徹底分析!数字で見る千葉ジェッツの2025-26シーズン

数字で見るシリーズ

今シーズン、B1リーグの開幕連勝記録を【10】に更新した千葉J。最高のスタートダッシュを見せた千葉Jでしたが、中盤に大黒柱のジョン・ムーニー選手が戦線離脱してからは、安定感を失ってしまったものの、最終的には東地区2位でChampion Ship(以下、CS)に臨むことが出来ました。

今回も勝敗データやスタッツ系などを見て、「CS優勝へのロード」を結論付けていこうと思います。

なお、CS出場を確定させた以降の試合データも分析していくと参考になりにくいため、基本的には「CS確定まで(4/25広島)のデータ」を参照していきます。シーズン全体のデータは必要に応じて参照していきます。

勝敗状況

CS確定段階3918
HOME216
AWAY1912

千葉と言えばBリーグブースターの中でも熱狂的な人が多い印象。加えて、ロスターには富樫勇樹選手や渡邊雄太選手と言った、本場アメリカで揉まれ、観客への効果的な煽り方も熟知しているような選手が所属しています。HOMEで強いのは納得がいく成績ですね。

地区別戦績

東地区207
西地区1911

勝率で言えばそこまで大きく変わらない東西分けての勝率。ただ、印象としては、チームのトッププレイヤーがガンガン来るチームが西地区には多い気がするので、もしかしたら、そういったチームには弱いとう傾向を示しているのかもしれません。

CS出場チームとの戦績

長崎ヴェルカ02
シーホース三河11
名古屋ダイヤモンドドルフィンズ11
宇都宮ブレックス22
群馬クレインサンダーズ20
琉球ゴールデンキングス02
アルバルク東京22
Total810

このデータは少し意外でしたが、CS出場チームの中では負け越しています。

しかも手痛いのが、2敗しているチームの内、長崎・宇都宮・琉球の3チームには、2連戦節で2連敗するなど、CSを戦う上では少し不安になるデータが残ります。

千葉Jの強みとは

リーグトップのリムプロテクトチーム

平均BLK:3.54本(シーズン終了時:3.65本)と2位の名古屋DD(3.3本)を上回る、ダントツトップの成績を残しています。敗戦時には2.67本と下がるものの、Bリーグを基準としたら全然高い方です。

このデータを支えているのは、リーグトップクラスのウイングのDF力。サイズや身体能力の高さも然ることながら、BLK技術の高さは比肩するチーム・選手を探すのが難しいレベルです。

BLK(BPG)FOUL
渡邊 雄太39本(0.70)44本
ナシール・リトル36本(0.72)92本
DJ・ホグ53本(0.98)116本

Shoot BLKは傾向としてFOULを誘われやすいDFシチュエーションとなりがちですが、千葉Jはチーム全体のFOUL数も少なく、ルール上、かなりクリーンなBLKで相手のシュートをシャットアウトしていることが分かります。

加えて、Opp FTAは僅か13.5本。勝利時には12.6本と際立って少ないのが目立ちます。

NBA時代にもその能力の高さから、敢えてハンドラーへのマッチアップにさせるように仕組まれていたほど評価されていた渡邊雄太選手は、リムプロテクターとしての役割を果たしながら、ローテーション選手(プレータイム15分以上)の中では唯一1試合平均:1.0本以下のFOUL数に抑えています。近年、外国籍やアジア諸国のトップ選手が加入してサイズアップしているBリーグにおいて、これはスゴイデータです。

Bリーグに限らないバスケットボール界の傾向として、選手のタイプとしてOF志向・DF志向と割と明確に役割がハッキリしていることが多くなりましたが、千葉Jはこういったウイングの選手が攻守両面に高い貢献度をもたらす2wayプレイヤーが3人もいるのは、相手チームからしたら脅威でしょう。

