徹底分析!数字で見るアルバルク東京の2025-26シーズン

数字で見るシリーズ

今シーズン、東アジアスーパーリーグ(以下、EASL)をベスト4、天皇杯でも優勝を果たした今シーズンのアルバルク東京。シーズン序盤から度重なる主力選手のケガで苦しむ中、今シーズン、最も多くの試合を戦ったBリーグチームとなりました。天皇杯との2冠を獲得すべく、Champion Ship(以下、CS)に臨みます。

今回も勝敗データやスタッツ系などを見て、「CS優勝へのロード」を結論付けていこうと思います。

なお、CS出場を確定させた以降の試合データも分析していくと参考になりにくいため、基本的には「CS確定まで(4/25滋賀)のデータ」を参照していきます。シーズン全体のデータは必要に応じて参照していきます。

勝敗状況

CS確定段階3918
HOME218
AWAY1810

冒頭にも述べたように、A東京は今シーズン、最も多くの試合を戦ったチームで、ケガ人続出の苦しいシーズンにも関わらず、これだけの結果を残せたのは流石です。

特にHOMEでの勝率は高く、今シーズンからHOMEアリーナとなったTOYOTAアリーナのブランディングにふさわしい成績と言えるでしょう。

地区別戦績

東地区219
西地区189

地区別は所属地区である東地区の勝率が高かったものの、比較的どちらも高勝率。カーディングを振り返ってみると、東地区のチームが続いていたり、西地区のチームが続いていたりしていたので、EASL出場による負担が、ある程度軽減されていたのかもしれません。

CS出場チームとの戦績

長崎ヴェルカ20
シーホース三河20
名古屋ダイヤモンドドルフィンズ02
宇都宮ブレックス22
群馬クレインサンダーズ02
琉球ゴールデンキングス02
千葉ジェッツ22
Total810

CS出場チームとの戦績はかなり偏りがある結果に。メンツの揃わない状況が続いていたので、正直あまり参考にならないデータかも知れません。

ただ、CS初戦となる長崎との試合で2連勝を挙げているのが大きく、しかもその対戦時は長崎がフルメンバーだったのに対し、A東京は司令塔のテーブス海選手が不在だった中での勝利でした。

A東京の強みとは

高いAST%

平均のAST%が73.1%とリーグ全体で見てもかなりの高水準のパッシングチームなのが、A東京の特徴。このチームビルディングは昨シーズンからの継続された部分でもあり、昨シーズンが72.1%だったため、さらに磨きをかけていることが伺えます。

ロスター全体を見ると、テーブス選手のAST:4.8本とライアン・ロシター選手の同:5.6本(いずれもシーズン終了時のスタッツ)が目立ちますが、テーブス選手は30試合、ロシター選手は16試合欠場しています。

それでもなお、このAST%を示しているかと言えば、ほぼフルシーズン戦い抜いているマーカス・フォスター選手と小酒部泰暉選手がそれぞれ3.0AST以上残している他、今シーズンロスター登録された計14人の内、11人もの選手が平均1.0AST以上記録しています。

チーム全体が質の良いシュートを最優先事項として共有している証拠であり、2000年代のNBAチーム:サンアントニオ・スパーズのような印象を抱くスタッツです。

また、AST%の高さから読み取れることはもう1つあり、A東京のOFの軸はカッティングプレーによるフィニッシュだということ。似たようなスタッツを残しているのが群馬で72.8%のAST%でほぼ同率。片や3PシュートをメインにOFを組み立てていますが、A東京は%FGA2P:55.5%と2Pを主体に戦っていることからも、A東京のブレない型が強みの1つと言えるでしょう。

強力なリーグ随一のビッグマンチーム

スペイン代表歴もあるセバスチャン・サイズ選手とユーロリーグ1stチームにも選出されたことのあるブランドン・デイビス選手のツインタワーがかなり強力。デイビス選手は今シーズンの10/26@京都戦でBリーグデビューし、以後、故障による長期離脱はあったものの、3/7@長崎戦で復帰してからはスターター・リザーブ両面で活躍しました。

このツインタワーを組んで臨んだ試合は4/25滋賀戦までで16試合でしたが、その期間の戦績は10勝6敗。途中、CS出場を目指すA東京にとっては悪夢だったであろう5連敗があったものの、5連勝も2回達成し、苦しい時期にチームのCS出場へと導いたデュオと言えます。

この【サイズ✕デイビス】のツインタワー時の特異な点は、FTAの獲得本数が多いこと。この期間中、両選手とも80本以上のFTAを記録しており、チームの平均FTA:21.4本と、平時よりも約3本多く獲得しています。

加えて、このチームには帰化枠で日本代表にも選出経験のあるロシター選手もいます。2ndスコアラーのフォスター選手の存在やポジション的な都合もあって夢の【トリプルタワー】の布陣は1ポゼッションしかありませんが、この3人のビッグマンのローテーションはかなり強力。
基本、どの組み合わせでコートに送り込まれても、OF Rateは109以上を記録しており、正に大黒柱が3本もある状態。どの柱が傾ても、チームとしての土台はびくともしません。

