開幕から苦しんでいる千葉ジェッツと、対照的に良い開幕スタートを切っている京都ハンナリーズとの試合。前者は個人的な準推しチーム、後者は今シーズン見てて楽しいチームとして、両チームに思い入れがあります。そんなチーム同士の試合をレビューしてみました。
本記事では関連サービスを紹介しています。なお、当該部本文は筆者の判断で作成しています。
戦前データ
千葉ジェッツ



戦前で東地区11位、国内でも有数の人気チームで、それに応えてきた強豪チームでしたが、今シーズンは3勝6敗とかなり苦しい開幕スタートとなっています。
何故ここまで苦しんでいるかと言えば、リーグ最低レベルのDF面。10/2A東京戦の4OTの試合があったからという要因はありますが、失点数はリーグで唯一平均100失点を超えており、ワースト2位の佐賀が93.6失点なので、ぶっちぎりの崩壊っぷり。DF Rate:119.24もリーグワースト2位(ワーストは佐賀の127.58)。その背景にはマット・コステロ選手が開幕早々にIL入りしたことで、チーム構成がガタガタガタと崩れてしまったことです。
ロスター登録上、センターのポジションはコステロ選手とウィリアムス・ニカ選手の僅か2人。緊急でエルジー・ギル選手と契約を結びましたが、まだあまりDF面のテコ入れがなされているとは言いにくい経過になっています。
ビッグマンの不在をカバーしているのがネイト・ウィリアムズ選手と渡邊雄太選手の2人のウイングの選手。お互いにウィークサイドブロッカーとして貢献しているのか、ネイト選手が1.0Blk、渡邊選手が1.2Blkと何とかインサイドDFに奮闘しており、チームBPG:4.33本は、リーグ最低レベルのDFとなっている中、リーグ2位の成績です。
特に渡邊選手は期待値も高く、それでいてシュート効率が悪いため、批判を浴びやすい選手ですが、この辺の貢献度を考えるともう少し批判を抑えても良いのではないか?と思ってしまうのは推しバイアスなのでしょうか?
そんな千葉Jに1つ救いと言うか、明確な修正点・浮上の可能性を見出せる部分があって、Opp FG%:44.9%でリーグ15位ながらそこまで高くないところ。Opp 3P%:30.6%もその論点に当てはまります。
「え?15/26って悪くね?」と思われるでしょうが、『1stシュート』に限って見た場合、少し見え方が変わってきます。
Opp OREB:19.0本でリーグワースト2位ですが、Opp 2nd Chance Pts:19.22Pts。仮にOpp 2nd.C.Ptsが全て2Pだと仮定した場合、期待値的に9.5/19.0のOpp FGが差し引かれます。その補正を掛けるとOpp FG:27.83/64.22(43.3%)とリーグ11位相当まで改善します。課題ではあるDREB%:60.51%(リーグ25位)の改善が図れれば、浮上のキッカケを掴めるかもしれません。
ただ、そのための相手としてはかなり相性の悪い対戦チームではありますが…。
過去レビュー(10/2A東京戦)はこちらから→https://bballanalytics-hero.com/b-premiere-matchreview-20261002_chibaj-atokyo/
京都ハンナリーズ



昨シーズン、エースのアンジェロ・カロイアロ選手の長期離脱も影響して20勝40敗と煮え湯を飲まされた京都ですが、今シーズンは6勝2敗と好調スタート。無敗街道驀進中の広島・名古屋DD(先日までは三遠も)がいる影響もあって西地区4位に甘んじてますが、京都ブースターは楽しいシーズンを過ごしているのではないでしょうか?