FTの項目が安定している

平均FTA:17.7本で、勝利時・敗戦時でも1本以上の差がありません。加えて、成功率も76%前後とかなり安定しています。

FT EPSは、2本のFTAという前提の下で考えられることが多く、そうなると、EPS:1.52前後。これは1ポゼッション当たりの得点期待値としてはかなり高効率です。

ここでも貢献しているのは、先にも挙げた【3Wings】の選手たちですが、ナシール・リトル選手がFTA:4.5本(81.9%)を筆頭に、渡邊選手が同:3.3本(74.2%)、DJ・ホグ選手が同:2.8本(76.0%)とこの3選手だけで半分以上のFTAを獲得しています。確率も申し分ないですね。

こういったDFでも貢献する選手がOFでもコンタクトプレーを厭わず仕掛けてくるのは、相手チームからしたら非常に厄介。テイクチャージ(相手のドライブに合わせて、OF-FOULを誘うこと)を狙おうにも、サイズが大きい分、少しでも身体の当て方や角度を間違えやすいため、逆にDF-FOULを吹かれてしまうことも多いでしょう。

2ndラインナップのDF力

地味なデータではありますが、千葉JのOpp Bench PTs:23.25失点は、CS出場チームの中では、名古屋DDを僅かに下回りますが、それでもかなり少ない失点数です。

千葉Jのローテーションの特徴として、スターター全員を丸々交代しての2ndラインナップということはなく、大抵は【ホグ・リトル・ビッグマンの内、1~2人】+【リザーブ選手3~4人】というラインナップを敷いていることが多いです。

このリザーブ選手のDF力も比較的高く、3Wingsのような立体的なDF力ではなく、PoA-DFやチェイスDFといった平面的なDFがスターティングラインナップよりも機能している印象があります。

当サイトがローテーション選手として定義している、「プレータイム15分以上」という所には該当してきませんが、田代直希選手や瀬川琉久りく選手がこの話題では筆頭。
田代選手は誤解を恐れずに言えば、千葉JではそのDF能力だけで定着しているような選手で、逆に言えばそれだけDF力を期待されている裏返しでもあります。
瀬川選手は185cmの日本人としてはビッグガードに分類され、最近の若い選手に多い、「身体の当て方を知っている選手」というのがDFでも活かされています。

強みとして挙げているのは、敗戦時に寧ろ2ndラインナップによる失点が減少している(勝利時:23.69失点→敗戦時:22.28失点)からというのもあって、ビハインド時でもDFで踏ん張れる地力があることを示しています。

CS優勝を目指す上での課題

これまでは千葉Jの強みとなる点を3つ挙げていきましたが、逆にどのような課題がチームとして残っているのか、勝利時と敗戦時の比較をしていきます。

TOV後のDFが甘い

千葉のDFはプレッシャーをかけて相手のミスを誘うことよりも、如何に相手に難しいシュートを打たせて、外したシュートをDREBで確保するスタイルのDFが基本。リムプロテクション能力の高い選手が揃っていることで出来るDFで、その分、FOULが少ないというメリットもあります。

ですが、トランジションDFとなると全体的に甘さが出ていることがデータから読み取れます。以下、その根拠となるデータを提示します。

平均勝利時敗戦時
Opp PTs Off TOV13.2811.3317.50
Opp Fastbreak PTs11.3710.6912.83
Opp P.O.T.E1.141.041.31

P.O.T.E:1.14が平均なのはCS出場チームの中でも低い方。勝利時でも1.00超えているのは、その辺の甘さがあると言わざるを得ません。

また、Fastbreak PTsによる失点も11.37と決して良い数字ではなく、自チームのミスから走られて失点することが多いです(相手チームとしたら、リムプロテクション能力の高いチーム相手にそういった戦術を敷くのは当然と言えば当然)。

致命的なのは敗戦時のP.O.Tが約1.6倍に激増しているため、CSのような緊迫感のあるゲームでは、こういった所で一気に流れを持って行って敗北を喫するリスクも大いにあります。

