B.Premiere 10/30|名古屋ダイヤモンドドルフィンズ✕滋賀レイクスの試合レビュー

試合レビュー

読者の皆様、ご無沙汰しております。HEROです。

日本版Basketball Reference(本家はこちら)を目指した、個人運営のBリーグスタッツサイトの詳細情報揃わなかったこと(Bリーグ公式のメンテナンスが要因)や、筆者自身の体調不良が重なってレビューが出来ていませんでした。

Bリーグ公式のメンテナンスは10/28の21時時点で少なくともスタッツ情報が出そろったので、今回から再開します。

というわけで、今回はリーグで唯一無敗の名古屋DDと5勝5敗でB1に在籍していた過去シーズンから見たら健闘している滋賀レイクスとのレビューを行っていきます。

本記事では関連サービスを紹介しています。なお、当該部本文は筆者の判断で作成しています。

戦前データ

名古屋ダイヤモンドドルフィンズ

冒頭にもあったように、戦前で唯一無敗街道を進んでいる名古屋DD。試合数の違いから、連勝数は広島に劣る(広島は9連勝)ものの、先日まで愛知県で開催されていたアジアパラ大会の影響でHOME開催がこの日まで1試合も無かったのに、この無敗記録は脅威という他ありません。

そんな名古屋DDの強さを攻守両面において紐解いていきましょう。
まず、OF面においては、ペイントエリア内の得点:48.00Ptsがリーグ1位。2PFGM:25.38本もリーグ2位で、得点換算すると1試合あたり50~51Ptsを2Pで沈めていますが、ほぼ全てをペイントエリアで記録しています。

その背景として最も大きいのが、ローボリュームながらステップアップしているアイザイア・マーフィー選手と新加入のライアン・ルーサー選手の存在。マーフィー選手は昨シーズンよりもAttemptが減ったものの、ここまで3P%:46.7%(0.9/1.9)と、29.1%(0.9/3.2)から大きく精度を高めています。ルーサー選手は昨シーズンまでチームに足りなかったストレッチビッグとしての役割と期待に見事応えており、3P%:43.5%(1.2/2.9)を記録しています。

そんなスペースの広がったOFでゲームを支配しているのが、フランチャイズプレイヤーで、現在日本人No.2PGと言っても過言でない(少なくともTOP5は確実)齋藤拓実選手。現在リーグ2位の6.9Astを誇り、自身の3P精度(3P%:40.9%)も味方してチームのOFを完璧にコントロールしているのが伺えます。

その齋藤選手とのホットラインを形成しているのがスコット・エサトン選手。Total Pts.I.P:114PtsはチームPts.I.Pの約3割を占め、齋藤選手のAstから生み出されている得点はチームで最も多い47Pts。スペーサーが充実し、フィニッシャーとなるビッグマンが70%近くのFG%を誇っているため、プレーメイカーである斎藤選手が最も輝けるチームだと言えるでしょう。

DF面において特筆すべきはOpp TOV:18.50本という数字。直近2年で13.4本→16.1本と向上しており、およそ相手チームの1/4に匹敵するポゼッションを奪っている概算をすることが出来る数字です。

本格的に試合を観ていた昨シーズンからそうでしたが、名古屋DDの強さはペリメーターDFの強さ。STL数:9.50はリーグ2位の水準。現在SPG:1.0本以上記録している選手が5人もいるチームです。ビッグマンのエサトン選手も1.4Stlを記録しており、ボールへの反応が良いのか、P&Rのディフェンスが上手いのか。その辺は見ていきたいところですね。

滋賀レイクス

B1リーグで長年苦杯を飲まされてきた滋賀ですが、今シーズンはここまで5勝5敗とまずまずのスタートを切っています。

今シーズンの滋賀を語る上で欠かせないのがAST数の多さ。昨シーズンリーグ2位のAST数を記録した游艾喆選手は健在で今シーズンはここまで5.3本でリーグ10位。加えて滋賀一筋7シーズン目の野本大智選手がステップアップしAPG:5.8本でリーグ7位。同じチームにASTトップ10選手が2選手いるという特異的なチームです。

