20225-26シーズン以前は基本は土日開催の所謂「BtoB(Back to Back:2日連続の試合)」、時々祝日などの兼ね合いで月・金、そして水曜日に試合が組まれていましたが、今シーズンの2026-27シーズンはそれ以外の火・木にも試合が組まれるケースが出ています。
その結果、筆者のような配信勢にとっては、ほぼ毎日Bリーグの試合を観ることが出来るようになって楽しみが増えてはいるのですが、しかし、現地に赴いて観戦している層においては、X上でしばしば否定的な意見も目にします。
そんな中、このような引用ポストをしたところ、様々な意見が出てきました。
今回はこのポストに対する反応などを紹介しつつ、実際に観客動員数がどう変わっているのか?Bリーグにおいて平日開催を受け入れるにはどうするべきか?について考えていこうと思います。
※掲載する観客動員数データは2026.10.22時点のものです。
平日開催にはどういう批判がある?
まず、この話題の背景ですが、平日ゲームは19:05にティップオフに定められています。10/2の千葉J@A東京のような4OTのような試合でなければ、およそ2時間弱で試合そのものは終了します。
ただ、現地まで観戦に行く人たちにとっては、試合そのものだけが楽しみではありません。筆者は25年前に長岡市民体育館で開催された、新潟アルビレックスBB@OSGフェニックスの試合と2019年にさいたまスーパーアリーナで開催された、NBA JAPAN GAMES(Toronto Rapters対Huston Rokets)2試合の計3試合しか見たことが無い、ゴリゴリの配信勢ですが、観戦ファンが試合前に何を楽しみにしているか?というのは理解しているつもりです。
試合前に現地ファンが何を楽しみにしているかと言えば、ザっと考えても以下のように思いつきます。
- グッズの物色と購入
- 試合前の選手のアップ
- SNSなどで「今日はこの席から」的な投稿でフォロワーとコミュニケーション
- 選手入場などを含むオープニングセレモニー
「これ以外にもまだ○○があるよ」などのご意見があれば、是非コメント欄やSNS等で引用してください。
選手のアップなどは大体試合開始1時間前ほどから始まることが多いので、グッズの物色などをしたい人たちからすると、試合開始1時間半以上前には現地入りしたいところでしょう。
調べたところ、各アリーナの開場は試合開始2時間~2時間半前が多いようで、19:05ティップ・オフの場合は17時前後には入場できることになっています。
ですが、一般的な会社員をしている人にとっては、定時退社が17:30の場合が多いはず(転職サイトを眺めていると、17時という職場もありますが)。移動時間のことも考えれば、18時過ぎの入場になる人は少なくないでしょう。試合開始前に間に合えばまだ良いですが、残業の発生や移動時間の要因から、試合開始に間に合わないなんて人もいるようです。
冒頭のポストには以下のような反応がありました。

バスケの試合は2時間弱なので、1時間遅刻したら半分も見れない。
今シーズン、ここまでは結構試合後半まで接戦が増えているので、後半半分でも盛り上がりポイントはそれなりに増えていますが、それでも「観戦時間」という絶対的な満足感は少なくなってしまうのは間違いないですね。
だからこそ、ファンは試合開始前から入場し、少しでも「バスケ観戦」という空間を楽しみたいという感情が生まれるのかもしれません。
実際の観客動員数の変化
色々批判が出ている平日開催。では、実際に昨シーズンと比べて観客動員数に変化が及ぶほどだったのか?データで検証してみました。簡易的に、2025-26シーズンと2026-27シーズンの平均を比較。なお、2025-26シーズンB1に所属していなかった信州ブレイブウォリアーズと神戸ストークス、2026-27シーズンPremiereに所属していない越谷アルファーズとファイティングイーグルス名古屋の計4チームは今回対象から外しています。


