 73.3% |
12.2% | TO% | 15.3% |
0.99 | PPP | 1.17 |
0.20 | FTR | 0.33 |
第2Q序盤までは群馬がリードをしていたものの、それ以降は千葉が逆転して一度もリードチェンジをすることなく、千葉が勝利を収めました。
まず、千葉側ですが、やり玉に挙げた強力ウイング陣のFGAの分布ですがこの通り。



こう見ると、渡邊選手はペリメーターから、ホグ選手とスミス選手はコート左側の3Pとペイントエリア内に偏ってますね。
試合のPlay-by-Playを見ていると、何となくこの3選手でローテーションを組んでいる印象。戦前分析をしている時は、「3人がオンコートしたら被って面倒臭いことになりそうだな」と思っていましたが、チームとしては3人がまとまることがないようにしてるのかもしれませんね。案外、ハッキリと役割は分散されているのかも。
勝敗を分ける1つの要因となったのが、FT。そもそもアテンプトから大きく差がついており、群馬がFTA13本に対して、千葉は21本。その内、スミス選手が半分近くの10本のFTAを記録しており、上記のウイングの選手で15本FTAを獲得するなど、果敢にペイントエリアにアタックしていたことが分かります。FTRも0.33と、比較的アグレッシブだったと言える数値です。
また、これはスタッツ上での憶測ではありますが、千葉のファストブレイクポイント及び、POTはそれぞれ14得点。これに対してSTL7本ですが、【STLし、そのままファストブレイクでイージーレイアップ】という、バスケットボールにおいて最も得点効率の良い王道プレーが7回あったことが考えられます。
これを考えると、群馬のTO、ひいては、トランジションディフェンスが如何に弱いかを思い知らされる内容のように感じます。
TOの総数は最近の試合同様、それなりに抑えられつつありますが、被POTEは1.40(3/5@渋谷:1.43、3/12宇都宮:2.00)と課題は残っていますし、結構重大な課題です。
他に群馬にとっての大きな敗因は3Pシュートの精度が低かったこと。この試合、10/34(29.4%)と低調でしたが、その主な内訳を見てみましょう。
- 藤井選手:4/11(36.4%)
- 1/3|1/1|1/3|1/4
- ジョーンズ選手:0/5(0.0%)
- 0/1|0/1|0/2|0/1
- 辻選手:4/6(66.7%)
- 3/3|0/1|1/1|0/1
- 細川選手:0/8(0.0%)
- 0/1|0/2|0/1|0/4
※下部の数値はQごとの3PM/3PAです。
これを見ると、ジョーンズ選手と細川選手のシューティングで大ブレーキ。特に差を広げられた第2Qでは、3Pは藤井選手のシュートのみしか入らず、1/6、なんとか追いついて逆転したい第4Qではチームとして2/12と、試合を通して確率が上がりませんでした。やはり、群馬の生命線は3P。ここが決まらないと強豪チームには歯が立ちませんね。
戦前、勝敗を分けるカギとして取り上げた、ハンドリングフィニッシャーの出来ですが、肝心のジョーンズ選手が5得点(FG:1/10、FT:3/6)、AST:4、TO:2と今シーズン最悪レベルのパフォーマンス。藤井選手は12得点ながら、FG%も低調でAST:5に対し、TO:4と、こちらも及第点とはいきませんでした。
中々群馬の良かった点を挙げるのが難しい試合でしたが、1つ光明があったとしたら、辻選手の3Pが4/6(66.7%)だったということ。年明けからなんだかピリッとしないシュートタッチだったので、何とか安定感と爆発力を維持してもらいたいところです。
まとめ
まとめると、千葉の完勝・群馬の完敗に終わった今節。千葉にも弱点はありそうですが、それを補える強力なウイング陣という強みがあり、戦前の印象よりもウイング陣の役割がそこまで被らず、被るところがあってもローテーションで補っている感じ。
対して、群馬はここに来て、【選手同士の役割の被らなさ】が良し悪しの紙一重だったんですが、悪い方が目立ち始めているのが懸念点です。
群馬はこれから琉球・三遠・宇都宮といった、各地区の首位チームと連戦節が待ち受けています。残りシーズン、マッチアップの厳しさは明らかに千葉<群馬なので、千葉にCSストレートインの枠を奪われてしまう可能性も大いにあります。
CSを戦う上ではいずれのチームも避けては通れないので、むしろ勝ち切って良いイメージでCSに臨めるようにしてもらいたいですね。
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