2nd ラインナップの得点力不足

TOVによる失点が増えるため、その失点を少しでも抑えるべくリザーブの選手を投入して、一旦DFを安定させたいところですが、千葉Jの2nd ラインナップは「守れるけど点が獲れない」という、これまた致命的な弱点があります。

千葉Jのロスターで、主に2nd ラインナップで出場している選手の平均得点を見てみましょう。

PPG
田代 直希2.5PTs
瀬川 琉久4.3PTs
金近 廉5.9PTs
ナシール・リトル16.3PTs
CS確定までのスタッツ

ナシール・リトル選手を2ndラインナップの選手としてカウントするかは正直微妙なところですが、今シーズン50試合中38試合を6thマンとして出場しているので掲載しました。

ここに更にビッグマンと原修太選手のようなDFに定評のある選手を並べることになりますが、クリエイトできる選手がリトル選手しかおらず、OFが一気に膠着することが多いです。
本来なら瀬川選手辺りにクリエイトを任せたい所ですが、まだそこは力不足といった感じ。田代選手はOfensiveな選手ではないし、金近選手も自身でクリエイトするよりも、システムの中で使われる側の選手なのと、基本はピュアシューターなので、OFの選択肢も限られる選手です。

クリエイター不足になると千葉Jに何が起こるかというと、リトル選手やホグ選手のような、そのラインナップ上の1stオプションとなる選手が暴れ馬のように無理矢理打開することになります。ですが、どちらの選手も「他の選手を使う」というプレーメイカースキルはそこまで高くないのがたたって、相手DFもリトル選手やホグ選手に集中して当たりにくるようになります。で、シュート効率がガタ落ちになるという悪循環が始まります。

ただ、シーズン後半から本来の司令塔である富樫選手がリザーブ出場するようになり、それ以後の9試合ではBench PTs:30.78得点と改善されてきている部分ではあります。CSでその効果がどの程度発揮されるのでしょうか?

敗戦時にはAST%が大きく落ちる

勝利時には73.1%とかなりの高水準を示しているAST%ですが、敗戦時には10%近く低下して63.6%という数字を示しています。

ビハインド時、個で打開しようとする意識が強過ぎて、無理なシュートを打ち、確率を下げるという結果になっています。敗戦時には2PFG%が50%を下回っているのは、OFの安定感が欠けてしまいます。

これはジレンマという他ないですが、FTAがしっかり決め切れていることで、何とか「繋げてる感」がチームや選手に意識付けられてしまい、「OFを組み立て直す」という意識が少し希薄になってしまっています。

それがより顕著になるのが2nd ラインナップ時のOFリズムが悪くなってきた時に出てくる悪癖で、クリエイター不足とともに、フィニッシャーの質も問われてしまいます。

CS優勝のためのキーポイント

千葉JがCSで優勝するためのキーポイントは、ズバリ「スターターのトランジションDFの強度」と考えます。

千葉Jの弱みを3つ挙げましたが、結局はTOV後のDFが甘いところからすべてが始まっています。
「TOVからトランジションで失点する」→「DFを修正するために2nd ラインナップの選手を投入する」→「2nd ラインナップは得点力が低いため、スコアラー頼りのOFに偏る」→「結果、OFの連動性が低下(≒AST%が低下)するため、シュート効率が落ちて引き離される」といった感じ。

渡邊選手・ホグ選手・原選手を擁するスターター陣のタレント力はリーグでも屈指だと思いますので、千葉Jのコーチ陣としては、スターターの段階で試合を優位に進めて、時々リザーブの選手で失点を抑えて主力を休ませ、勝負所で起用したいという思惑はあると思います。

なので、そのスターター陣がTOVから崩れてしまうと、点の取り合いという土俵に立てなくなってしまいます。
実際にはミス(TOV)をしないことも重要ではありますが、全くのゼロにするのは難しいのが現状。ならば、そのケアの部分で取り戻していきたいところです。