ツインタワー組み合わせ
【POSS数】
OF RateDF Rate
セバスチャン・サイズ
ライアン・ロシター
【1322】
121.94106.58
セバスチャン・サイズ
ブランドン・デイビス
【342】
111.70106.43
ライアン・ロシター
ブランドン・デイビス
【227】
109.25109.69
impactmetricsより

高いFoul-Draw能力

先に挙げたビッグマンの存在然り、フォスター選手や小酒部選手のようなウイングの選手もオンボール・オフボール問わず、積極的にペイントアタックを試みるチームであることから、それを止めようとFoulを誘発する能力が高いチームです。

同じくFoul-Draw能力の高い宇都宮とは、またその質が異なり、A東京の場合はここでもビッグマンの貢献度が高いです。

Foul-Draw数
ブランドン・デイビス4.7本
セバスチャン・サイズ4.1本
マーカス・フォスター3.2本
ライアン・ロシター3.7本
小酒部 泰暉2.4本

相手にFoulを誘発することが多ければ多いほど、試合後半になるほどに相手DFへプレッシャーをかけることが出来ますから、接戦の終盤勝負に強く出ることが出来ます。これは明確にA東京の強みと言える部分でしょう。

CS優勝を目指す上での課題

これまではA東京の強みとなる点を3つ挙げていきましたが、逆にどのような課題がチームとして残っているのか、勝利時と敗戦時の比較をしていきます。

インサイドをアジャストされると弱い

AST%の強みの部分で述べましたが、A東京のOFの基調はカッティングプレーによるフィニッシュ能力。このOFにはチームにとって色々と型があるものですが、この辺をアジャストされると途端にOFが弱くなってしまいます。

3P%は平均して35.3%と、高確率で一見3Pも武器であると思われるかもしれませんが、実数にすると1試合平均10本も3Pを決めておらず、勝敗時の差も2本で6点分でしかありません。となると、勝敗に直結しているのは2PFGの効率にあります。

敗戦時の2PFGが17.4/34.5(50.3%)とまずまずながら、勝利時には20.0/35.4(56.6%)の水準で決めていました。点数にすると3Pの差分6点よりもやや少ない5.2点分の差ですが、ここが課題となるのはその内訳にあります。

カッティングプレーの場合、フィニッシュはペイントエリア内の得点となる場合がありますが、敗戦時には勝利時に比較して約5点少ないことになります。
これは、ビハインド時に自チームの型を封じられていることと同義。後に述べるFT%の低さも相まって、敗戦時のOF Rateは96.80と大崩れしています。型がハマれば強さを見せつけますが、反面、その型を読まれてしまうと、打開できる有効策を打つことが出来ないチームであることが読み取れます。

FTの確率が低い

FT%が低いチームは宇都宮もそうでしたが、A東京はそれ以下の数字を残してしまっています。せっかく高いFoul-Draw能力を持っているのに勿体ないですが、「Foul-Draw能力が高いチームほどFT%は低い」というジンクスがあるのでしょうか?

このFT%の落差はかなり極端で、勝利時には70.3%とこれでもそこまで高くない中、敗戦時には63.0%まで落ち込みます。試投数が落ちている上に確率も下がるため、かなり得点効率が低下してしまいます。

背景にはFTAを獲得している選手に影響されており、平均FTA:2.0本以上記録している選手と、そのFT%を合わせてピックアップしてみます。

FT
ブランドン・デイビス2.9/4.860.0%
セバスチャン・サイズ3.4/4.773.9%
マーカス・フォスター2.1/3.461.8%
ライアン・ロシター1.8/2.766.4%

唯一計算できる選手がサイズ選手の73.9%といったところ。これだけビッグマンの成功率が低いと、相手DFも遠慮なくFoulを仕掛けてビッグマンの2PFGを止めに来てしまいます。

また、このFTの部分で良くないのが、敗戦時にFTAの獲得本数も勝利時に比較して3.8本も少なくなり、FTRも0.31→0.25にまで落ち込みます。相手DFのFoulを厭わないフィジカルプレーに対して押され負けていることになります。

CS出場チームとの戦績を振り返ると見えてきますが、インサイドビッグマンへのDF対応が得意そうなチームには黒星を喫しているようにも思えますね。

ギャンブルDFの傾向がある

この辺は根拠となる数字を先に提示しておきます。

勝利時敗戦時
STL6.245.42
BLK3.001.84
FOUL20.9721.74

そもそもFOULの数が多いことがまず挙げられます。与えているFTAは勝利時・敗戦時ともに19本弱。元のFOUL数を考えると、もう少し多くても良い水準ではありますが、その分、余分なFOULを与えているとも取れます。

STL・BLKともに、敗戦時には少なくなって、片やFOUL数は増えています。特にBLKに顕著で、平均して1本以上の差が発生しています。ここまで明確に違いの出るチームは、少なくともCS出場チームの中ではワーストのデータになります。これによりFTAの増加がほとんどないことが、この部分の唯一の救いでしょうか?

