数字で見る男子バスケ日本代表【FIBAアジアカップ2025予選Window3】|Vol.1

数字で見るシリーズ

2025年2月20日と23日に開催されるFIBAアジアカップ2025の予選Window3に代表召集されている選手について、基本スタッツ・アドバンスドスタッツなどからその選手の特徴を見て行きましょう。

※表記順はJBAのこちらの特設ページを基に作成しています。

アレックス・カーク

©琉球ゴールデンキングス
  • ポジション:C
  • 身長:211cm
  • 体重:114kg
  • 年齢:33歳
  • 所属:琉球ゴールデンキングス
  • 主要な代表歴:ー

今シーズン成績(~2025.2.9)

基本スタッツ

プレー時間 PTS FG FG% 3P 3P% FT FT% REB OREB DREB AST TO STL BLK 被BLK F 被F EFF +/-
19:58 10.2 3.8/6.1 62.4% 0.0/0.3 10.0% 2.6/3.4 75.6% 3.3 2.6 3.0 0.8 0.4 0.5 0.5 0.3 1.3 2.6 8.9 2.6

アドバンスドスタッツ

ポゼッション TS% eFG% USG% PPP OF Rating DF Rating REB% OREB% DREB% AST% TO% FTR STL%
8.0 67.9% 62.1% 11.0% 1.28 127.03 104.60 13.9% 12.9% 15.3% 7.6% 5.7% 0.68 0.0%

直近5試合成績

試合日 対戦相手 H/A S プレー時間 PTS FG FG% 3P 3P% FT FT% REB OREB DREB AST TO STL BLK 被BLK F 被F EFF +/- ポゼッション TS% eFG% USG% PPP OF Rating DF Rating REB% OREB% DREB% AST% TO% FTR STL%
1月29日大阪H25:4493/475.0%0/03/3100.0%32120100131695.3284.6%75.0%7.0%1.69169.17114.116.9%10.0%4.2%10.6%0.0%0.80.1%
2月1日A東京@21:55104/944.4%0/10.0%2/450.0%42210002028-410.7646.5%44.4%14.3%0.9392.94131.2210.3%9.4%11.4%7.7%0.0%0.40.0%
2月2日A東京@16:22113/742.9%0/10.0%5/862.5%11010000347710.5252.3%42.9%15.8%1.05104.56128.093.4%7.2%0.0%17.9%0.0%1.10.0%
2月8日渋谷H17:29104/666.7%0/02/2100.0%101100100213136.8872.7%66.7%10.2%1.45145.3581.283.0%0.0%5.3%12.8%0.0%0.30.0%
2月9日渋谷H15:2463/650.0%0/00/020200000016-3650.0%50.0%9.3%1.00100.0097.986.9%0.0%12.7%0.0%0.0%0.00.0%

考察

今回のWindow3では唯一の帰化選手枠。直前合宿でトム・ホーバスHCは「トライアウトではない。勝ちに行く」と表現していました。
これまで帰化枠のメインはジョシュ・ホーキンソン選手でしたが、今回は招集されていません。日程にも余裕があるため、もしかしたらカーク選手が2試合とも出場するのかもしれません。

そんなカーク選手ですが、所属チームではジャック・クーリー選手のバックアップもしくはツインタワーとして出場することの多い選手。リバウンド数がリーグ1位(記事作成当時)の琉球のビッグマンにしてはリバウンド数がやや少ない選手ではあります。

その代わりに特筆したいのはSTL数平均STL数が0.5本、合計STL数は19本。これは出場時間が20分に満たないCポジションの選手としてはそれぞれ1位の記録です。DF Ratingが今回招集されている選手の中では優秀な数値であるため、ディフェンスのアンカーとしての活躍も期待されます。身体能力が高いという印象はありませんが、それでもこの記録を持っているということは、バスケットIQの高さが伺えます。

また、インサイドでのオフェンス能力も非常に強力で、FG%・TS%・eFG%は素晴らしいの一言。PPPも母数が少ないながら1.28も非常に高効率な数値です。FT%も3.4本打って75%と決して苦手ではないことから、3Pも必要とあらば打てる選手なのだと思います。【チームとして自分の3Pは必要でないから敢えて打たない】選手であるとは言いすぎでしょうか?

