今回は2025.3.29~30に行われた琉球ゴールデンキングス対群馬クレインサンダーズとの試合をスタッツなどのデータを中心に振り返ってみましょう。
戦前データ
両チームは今シーズン初顔合わせなので、各チームのデータを中心に今シーズンを振り返ってみましょう。
琉球ゴールデンキングス


Bリーグを追っかけている人にとっては最早お馴染みのトップリバウンダーチーム。REB数2位の三遠ネオフェニックスの40.6本を大きく上回る43.9本。OREB・DREBもともにリーグ1位です。
特に驚異的なのはOREB。OREB%が39.0%とかなりの割合でOREBを確保しており、そこからの2nd Chance PTsもリーグぶっちぎりの17.62得点。チームの平均得点が約85得点なので、得点のおよそ2割が2nd Chanceから得ている計算になります。
ただ、「リバウンドを確保してもらえるから、シューターは気負わず打てる。結果、良く入る」という言葉が【漫画・黒子のバスケ】で出てきましたが、少なくとも琉球に関しては、割とそんなことも無い様子。
FG%は地区首位チームらしからぬ、リーグの平均よりちょっと下の43.8%。また、琉球と言えばハート&ソウル、通称【ココナッツ・スリー】の名手・岸本隆一選手のイメージから3Pも驚異的なのかと思いきや、こちらも32.1%とリーグ21位。岸本選手も32.3%とイメージ程良くない数字です。
このチームのオフェンスを語るには、OREB・2nd Chance PTsに隠れた要素、FT関連の項目が必要になります。
- FTA:21.2本(リーグ2位)
- FT:16.5本( 同 2位)
- FT%:78.0%( 同 2位)
- FTR:0.31( 同 3位)
リーグ1位の項目はありませんが、それぞれの項目で琉球よりも上にいるチームが違うので、FT項目の総合力としてはリーグトップと言っても良いかもしれません。
そして本当の脅威はREB関連にも関わりますが、強力なインサイド陣という結論に行きつきます。
琉球のインサイド陣と言うと、ヴィック・ロー選手、ケヴェ・アルマ選手、ジャック・クーリー選手・アレックス・カーク選手が挙げられますが、彼らの基本スタッツをピックアップしてみます。
PT | FG% | 3P% | FT% | REB | |
ヴィック・ロー選手 | 16.0 | 46.4% | 35.7% | 81.7% | 8.4 (1.7/6.7) |
ケヴェ・アルマ選手 | 12.6 | 45.4% | 38.0% | 75.7% | 5.9 (1.6/4.3) |
ジャック・クーリー選手 | 12.8 | 57.4% | 12.5% | 79.8% | 10.2 (4.4/5.8) |
アレックス・カーク選手 | 10.2 | 61.7% | 8.3% | 77.9% | 5.8 (2.6/3.2) |
全員、平均得点が2桁の上、FT%も軒並み高確率。OREBも選手ごとに波はありつつも、全員が1.5本以上獲得しています。
これらの選手が【OREB獲る→ゴール下の2nd Chance PT試投する→バスケットカウント→FTワンスロー成功】となるラダーが琉球というチームの真の脅威なのです。
群馬クレインサンダーズ


3月に入って、渋谷・宇都宮・千葉の強豪チームに3連敗を皮切りに、なんだかピリッとしない感じで過ごしてきました。
ただ、この期間、TO%が10~11%前後を推移して、課題だったTOを抑えてきてはいました。が、3/22越谷戦で92-67で大勝してから、続く3/23越谷・3/26@北海道ではそれぞれ17.0%、13.1%と悪化してしまいました。
群馬の課題としては、TO後のトランジションディフェンス。被POTEが1.07とやや高め。これが負け試合や強豪と言われるチーム相手では1.40~2.00辺りを推移するなど、数値が跳ね上がります。
更に、今は3P%も上向いていないことも影響して勝率が落ちてきています。3Pはやや水物感があるので、せめて、このトランジションディフェンスの改善をしていってもらいたいですね。
幸い、ポゼッション数が少ないので平均REB数は琉球に劣っていますが、実はREB%が52.5%、OREB%も31.9%とリーグの上位層には立ち位置があるのかな?と思います。やはり、今節はREB争いが最も大きなカギになるでしょう。
戦前比較まとめ
以上をまとめると、両チームの勝利のカギは以下の通り。
- 琉球ゴールデンキングス
- OREB・2nd Chance PTsで優位に立てるか。
- ファウルドローン含め、FT関連のプレー。
- 群馬クレインサンダーズ
- まず、DREBをしっかり確保したい。
- TO後のトランジションディフェンス。