CS優勝のためのキーポイント

A東京がCSで優勝するためのキーポイントは、ズバリ「チームケミストリー」と考えます。

色々と強み・弱みと述べてきましたが、今シーズン、チームで50試合以上出場した選手が僅か6人(大倉・安藤・バランスキー・サイズ・フォスター・小酒部)しかおらず、チームカラーの根幹は維持しつつも、質の部分まで上がり切った様子は正直感じません。

なので、色々とデータを持ってきておいて、こう述べるのもなんですが、A東京というチームのデータは良くも悪くも信頼性に欠けます。

チームの形としては、3/28三遠戦以降にテーブス選手が本格復帰しているため、それ以後の試合データが「真のA東京」と捉えられると思います。3/28からシーズン終了までの16試合(11勝5敗)でコンビネーションを含めたケミストリーが構築できていれば、CSでは台風の目になってもおかしくないでしょう。

スタッツ情報

CS確定までの平均・勝利時・敗戦時のデータも併せて提示していきます。

基本スタッツ

平均勝利時敗戦時
PTs80.6185.8770.11
FG29.1/63.3
46.0%
30.7/63.3
48.5%
25.8/63.2
40.9%
2P19.2/35.1
54.7%
20.0/35.4
56.6%
17.4/34.5
50.3%
3P9.9/28.2
35.3%
10.7/27.9
38.3%
8.5/28.7
29.5%
FT12.5/18.3
68.2%
13.8/19.6
70.3%
9.9/15.8
63.0%
REB37.4238.9734.32
OREB10.5411.059.53
DREB26.8827.9224.79
AST21.2622.8418.11
TOV11.7711.7611.79
STL5.966.245.42
BLK2.613.001.84
FOUL21.2320.9721.74
FOUL-Draw20.9821.6119.74

基本Oppスタッツ

平均勝利時敗戦時
Opp PTs76.8174.0382.37
Opp FG27.9/63.9
43.7%
27.1/63.9
42.4%
29.5/63.8
46.2%
Opp 2P20.0/39.1
51.2%
20.1/39.8
50.4%
19.9/37.6
53.1%
Opp 3P7.9/24.8
31.9%
7.1/24.1
29.3%
9.6/26.3
36.5%
Opp FT13.0/18.7
69.7%
12.7/18.7
68.0%
13.7/18.8
73.1%
Opp REB36.0733.9240.37
Opp OREB10.8910.7911.11
Opp DREB25.1823.1329.26
Opp AST18.3317.7119.58
Opp TOV11.3311.3911.21
Opp STL6.126.036.32
Opp BLK1.911.662.42

詳細スタッツ

平均勝利時敗戦時
%FGM2P65.8%65.2%67.2%
%FGM3P34.2%34.8%32.8%
%FGA2P55.5%55.9%54.6%
%FGA3P44.5%44.1%45.4%
%PT2P47.5%46.6%49.5%
%PT3P37.0%37.3%36.3%
%PTFT15.5%16.0%14.2%
PTs off TOV13.3314.0511.89
Fast Break PTs8.358.458.16
2nd Chance PTs11.2312.139.42
PTs in the Paint34.1135.7430.84
Bench PTs27.3228.7124.53

詳細Oppスタッツ

平均勝利時敗戦時
Opp %FGM2P71.7%73.9%67.6%
Opp %FGM3P28.3%26.1%32.4%
Opp %FGA2P61.1%62.2%58.9%
Opp %FGA3P38.9%37.8%41.1%
Opp %PT2P52.1%54.2%48.4%
Opp %PT3P30.9%28.7%34.9%
Opp %PTFT17.0%17.1%16.7%
Opp PTs off TOV13.0912.0315.21
Opp Fast Break PTs9.779.3410.63
Opp 2nd Chance PTs11.6010.8413.11
Opp PTs in the Paint35.7235.6835.79
Opp Bench PTs24.6723.5526.89

アドバンスドスタッツ

平均勝利時敗戦時
POSS72.5772.6472.74
Opp POSS72.5672.7472.64
OF Rate111.09118.2196.80
DF Rate105.85101.77114.06
Net Rating5.2416.43-17.26
Pace71.9271.9771.81
TS%56.5%59.7%50.0%
eFG%53.8%56.9%47.6%
P.O.T.E1.181.231.06
Opp P.O.T.E1.111.021.29
2nd C.E1.061.100.99
Opp 2nd C.E1.061.001.18
REB%50.9%53.5%45.9%
OREB%29.5%32.3%24.6%
DREB%71.2%72.1%69.1%
AST%73.1%74.4%70.1%
Opp AST%65.6%65.3%66.3%
TOV%16.2%16.2%16.3%
Opp TOV%15.6%15.7%15.5%
FTR0.290.310.25

今シーズンレビューした試合

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