佐々木 隆成

©三遠ネオフェニックス
  • ポジション:PG
  • 身長:180cm
  • 体重:77kg
  • 年齢:28歳
  • 所属:三遠ネオフェニックス
  • 主要な代表歴:ー

今シーズン成績(~2025.2.9)

基本スタッツ

プレー時間 PTS FG FG% 3P 3P% FT FT% REB OREB DREB AST TO STL BLK 被BLK F 被F EFF +/-
22:5311.74.5/9.248.8%1.9/5.235.6%0.8/1.173.2%1.90.51.46.42.01.40.30.31.71.814.58.3

アドバンスドスタッツ

ポゼッション TS% eFG% USG% PPP OF Rating DF Rating REB% OREB% DREB% AST% TO% FTR STL%
11.758.8%57.8%15.6%0.9999.75104.664.2%2.2%6.5%44.0%17.2%0.120.1%

直近5試合成績

試合日 対戦相手 H/A S プレー時間 PTS FG FG% 3P 3P% FT FT% REB OREB DREB AST TO STL BLK 被BLK F 被F EFF +/- ポゼッション TS% eFG% USG% PPP OF Rating DF Rating REB% OREB% DREB% AST% TO% FTR STL%
1月29日FE名古屋H24:43256/1154.5%1/333.3%0/0404107200301411859.1%59.1%21.3%0.7272.22115.077.9%0.0%16.6%59.3%0.40.000.1%
2月1日大阪@24:41253/837.5%1/616.7%0/30.0%10134300046113.3237.6%43.8%18.5%0.5352.55114.452.3%0.0%5.8%14.7%0.30.380.2%
2月2日大阪@21:53226/1346.2%2/633.3%0/0312422121113161553.8%53.8%20.0%0.9393.3393.936.9%4.9%8.5%27.0%0.10.000.1%
2月8日佐賀@19:20192/633.3%2/540.0%0/04047301011119950.0%50.0%11.1%0.6766.67101.9911.0%0.0%21.2%48.5%0.30.000.0%
2月9日佐賀@21:56226/785.7%3/475.0%0/0101821002020119107.1%107.1%11.7%1.67166.67104.962.5%0.0%4.7%53.9%0.20.000.1%

考察

Window2に引き続き招集された佐々木隆成選手。後述に出てきますが、三遠ネオフェニックスから同選手を含めて4人選出されているため、連携等も考えたら佐々木選手がスタートのPGを務める可能性が高そうですね。過去にはパリ五輪前の強化試合でも招集されているので、代表チームとしての経験値は問題ないでしょう。

Window2招集時点では平均得点が8.8得点だったのが、今シーズンこれまで11.7得点と約3点伸ばしてきました。他のスタッツも軒並み伸びているので、今一番ノリにノッているPGでしょう。

Window2招集時との比較

  • 平均得点:8.8→11.7
  • FG:3.4/7.7(44.4%)→4.5/9.2(48.8%)
  • 3P:1.4/4.4(32.3%)→1.9/5.2(35.6%)
  • STL:0.9→1.4

チームとしての役割の大きさを測る指標として使われるUSG%がスターターのPGとしては15.6%とやや低め。その中でもPPPが0.99とそこそこのレベルなので、ゲームコントロール主体を主体にしつつ、得点のつなぎ役としても活躍できる選手です。直近5試合の平均得点が22.6得点と調子を上げているのも心強いです。

細川 一輝

©群馬クレインサンダーズ
  • ポジション:SG
  • 身長:187cm
  • 体重:92kg
  • 年齢:27歳
  • 所属:群馬クレインサンダーズ
  • 主要な代表歴:ー

今シーズン成績(~2025.2.9)

基本スタッツ

プレー時間 PTS FG FG% 3P 3P% FT FT% REB OREB DREB AST TO STL BLK 被BLK F 被F EFF +/-
23:548.42.8/7.438.6%2.4/5.940.1%0.3/0.492.3%1.70.51.30.80.50.50.10.01.40.25.16.3

アドバンスドスタッツ

ポゼッション TS% eFG% USG% PPP OF Rating DF Rating REB% OREB% DREB% AST% TO% FTR STL%
8.054.4%53.8%11.6%1.01103.79102.364.0%2.1%5.8%5.7%6%0.050.0%

直近5試合成績

試合日 対戦相手 H/A S プレー時間 PTS FG FG% 3P 3P% FT FT% REB OREB DREB AST TO STL BLK 被BLK F 被F EFF +/- ポゼッション TS% eFG% USG% PPP OF Rating DF Rating REB% OREB% DREB% AST% TO% FTR STL%
1月29日越谷@20:3200/30.0%0/20.0%0/0101500001021430.0%0.0%4.3%0.000.0098.762.8%0.0%6.3%30.4%0.0%0.000.0%
2月1日FE名古屋@20:32124/944.4%3/650.0%1/1100.0%11010000218129.4463.6%61.1%13.1%1.27127.12103.822.7%7.8%0.0%8.0%0.0%0.110.0%
2月2日FE名古屋@23:2593/742.9%3/560.0%0/011012000302-4964.3%64.3%12.2%1.00100.00121.982.4%4.0%0.0%7.5%0.2%0.000.0%
2月8日北海道H18:3262/540.0%2/450.0%0/0000000001028560.0%60.0%7.8%1.20120.0085.090.0%0.0%0.0%0.0%0.0%0.000.0%
2月9日北海道H22:0683/742.9%2/633.3%0/0101001101067757.1%57.1%10.1%1.14114.29100.062.3%0.0%4.4%0.0%0.0%0.000.1%