- ペースコントロール。そのためにシュート効率の向上は重要。
チームの格としては割と明確に琉球>群馬。ただ、琉球の強みを抑えるための駒や能力はそれなりに持っています。琉球もOREBが強いと言っても、OREB%:40~50%超えてる試合でも負けてる試合は全然あるので、それだけFG%に弱みを持っています。それをOREB・2nd Chance PTsでカバーしているだけなので、群馬にも勝機はあります。
3/29の試合データ
基本スタッツ | ||
琉球ゴールデンキングス | 群馬クレインサンダーズ | |
87 | PT | 68 |
33/66 50.0% | FG | 24/55 43.6% |
8/22 36.4% | 3P | 7/21 33.3% |
13/15 86.7% | FT | 13/21 61.9% |
45 | REB | 25 |
18 | OREB | 8 |
27 | DREB | 17 |
26 | AST | 18 |
15 | TO | 13 |
5 | STL | 8 |
1 | BLK | 2 |
21 | F | 14 |
14 | 被F | 21 |
詳細スタッツ | ||
12 | ファストブレイクポイント | 7 |
48 | ペイントエリア内の得点 | 34 |
13 | PTs Off TO | 15 |
31 | 2nd Chance PTs | 14 |
アドバンスドスタッツ | ||
琉球ゴールデンキングス | 群馬クレインサンダーズ | |
69.60 | ポゼッション数 | 69.24 |
試合のペース:69.42 | ||
125.00 | Offensive Rate | 98.21 |
98.21 | Defensive Rate | 125.00 |
59.9% | TS% | 52.9% |
56.1% | eFG% | 50.0% |
1.00 | POTE | 1.00 |
64.3% | REB% | 35.7% |
51.4% | OREB% | 32.6% |
67.4% | DREB% | 48.6% |
78.8% | AST% | 75.0% |
17.1% | TO% | 16.8% |
1.25 | PPP | 0.98 |
0.23 | FTR | 0.38 |
第1戦は琉球がOREB・2nd Chance PTsで優位に立つという「らしさ」を発揮して完勝。OREB1本あたりの2nd Chance PTsは1.72得点と、かなりの高効率でした。
明確に今試合の勝因となったのは琉球の全体的なFG%の高さ。特にeFG%はシーズン平均を大きく上回る56.1%。それを支えたのはハンドラーのASTで、3PFGは8/22とそこそこですが、2PFGは25/44(56.7%)と、こちらもかなりの高効率。その上、AST:26本(AST%:78.8%)とかなり多いことから、ハンドラーのドライブからビッグマンにイージーショットを演出させる場面が多かったのが伺えます。
強力なビッグマンの影に隠れてはいますが、実は突破力の高い琉球のガード陣。この試合、ガードのスターターとなったのは岸本選手と小野寺祥太選手ですが、群馬を突き放す原動力となったのは若手SGの脇真大選手でしょう。ベンチスタートながら以下のようなスタッツを残しています。
プレー時間 | PTS | FG | FG% | 3P | 3P% | FT | FT% | REB | OREB | DREB | AST | TO | STL | BLK | 被BLK | F | 被F | EFF | +/- |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
25:14 | 6 | 3/5 | 60.0% | 0/1 | 0.0% | 0/0 | 5 | 2 | 3 | 6 | 1 | 1 | 0 | 1 | 2 | 1 | 13 | 19 |
ASTはチーム2位タイの5本を記録し、それでいてTOも1本のみ。貢献度を表すETFはベンチ出場選手の中ではアルマ選手の26に次ぐ13。+/-もチーム2位の+19という記録です。
今シーズンのFTRが0.37とかなり高い水準にあるため、ペネトレーション能力が非常に高い選手と言えます。出場こそ叶いませんでしたが、アジア杯予選Window3にも候補として呼ばれていた選手。それ以降、AST数が平均1.4本→3.4本と伸びており、自身のドライブ能力を活かしたプレーを展開しているのが分かります。
敗れた群馬視点に話を移すと、以上の解説から読み取れるように、インサイドを完全に支配されてしまいました。F数は群馬の方が少なかったことから、相手の2nd Chance PTsも単純なOREB→そのまま得点、という感じではなく、被ASTも多かったですから、Fで止めることすら出来ないほどかく乱されていたのでしょう。
