バスケットボールの観戦で「リバウンド数が多い=リバウンドが強い選手」と誤解されがちですが、実は単純な本数だけで評価すると見落としが多くなります。なぜなら、選手がコートに立っている時間、チームのシュート成功率や試合のテンポによってリバウンド(以下、REB)機会自体が大きく変わるからです。
例えばシュートがよく外れる試合では自然とリバウンド数が増えますし、速いテンポの試合では攻撃回数とREB機会が増えます。そのため数字だけでは選手やチームのリバウンド力を正しく比較できません。そこで役立つのが REB%(リバウンド率) という指標です。この記事では、バスケットボール観戦初心者に向けて、REB%の意味や通常のREB数との違い、試合観戦での使い方を分かりやすく解説します。
この記事を読むと次のことが分かります。
- REB%の意味と計算の考え方
- REB数とREB%の違い
- OREB%とDREB%の見方
- REB%を使った試合分析のコツ
REB%とは?
REB%は「REB機会のうち、どれだけ取れたか」を表す指標
REB%(Total Rebound Percentage)は、コートに立っている間に発生したREB機会(両チームの総リバウンド)に対して、その選手またはチームがどれくらい回収できたかを見る割合です。要するに、「その選手やチームがコート上にいる間に取得可能なREBのうち、どれだけを獲得したかを示す指標」です。
単なるREB数では、長くプレーした選手ほど数字が増えるので、プレータイムの長い選手が基本的に有利となるREB%は出場時間とREB機会を調整して算出するため、限られた時間でどれだけ効率よくREBを回収したかを評価できます。iCalculatorの解説でも、REB率は「プレーヤーがコートにいる間に発生したREB機会のうち、どれだけ回収できたかを見るもので、単純な本数よりREBの効率を示す」指標と述べています。このようにREB%はREBの“質”を見たい時に有用な指標です。
何故単純なREB数では不十分なのか?
冒頭で「単純な本数だけで評価すると見落としが多くなる」と述べましたが、それは何故なのか?その部分について解説します。
出場時間が長い選手ほどREB数は増えやすい
REB数は試合に出ている時間が長いほど、自然に数は増えてきます。また、同様の理由でOTなど試合時間が長くなった場合もREB数が増えていくのが普通です。
ですが、REB%は出場時間と機会数を考慮してREB効率を示すことが出来ます。
例として、以下の2選手の【REB能力】の差を見極めるにはどうしたら良いでしょうか?
- 選手A:10分出場でREB:5本を記録
- 選手B:30分出場でREB:8本を記録
単純な本数のみで評価すると選手Bの方が一見優秀ですが、機会に対する回収率を見ると、選手Aの方が優秀な場合もあります。REB%はそうした違いを見えやすくすることが出来ます。
シュートが外れる試合ほどREB数は増えやすい
REBはシュートを外すことでその機会が発生するため、試合でシュートが多く外れるほどREB機会が増え、その数字も同様に膨らみます。
Breakthrough Basketballでは、REB数やその本数差は相手のシュート成功率に大きく左右されるため「シュートが低確率の試合ではOREBの機会が増加し、単純な本数で勝っているように見えても実は相手の方が効率的にREBを取っていることがある」と指摘しています。したがってREB数だけでは試合状況を読み違える危険があります。
チームのペースによっても数字が変わる
試合のペースが速いチームは、攻撃回数が多いためシュート本数も増え、その分、REB機会が多くなります。逆に、ゆっくり攻めるチームはシュート本数が少なく、REB機会が減るためトータルのREB数が伸びません。
このようにペースによっても単純なREB数は上下するので、機会に対する割合で見るREB%が必要になります。
REB%の種類
TRB%(REB%)
Total Rebound Percentage(TRB%)。全てのREBの内、どれだけ獲得したかを示す総合指標。本サイトでは表記の簡易さを優先し、【REB%】と表記しています。
全体的なREB能力を把握するのに便利ですが、OREBとDREBで役割も影響も変わってくるため、実戦的な分析の場合はOREB%・DREB%で分けて見るのが一般的です。
OREB%
Offensive Rebound Percentage(OREB%)。OF側のチーム及び選手が外れたシュートをどれだけ回収出来たかを見る指標です。
2nd Chanceをどれだけ作り出しているかを見る際に役立ちます。OREB%が高いチーム・選手は、シュートが外れても自チームの攻撃に繋げる能力が高いと言えます。
DREB%
Defensive Rebound Percentage(DREB%)。DF側のチーム及び選手が、相手の外したシュートをどれだけ回収出来たかを見る指標です。
相手に2nd Chanceを与えずに、相手のOFポゼッションを中断させることが出来ている証拠になります。
REB%を見ると何が分かる?
本当にREBに強いチーム・選手が分かる
単純なREB数は出場時間や試合の流れに左右されますが、REB機会に対する回収率をREB%は見るため、誰が効率的にボールを獲得しているかを浮き彫りにします。
Breakthrough Basketballでは、選手ごとのREB数だけでなく「REB機会をどれだけ取ったか」に注目することが重要だと述べ、REB%で比較すると少ない時間で高い率を記録している選手の価値が見えてくると紹介しています。REB%をチェックすることで、隠れたREBの名手を見つけやすくなります。
チームの弱点が見えやすくなる
チーム単位でREB%を分析すると、失点の原因が単なるシュートディフェンスの弱さだけでなく、DREBの機会で相手に2nd Chanceを与えていることにある場合も分かります。
Breakthrough Basketballでは、DREB%が低いチームは、【シュートを外させる・失点をしない】という単発の守備の目的は達成しているのに、最後のREBで相手にボールを拾われ、攻撃回数を増やされている可能性が示唆されるとしています。
試合の勝敗要因を分析しやすくなる
試合の勝敗を分析する際には、REB%と関連するスタッツを照らし合わせると原因が見つけやすくなります。例えば、DREB%が低い試合では失点が増えているか、OREB%が高い試合では2nd Chance PTsが多いかをチェックします。具体的には、試合後のスタッツ表と併せて見比べながら、次のポイントを確認すると良いでしょう。
- 相手よりDREB%が低くないか?
- OREB%で相手を上回っているか?
- REB数が多いのにREB%が低くないか?
- 失点が多い試合でのDREB%の数値は?
- 2nd Chance PTsとOREB%が連動しているか?
初心者はまず【DREB%】に注目しよう
結論から言うと、OREB%よりもDREB%の方がチームスコアにダイレクトに影響されやすいです。
良い守備をして相手にタフショットを強いても、DREBを取らなければ守備は終わりません。DREB%は、守備の最後の仕上げができているかを示す指標です。初心者はまずチームや選手個人のDREB%が高いかどうかに注目し、守備から試合の流れを掴めているかを見ると良いでしょう。
DREB%が低いチームは、言い換えれば相手にOREBを獲られやすくなるため、
- 相手の攻撃回数が増える
- 失点が増える
- 守備時間が長くなりファウルが増えやすい
といった悪循環が起こります。逆にDREB%が高いチームや改善されてきたら、相手の2nd Chanceを減らし、試合の主導権を握りやすくなります。
試合観戦、データ分析の際は、是非REB%に着目してチームや選手のREB力をチェックしてみてください。

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