考察

今シーズン、筆者がメインに追いかけているチームである群馬クレインサンダーズからは細川一輝選手が招集。調べると、2023年のW杯アジア予選のイラン戦に日本代表選手として招集されており、それ以来の招集です。当時からホーバスHC体制だったので、今回、成長した雄姿を見せたい所。

選手としての特徴は、FGAの8割が3PFGAという典型的なピュアシューター。成功率もシーズン平均で40%と優秀で現在リーグ7位、3PFGAが5本以上の選手に限るとリーグ3位の成績です。PPPも1.0点を超えるので申し分ありません。

シューターなので3Pの項目に目が行きがちですが、実はDF Ratingはカーク選手を超える102.36。この数値1つで明確に評価は出来ませんが、リーグトップクラスのDF Ratingを誇る群馬においてこの数値なので、優秀なディフェンダーとしても見ることが出来ます。実は92kgとフィジカルにも強そうですしね。

個人スタッツからは見えてきにくいですが、群馬というチームの特徴がパッシングオフェンスでシステマティックに展開されるスタイルなので、戦術が複雑と言われるホーバスHCのバスケには案外フィットするかもしれません。
ただ、ホーバスバスケは群馬とは異なり、トランジションバスケが主体。シューターとして招集されたため、展開によってはトランジション3Pも求められる状況もありそう。その時に所属チームとのギャップを埋めてしっかり打ち切ることが出来るかが今後の招集にも大切なムーブメントだと思います。

大浦 颯太

©三遠ネオフェニックス
  • ポジション:PG
  • 身長:182cm
  • 体重:76kg
  • 年齢:27歳
  • 所属:三遠ネオフェニックス
  • 主要な代表歴:ー

今シーズン成績(~2025.2.9)

基本スタッツ

プレー時間 PTS FG FG% 3P 3P% FT FT% REB OREB DREB AST TO STL BLK 被BLK F 被F EFF +/-
19:1310.23.1/8.139.0%2.2/5.937.6%1.7/2.085.9%1.90.51.45.10.80.90.10.11.52.112.78.4

アドバンスドスタッツ

ポゼッション TS% eFG% USG% PPP OF Rating DF Rating REB% OREB% DREB% AST% TO% FTR STL%
9.754.3%48.9%12.9%1.02104.79104.664.7%2.4%7.0%40.2%8%0.300.1%

直近5試合成績

試合日 対戦相手 H/A S プレー時間 PTS FG FG% 3P 3P% FT FT% REB OREB DREB AST TO STL BLK 被BLK F 被F EFF +/- ポゼッション TS% eFG% USG% PPP OF Rating DF Rating REB% OREB% DREB% AST% TO% FTR STL%
1月29日FE名古屋H18:17102/633.3%1/425.0%5/683.3%20240010151648.6457.9%41.7%10.2%1.16115.74115.075.3%0.0%11.2%26.8%0.0%1.000.0%
2月1日大阪@19:2373/650.0%1/333.3%0/0000600003188658.3%58.3%8.3%1.17116.67114.450.0%0.0%0.0%38.9%0.0%0.000.0%
2月2日大阪@16:2931/616.7%1/520.0%0/01017110012715725.0%25.0%9.4%0.4342.8693.933.0%0.0%5.6%47.8%0.1%0.000.1%
2月8日佐賀@18:43124/757.1%4/757.1%0/010160000011712785.7%85.7%8.7%1.71171.43101.992.8%0.0%5.5%50.4%0.0%0.000.0%
2月9日佐賀@17:5341/616.7%1/520.0%1/250.0%3125201011588.8829.1%25.0%11.6%0.4545.05104.969.1%6.4%11.5%31.3%0.2%0.330.0%

考察

三遠から2人目の招集。ポジションは佐々木選手と同じPG表記ですが、プレーメイカー気質の佐々木選手と異なり、大浦颯太選手は攻撃型のフィニッシャータイプのPGです。

FG%やeFG%からは、やや乱発系とも捉えられる可能性が高い選手ですが、相手選手からしたらお構いなしにロング3Pを打って決めてくる大浦選手は驚異なはず。PPPも1.02と、PGとしては佐々木選手よりも優秀な数値を示しています。

弱点があるとすれば、ペイントエリア内の得点期待値が低く、得点が3Pライン外に偏重していること。

©りそなグループB.LEAGUE|大浦颯太選手のショットチャート

ペイントエリアのFG%は合計すると28/65で約43%と低調。それ以外のペイントエリアだと18/53で33.9%。プルアップジャンパーやフローターなどでシュートを試みる場所なので、そういったプレーの得点期待値は約0.68点とかなり低め。
相手チームがそこまでスカウティングしていたら、多少3Pラインから離れたところでもディフェンスがプレッシャーを掛けてくるかもしれません。アシスト能力も高い選手なので、上手くその辺も翻弄していきたい所です。