オフェンス面は決して悪くはなかった(かと言って良くもなかった)ですが、シーズンを通して確率が良くはない相手のFGを止められなかったディフェンスが良くなかったです。2戦目は琉球のハンドラーをしっかり止められるディフェンスを敷いていきたい所ですね。
3/30の試合データ
基本スタッツ | ||
琉球ゴールデンキングス | 群馬クレインサンダーズ | |
73 | PT | 64 |
27/52 51.9% | FG | 26/68 38.2% |
8/21 38.1% | 3P | 6/35 17.1% |
11/17 64.7% | FT | 6/8 75.0% |
40 | REB | 29 |
9 | OREB | 11 |
31 | DREB | 18 |
18 | AST | 19 |
15 | TO | 7 |
3 | STL | 9 |
1 | BLK | 2 |
15 | F | 19 |
19 | 被F | 15 |
詳細スタッツ | ||
8 | ファストブレイクポイント | 6 |
30 | ペイントエリア内の得点 | 36 |
12 | PTs Off TO | 11 |
9 | 2nd Chance PTs | 13 |
アドバンスドスタッツ | ||
琉球ゴールデンキングス | 群馬クレインサンダーズ | |
65.48 | ポゼッション数 | 67.52 |
試合のペース:66.5 | ||
111.48 | Offensive Rate | 94.79 |
94.79 | Defensive Rate | 111.48 |
61.4% | TS% | 44.7% |
59.6% | eFG% | 42.6% |
1.71 | POTE | 0.73 |
58.0% | REB% | 42.0% |
33.3% | OREB% | 26.2% |
73.8% | DREB% | 66.7% |
66.7% | AST% | 73.1% |
20.1% | TO% | 8.9% |
1.11 | PPP | 0.95 |
0.33 | FTR | 0.12 |
この試合も琉球の勝利。前戦の19点差からこの試合は9点差に点差が縮まりましたが、アドバンスドスタッツを見ると、この試合の方が琉球がディフェンスもオフェンスも圧倒した感があります。理由としては以下の要素。
- Defensive Rate:98.21→94.79
- eFG%:56.1%→59.6%
- POTE:1.00点→1.71点
より硬いディフェンスで、より効率の良いFGを演出していたことが分かります。
個人的なリサーチ不足でしたが、琉球は3月に入ってから今節の試合まで3P%が40.6%と3Pシュートを改善させてきていました。強力なビッグマンと高確率な3Pシュートが掛け合わさったチームならそりゃ強いですよね。
群馬も、琉球のTOを15本誘発したり、OREBを9本に抑えたり、2nd Chance PTs/OREBを1.00失点に抑えたり、琉球にアジャスト出来ていた部分もありますが、琉球ポゼッションの1stシュートを抑えるのに至らなかったという試合でした。
また、自チームのTOも1ケタに抑えてはいましたが、被POTEが1.71失点とやはり、トランジションディフェンスの弱さを露呈してしまいました。
更に心配なのがチームの大きな武器だった3P。この試合、3P%が17.1%と今シーズンのチームワースト2位の酷い成績でした。シューターである辻選手は2/8(25.0%)、細川選手に至っては1/12(8.3%)という著しい低調。第2・3Qではチームで合計15本の3Pを放ちながら、1本も入りませんでした。
まとめ
当初は「群馬の2連勝もあり得る!」と、楽観的であることは言い訳しませんが、まさかここまで格の違いを見せられるとは正直思っていませんでした。
今一番、群馬で心配なのは細川選手3P。2月までは40.1%で3Pを決めていましたが、3月は26.1%と大きく確率を落としてしまっています。
元々、確率の波は大きい選手ではありましたが、ここまで確率を落としていると少し心配になります。2月のアジア杯予選から確率が下がってしまったので、成績が振るわなかったことで少し自信を失いかけているのでしょうか?
そして、今節の2連敗でとうとうCSストレートインの枠から外れてしまった群馬。4月には優勝候補の三遠ネオフェニックス・宇都宮ブレックスとそれぞれ2連戦が控えているので、なんとか順位を落とさないように踏ん張りたい所です!
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