東京サンロッカーズ・島根スサノオマジック・富山グラウジーズの3チームが大きく伸びています。この背景にはB.Premiereに所属するために、5,000人以上のホームアリーナを持つことが条件だったため、その影響が最も大きいと思われます。富山に関しては、現役NBA選手で富山出身の八村選手が「富山グラウジーズでキャリアを終えたい」と明言したことも影響しているかもしれません。
また、名古屋ダイヤモンドドルフィンズ・三遠ネオフェニックス・シーホース三河の3チームは、開幕から10/23まで愛知県でパラアジア大会の開場としてアリーナが使用されているため、データ集計時までホーム開催がありませんでした。
車いすバスケ男子金メダル・女子銀メダルおめでとうございます!!
故に、計6チームは検証には変数が大き過ぎるので、あまり参考にはなりません。検証に参考とできるのは、それ以外の18チームになります。
上のグラフは土日祝日も含めたデータなので、議論の本筋からはやや逸れます。そこで、平日のみに限ったデータを見てみましょう。


見比べると面白いのが、休日も含めた動員数では、2025-26シーズンよりも少なくなっているのに、平日に限定すると、減るどころか寧ろ増えているチームがあるところ。
要因としては、まず対象としている試合数が「2025-26シーズン30試合」と「多くて5試合前後となる2026-27シーズン」という具合で、母数となる数字が違いすぎるために、算出された平均値が異なることが大きいでしょう。
1つ、考察できそうなことと言えば、2025-26シーズンの平日試合はほとんどのチームが水曜日だったのが、2026-27シーズンは火曜日・木曜日という別曜日もあって、人によっては「その曜日なら」というのがあるのかもしれません。
特異的なチームとして挙げられるのが茨城ロボッツ、横浜ビー・コルセアーズ、秋田ノーザンハピネッツの3チーム。横浜BCはホームアリーナを移転しましたが、収容人数はおよそ前年度までと変わらず。それでも平日ゲームには動員数を増やしています。
茨城はオフに大型補強を加えたこと、横浜BCは注目ルーキーが加わって注目度が高いことが要因と考えられますが、秋田はアリーナ移管を含めて目立った動きは無かったにも関わらず、前年と比較して10%以上動員数を増やしています。
逆にネガティブな意味で特異的なチームと言えばアルティーリ千葉と大阪エヴェッサ。大阪は開幕からケガ人が多く、勝利への期待値が少ないから現地ブースターが離れたのは分かりやすいです。しかし、A千葉はオフに大幅な強化をして、フランチャイズプレイヤーである黒川虎徹選手が先のアジア大会で活躍したにも関わらず、動員数が-20%前後となっています。アリーナの改修があったようで、チケット代が他チームよりも割高なのでしょうか?
日本のプロ野球と比較する
冒頭のXでのポストにも挙げましたが、日本のプロ野球NPBは移動日である月曜日を除いた他の曜日で毎日試合があります。あまり試合を観戦したことはないですが、毎試合3万人前後の観客が動員しているそうです。
野球は日本において「国民的スポーツ」と言われるほどの歴史を持った競技。高校野球は100年を超える歴史を持ち、NPBも90年の歴史を持っています。
そんな歴史と文化を持った野球と、Bリーグが出来て2026年時点でようやく11年目、前進のbjリーグは2005年~、JBLスーパーリーグは2001年~という歴史。長く見ても、まだ四半世紀程度しか経っていないバスケを比較するのは土俵が違いすぎますが、「試合の平日開催の先輩」として敢えて比較してみます。
アクセス面
この議論の大きな点であるアクセス面について見てみます。まず、NPBチームのホーム球場とその最寄り駅からのアクセス時間、加えて、面白そうだったので、17~19時・21~23時台にその最寄り駅に止まる電車の本数も調べてみました。