試合のタイムラインを見てみないとわからない部分ですが、基本的には片方がスターターを務めたらもう一方はリザーブという役割でゲームに入っています。
スタッツから見えるプレースタイルの違いとして、游選手はピュアハンドラー、野本選手はどちらかと言えばスラッシャーといった印象。タイプの違う選手がゲームをコントロールしているのがチームの強みと言えるかもしれません。

パサーが多様なら、フィニッシャーもまた多様。リーグ5位のスコアリング(PPG:24.2Pts)を発揮しているザック・オーガスト選手、ストレッチ能力も高いライアン・クリーナー選手、新加入のゼイビア・スニード選手が主要なフィニッシャーとなる選手たちです。

B.Ball Analytics-statsより。画像がリンクしています。

チームの上位15組のホットラインの内、この3選手がフィニッシャーとなっているのが12組あります。スコアリーダーのザック選手が多くはなりますが、かと言って同選手に偏ってもいない、バランスのいい構成です。

DF面はやや明暗が分かれる情報が2つ。ポジティブな要素としては、STL:9.78本でリーグ1位(画像の2位は誤りです)、Opp TOV:17.00本はリーグ2位、BLK:3.00本はリーグ6位と、昨シーズンにはイメージのなかったDF面での強化が図れています。その上で、P.O.T:21.30Pts、F.B.Pts:17.90Ptsはいずれもリーグ2位となる明確な武器。ハイプレッシャーなDFでミスを誘い、そのまま速攻に持っていく走力を持ち合わせています。

反面、ネガティブな側面としては、リーグワーストのDREB%:50.16%。加えてOpp 2nd Chance Pts:18.40Ptsもリーグワーストで、悪い意味でシナジーを生み出しています。DF Rate:109.04ながら、実失点が88.44Ptsという数字の背景は、このDREB能力の低さが大きな要因となっています。強豪チームに勝つためには、この明確な弱点を隠せないと厳しいですね。

10/30の試合データ

各チームを振り返ったところで、試合のデータを振り返っていきましょう。

基本スタッツ

名古屋DD滋賀レイクス
104PT69
36/68
52.9%
FG26/63
41.3%
19/35
54.3%
2P20/40
50.0%
17/33
51.5%
3P6/23
26.1%
15/20
75.0%
FT11/19
57.9%
39REB34
12OREB15
27DREB19
27AST17
17TOV23
11STL12
2BLK2
19F21
基本スタッツの略語について

詳細スタッツ

名古屋DD滋賀レイクス
52.8%%FGM2P76.9%
47.2%%FGM3P23.1%
51.5%%FGA2P63.5%
48.5%%FGA3P36.5%
36.5%%PT2P58.0%
49.0%%PT3P26.1%
14.4%%PTFT15.9%
22Points Off TOV12
19Fast Break Points8
152nd Chance Points12
34Points In the Paint32
37Bench Points31
2/4
(4)
After TO Results
(Points)
2/3
(4)
0After TO +/--1
詳細スタッツの略語について

アドバンスドスタッツ

名古屋DD滋賀レイクス
81.80ポゼッション数79.36
試合のペース:80.58
127.14Offensive Rate86.95
86.95Defensive Rate127.14
67.7%TS%48.3%
65.4%eFG%46.0%
0.96POT Efficasy0.71
1.252nd Chance Efficasy0.80
53.4%REB%46.6%
38.7%OREB%35.7%
64.3%DREB%61.3%
75.0%AST%65.4%
18.1%TOV%24.4%
1.27PPP0.87
1.00After TO PPP1.33
0.29FTR0.30
アドバンスドスタッツの略語について

Shoot Summary

ラインナップタイムライン

戦評

今シーズン初のホームで名古屋DDが大勝

今シーズン初のホーム戦を100点ゲーム。しかも、滋賀を35点差のブローアウトするという華も添えました。

元々、2P主体のチームであり、%FGA3P:39.53%だったところを、第1Q立ち上がりから3本連続で3Pを沈め、この試合の流れを作りました。結果、第1Qのみで齋藤選手の3/4・今村佳太選手の2/2を含む、8/11(72.7%)。試合を通じても17/33(51.5%)、%FGA3P:48.5%とかなり上振れました。初のホーム戦ということもあって、各選手かなり気合が入っていましたね。