吉井 裕鷹

©三遠ネオフェニックス
  • ポジション:SF
  • 身長:196cm
  • 体重:94kg
  • 年齢:26歳
  • 所属:三遠ネオフェニックス
  • 主要な代表歴:2023年W杯、2024年パリ五輪

今シーズン成績(~2025.2.9)

基本スタッツ

プレー時間 PTS FG FG% 3P 3P% FT FT% REB OREB DREB AST TO STL BLK 被BLK F 被F EFF +/-
26:2311.84.3/8.252.6%1.2/2.940.0%2.0/2.872.5%3.71.32.41.70.80.90.30.32.92.412.110.1

アドバンスドスタッツ

ポゼッション TS% eFG% USG% PPP OF Rating DF Rating REB% OREB% DREB% AST% TO% FTR STL%
10.2 63.8% 59.6% 13.6% 1.18 115.37 104.97 7.5% 5.1% 10.2% 10.2% 7% 0.41 0.0%

直近5試合成績

試合日 対戦相手 H/A S プレー時間 PTS FG FG% 3P 3P% FT FT% REB OREB DREB AST TO STL BLK 被BLK F 被F EFF +/- ポゼッション TS% eFG% USG% PPP OF Rating DF Rating REB% OREB% DREB% AST% TO% FTR STL%
1月29日FE名古屋H28:0681/520.0%0/30.0%6/966.7%73410012261278.9644.6%20.0%10.6%0.8989.29115.0712.2%9.9%14.6%4.0%0.0%1.800.0%
2月1日大阪@24:45104/944.4%0/20.0%2/450.0%10101111334-311.7646.5%44.4%16.3%0.8585.03114.452.3%0.0%5.8%0.0%0.1%0.440.1%
2月2日大阪@23:05125/1145.5%2/450.0%0/041301201318151254.5%54.5%16.0%1.00100.0093.938.7%4.7%12.1%0.0%0.1%0.000.1%
2月8日佐賀@20:24134/1040.0%3/475.0%2/366.7%5235020012191111.3257.4%55.0%14.0%1.15114.84101.9913.1%10.9%15.1%37.5%0.0%0.300.1%
2月9日佐賀@26:10249/1656.3%3/560.0%3/475.0%422103204527517.7667.6%65.6%23.1%1.35135.14104.968.3%8.7%7.8%6.3%0.0%0.250.1%

考察

本Windowでチームキャプテンを任された吉井裕鷹選手。【俺たちの吉井】がとうとう日本代表のキャプテンにまでなってくれました!

今シーズン、三遠に移籍してから成績を急激に伸ばしている同選手。チームにはエースのヤンテ・メイテン選手や、元NBAプレーヤーのデイビッド・ヌワバ選手がいる中、自身の持ち味を一切消すことなくオフェンス・ディフェンスともに貢献しています。

特筆すべきはシーズン序盤はぶっちぎりのリーグ1位の成績だった3P。55、6%で決めていた時からは流石に落ち着きましたが、それでも現在進行形で40%の成功率を有しているのは素晴らしいです。
そんな背景もあって、PPPは驚異の1.18点。全選手を集計しているわけではないので簡単に比較対象は出せませんが、一般的にPPPが1.2点となると、大エース級の得点効率選手と評されます。そこに匹敵する数値なので凄いですよね。

そして、荒々しい選手であるという印象とは裏腹に、TOが平均1本未満。FTRの0.41はかなり高い数値で、リムアタックしてシューティングファウルを誘う頻度が多いことが分かりますが、その上でTOが少ないのは、それなりのハンドリング・キープ力を持ち合わせており、かつ、シュートファーストの意識が高いことも見えてきます。

吉井選手個人として悔しい記憶に残るのが、Window2のグアム戦でファストブレイクなどのイージーシュートを失敗してしまったこと。実際、あのミスが相手に流れを傾かせたとも言えたミスだったので、Window3では吉井選手の引っ張りで勝って汚名返上したい所です。

まとめ

今回はカーク選手・佐々木選手・細川選手・大浦選手・吉井選手の5人をピックアップしました。アジア杯本戦でも中心となってくれるであろう選手たちだと思うので、活躍を期待したいです。

恐らく20日の中国戦までに全員分は難しいと思いますが、頑張って作成していきます!

次回は津屋一球選手・川真田紘也選手・赤穂雷太選手・テーブス海選手・渡邉飛勇選手の5選手をピックアップする予定です。乞うご期待!

コメント

タイトルとURLをコピーしました