およそほとんどの球場が徒歩15分圏内。日本ハムファイターズ本拠地のエスコンフィールドHOKKAIDOのみ徒歩19分ですが、しっかりシャトルバスもあります。中には、そもそも駅名が「ドーム前・球場前」のようなアクセス性を誇ります。
電車の本数も、流石は都市圏に多いNPBチームと言えるレベルで、2時間の区切りでも2桁本数通っている主要駅・主要路線に球場があると言えます。
では、Bリーグはどうでしょうか?東西合わせて4枚の画像になりますが、こんな感じです。




Bリーグはチーム数が多い影響もありますが、徒歩圏内にあるアリーナもあれば、そもそも徒歩移動が想定されず、シャトルバスや自家用車でのアクセスが前提になっている場所もあります。
特に秋田や島根は地方の特性とも言うべきか、最寄り駅から移動に時間がかかる上、電車の本数も極めて少ないです。乗り遅れれば、当然試合開始には間に合わないし、帰宅もままならない状況に陥ってしまうことが考えられます。
また、群馬のオープンハウスアリーナも徒歩20分と、現地住民からしたら徒歩で向かうレベルの距離感ではありません。都市圏の方からしたら怒られそうですが…。
こういったアクセス性の悪さが、平日開催の賛否が起きているのも頷けます。
観戦のためのコスト(チケット代)
昨今の物価高の影響もあって、チケット代は年々高騰の傾向にあります。いずれの組織も、レギュラーシーズンの時期や対戦相手によって、同じ席でもチケット代が変動する方式を取っています。
そんな感じで変動が大き過ぎるのでザックリ、どんな感じで違いがあるのかAIでまとめてもらいました。

いずれもおおよその価格レンジです。一般的にBリーグの方が割高ですね。
ここで大きく影響を及ぼすのが、箱の大きさ、要するに席数の違いです。
Bリーグチームは5,000人以上の収容要件ですが、NPBは先に述べたように、毎試合3万人前後が観客として球場に訪れます。
例えば、Bリーグチームの試合で1,000円の席が2,500席あったとしても、そこにあぶれたら、高い席を購入せざるを得ません。対して、NPBチームなら、1,000円席が2万席あるとしたら、それだけ「1,000円でも観戦できる人」が増えます。Bリーグの方が、NPBよりも相対的にチケットが割高であると言われている背景には、この席数の違いが大きいように思います。
Bリーグの平日開催ゲームは悪なのか?
ここからは個人的な意見になりますが、結論を言うと、「悪とは言えない」という感覚です。
まず1つに、BtoB日程が無くなるため、選手にかかる負担が減ること。これは富樫勇樹選手とベンドラメ礼生選手が配信しているPodcastでも明言されていましたね。
そんな日程の中でも、千葉Jや大阪をはじめとしたケガ人が多いチームは確かに存在していますが、一般的にはRestの日程があるだけで、次の試合への入り方は良くなるでしょう。
2つ目に、昨シーズンまでは2連戦が基本だったため、ブースターはその2戦を見るしかなかったですが、日程に空きが生まれるため、「たまには違うチームの試合も見てみようか」となるのも、ファン層の裾野を広げたり、コア層に対しても刺さりやすい取り組みです。
3つ目は、聞く人によってはネガティブな要素にもなるかもしれませんが、個人の住所によっては前泊、連泊が前提で旅費がかさむことも多かったでしょう。それが基本、単日の試合となると、日帰りの選択肢も出てくるため、個人によっては、かえって旅費などのトータルコストは下がっているかもしれません。
Bリーグ側の思惑をポジティブな方向で予測すると、今はとにかく現地入りするブースターの裾野を広げることに注力している感覚です。5,000人以上の収容人数のアリーナを要件にしたことも、これまでは収容人数の影響で潜在的に入場できなかった人たちを取り込んでいきたいというところでしょう。
ただ、やはり戦っている選手たちにとっては、現地入りしているブースターの歓声が最も力をもたらすでしょう。Bリーグや各チームにおいては、現地にブースターを呼びこむ取り組みを今後も継続・強化していってもらいたいですね。

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