特に今村選手や加藤嵩都選手は打った瞬間から外れるイメージが付かないくらいにタッチが良かったです。実際に今村選手は5/6・加藤選手は4/4とほぼ完ぺきなシューティングでした。今日はこの2人に加えて齋藤選手の3人で勝ちを決めたような試合でした。

全員タイプの違う名古屋DDのビッグマンが強い

この試合、正直に言えば3Pが上振れた試合としてみることになります。ので、中々試合に関するトピックスを探すのが難しいですが、試合を通して感じたことは「ミロラ・ブラウン選手、良いなぁ」という感想でした。

何が良かったかと言えば、208cm111kgのサイズからは考えられない機動力を持った平面のDF。相手のPick&Rollに対するブリッツや、ウィークサイドからのヘルプスピードが速く、相手ハンドラーの選択肢を潰しているであろう場面が何度かありました。昨シーズン、千葉Jに途中加入してCSまで帯同したフィリピン国籍のアジア枠選手ですが、当時はあまり良い印象を受けていませんでした。それについては話が逸れるので割愛させてください。

その感想をキッカケに、ふと名古屋DDのビッグマン3人を並べると、いずれもタイプが違い、それでいてそれぞれが弱点を補い合っていました。

強み弱み
ライアン・ルーサーストレッチ能力
パッシングビッグ
OREB参加困難
スコット・エサトンリムフィニッシャー
OREB能力
シュートレンジの狭さ
スイッチDF能力不足
クエンティン・ミロラ・ブラウンスイッチDF能力
リムプロテクト能力
フィニッシュ力不足
  • ルーサー×エサトン:ルーサー選手がストレッチすることでエサトン選手のリム周辺のスペースを提供し、ストレッチで参画しにくいOREBにはエサトン選手が担う。
  • エサトン×ミロラ・ブラウン:エサトン選手のDFローテーションをカバーし、ミロラ・ブラウン選手のフィニッシュ力不足をエサトン選手が相殺。
  • ルーサー×ミロラ・ブラウン:ルーサー選手のOF力を維持するため、ミロラ・ブラウン選手がDFに奮闘。

タイムラインを見ても、基本的には2BIGラインナップであり、ミロラ・ブラウン選手がその谷間を上手く埋めている感じ。案外、名古屋DDの浮沈を握っているのはミロラ・ブラウン選手なのかもしれない。そんなことを思った試合でした。

滋賀はDFエラーがとにかく多かった

反して大敗した滋賀。DFが崩壊したことでOFの流れも悪くなるという、バスケットボールという競技において最悪な負け方でした。

恐らく滋賀側も注意していたであろう名古屋DDのペイントエリア。その予測に反して序盤から3Pが上振れたため、混乱してしまったのもあるかもしれません。

ですが、頂けなかったのが、方針転換をしたであろう、ゾーンDFの守り方。
コミュニケーション不足なのか、今村選手のシュータームーブを割と簡単に許していたり、ゾーンにディフェンダーがいたのに、そこに簡単にパスを出されてコーナー3Pを打たれたり…。ゾーンDFを敷いているメリットを全く活かせていませんでした。

記憶違いでなければ、ですが、ゾーンDFにした最初のDFポゼッションで一発で3Pを決められてから、2~3回連続で決められていたように思います。

途中から集計していた、若干曖昧なデータですが、ゾーンDFのDFポゼッションが少なくとも13ポゼッションありましたが、その内失点してしまったのが8ポゼッション。FTでの失点が1ポゼッションだったので、それを差し引いたら12ポゼッション中7ポゼッションでDFに失敗していたことになります。
また、ちょこちょこゾーンDFなのか、マッチアップDFなのか選手たちも認識が微妙なポゼッションも多かった印象です。

DFを修正したいがためにゾーンDFの選択を取っていたのにも関わらず、全くその機能を果たさなかったのは非常に痛かったです。2日後に再戦するカードなので、この辺の修正が出来ないと、点差の違いはあれど、名古屋DDの無敗街道を止めることは出来ないでしょう。

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こちらの記事にまとめていますので、これからBリーグを見てみたい方はこちらの記事を参照してください。

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