スタッツ情報

CS確定までの平均・勝利時・敗戦時のデータも併せて提示していきます。

基本スタッツ

平均勝利時敗戦時
PTs83.8288.3174.11
FG30.2/65.8
45.9%
31.9/66.4
48.1%
26.4/64.4
40.9%
2P20.3/37.621.2/37.6
56.3%
18.2/36.8
49.3%
3P9.9/28.4
35.0%
10.7/28.8
37.3%
8.2/27.6
29.8%
FT13.5/17.7
76.3%
13.7/17.9
76.4%
13.1/17.3
75.9%
REB40.1241.3637.44
OREB11.7411.8511.50
DREB28.3929.5125.94
AST21.2623.3316.78
TOV11.6710.8713.39
STL5.616.104.56
BLK3.543.952.67
FOUL15.6015.1016.67
FOUL-Draw19.3519.2319.61

基本Oppスタッツ

平均勝利時敗戦時
Opp PTs76.6773.3683.83
Opp FG28.7/69.5
41.3%
27.5/69.1
39.8%
31.1/70.3
44.3%
Opp 2P19.3/39.618.7/39.8
46.9%
20.6/39.0
52.8%
Opp 3P9.4/29.9
31.3%
8.9/29.3
30.2%
10.5/31.3
33.6%
Opp FT9.9/13.5
73.9%
9.4/12.6
74.6%
11.1/15.3
72.7%
Opp REB37.8936.4641.00
Opp OREB13.2612.8714.11
Opp DREB24.6323.5926.89
Opp AST20.1219.2122.11
Opp TOV11.0511.3310.44
Opp STL6.726.337.56
Opp BLK2.322.262.44

詳細スタッツ

平均勝利時敗戦時
%FGM2P67.0%66.3%68.8%
%FGM3P33.0%33.7%31.2%
%FGA2P56.8%56.7%57.2%
%FGA3P43.2%43.3%42.8%
%PT2P48.3%48.0%49.0%
%PT3P35.6%36.5%33.3%
%PTFT16.1%15.5%17.7%
PTs off TOV13.2114.4610.50
Fast Break PTs11.8212.779.78
2nd Chance PTs13.2613.2313.33
PTs in the Paint36.9138.3633.78
Bench PTs27.4428.6924.72

詳細Oppスタッツ

平均勝利時敗戦時
Opp %FGM2P67.3%67.8%66.2%
Opp %FGM3P32.7%32.2%33.8%
Opp %FGA2P56.9%57.6%55.5%
Opp %FGA3P43.1%42.4%44.5%
Opp %PT2P50.3%50.9%49.2%
Opp %PT3P36.7%36.3%37.6%
Opp %PTFT13.0%12.8%13.3%
Opp PTs off TOV13.2811.3317.50
Opp Fast Break PTs11.3710.6912.83
Opp 2nd Chance PTs12.5812.1513.50
Opp PTs in the Paint33.2631.7436.56
Opp Bench PTs23.2523.6922.28

アドバンスドスタッツ

平均勝利時敗戦時
POSS73.5173.3173.94
Opp POSS73.2073.1473.33
OF Rate114.04120.46100.24
DF Rate104.73100.30114.32
Net Rating9.3020.16-14.08
Pace73.2072.9973.63
TS%57.0%59.4%51.4%
eFG%53.4%56.2%47.3%
P.O.T.E1.201.281.01
Opp P.O.T.E1.141.041.31
2nd C.E1.131.121.16
Opp 2nd C.E0.950.940.96
REB%51.4%53.1%47.7%
OREB%32.3%33.4%30.0%
DREB%68.2%69.6%64.8%
AST%70.5%73.1%63.6%
Opp AST%70.2%69.7%71.1%
TOV%13.7%12.8%15.7%
Opp TOV%12.8%13.2%11.9%
FTR0.270.270.27

今シーズンレビューした試合

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