京都のオフシーズンの動きは1つ大きなものがあって、琉球のフランチャイズプレイヤーとしてキャリアを終えていくものだと思われていた岸本隆一選手が電撃移籍してきたこと。2人の外国人選手が加入したものの、岸本選手が加入した以外は、昨シーズン弱小だったチームが継続路線をたどりました。しかし、この岸本選手の加入がチームに与える影響が大きいと思っています。
その影響の1つに、カロイアロ選手の負担が減ったこと。
昨シーズンはカロイアロ選手がプライマリーハンドラーを務めることが多かった印象。USG%:25.5%は2024-25シーズンから約3%上昇しており、OF面で明確なエースとしてプレーしていました。が、その負担が増えた分、DF Rateが悪化(2024-25シーズン:110.77→2025-26シーズン:115.82)していました。
それが、今シーズンは岸本選手が6thマンとしてハンドラー役を務めることになり、カロイアロ選手のOF面の負担が明らかに少なくなりました。試合を実際に見ていても、昨シーズンと比較してカロイアロ選手のカッティングプレーやCatch&Shootが増えた印象があります。DF Rateは今シーズンここまで105.77とまずまずの成績。
また、カロイアロ選手がオフボールで動けることで、OREBへの参加も容易になりました。事実、OREBはチームの大きな強みで、OREB%:42.12%はリーグ2位。実数値:15.38本はスローペースなチームながらリーグ3位に位置しています。
もう1つの影響が、チャールズ・ジャクソン選手とのシナジー。
レビュー記事にはしていませんが、10/9@横浜BC戦を観戦していましたが、岸本選手とのPick&Rollはかなり強力。とにかく岸本選手はP&Rからのクリエイトが上手く、フレームの大きさに強みがあるCJのスクリーンには非常に良いシナジーをもたらしています。
そのCJは圧倒的なFG効率。FGM:40本以上を記録している選手の中では、ダントツの成功率である75.9%(2位は66.7%のコフィ・コーバーン選手)。2nd.C.Pts能力もさることながら、208cm・108kgの巨体でFast Breakにも走ります。先の横浜BC戦では少なくともF.Bのシチュエーションで先頭を走り、2本のダンクを叩き込んでいました。
昨シーズンは長崎が最も見てて面白いチームでしたが、個人的には今シーズンは今のところ京都な気がします。
10/21の試合データ
各チームを振り返ったところで、試合のデータを振り返っていきましょう。
基本スタッツ
| 千葉ジェッツ | 京都ハンナリーズ | |
| 79 | PT | 102 |
| 28/73 38.4% | FG | 38/73 52.1% |
| 19/37 51.4% | 2P | 23/37 62.2% |
| 9/36 25.0% | 3P | 15/36 41.7% |
| 14/17 82.4% | FT | 11/21 52.4% |
| 42 | REB | 44 |
| 15 | OREB | 15 |
| 27 | DREB | 29 |
| 18 | AST | 35 |
| 13 | TOV | 10 |
| 5 | STL | 10 |
| 2 | BLK | 6 |
| 19 | F | 22 |
詳細スタッツ
| 千葉ジェッツ | 京都ハンナリーズ | |
| 67.9% | %FGM2P | 60.5% |
| 32.1% | %FGM3P | 39.5% |
| 50.7% | %FGA2P | 50.7% |
| 49.3% | %FGA3P | 49.3% |
| 48.1% | %PT2P | 45.1% |
| 34.2% | %PT3P | 44.1% |
| 17.7% | %PTFT | 10.8% |
| 12 | Points Off TOV | 21 |
| 20 | Fast Break Points | 15 |
| 8 | 2nd Chance Points | 14 |
| 36 | Points In the Paint | 42 |
| 29 | Bench Points | 39 |
| 3/5 (7) | After TO Results (Points) | 2/3 (6) |
| +3 | After TO +/- | +2 |
アドバンスドスタッツ
| 千葉ジェッツ | 京都ハンナリーズ | |
| 78.48 | ポゼッション数 | 77.24 |
| 試合のペース:77.86 | ||
| 100.66 | Offensive Rate | 132.06 |
| 132.06 | Defensive Rate | 100.66 |
| 49.1% | TS% | 62.0% |
| 44.5% | eFG% | 62.3% |
| 1.20 | POT Efficasy | 1.62 |
| 0.53 | 2nd Chance Efficasy | 0.93 |
| 48.8% | REB% | 51.2% |
| 34.1% | OREB% | 35.7% |
| 64.3% | DREB% | 65.9% |
| 64.3% | AST% | 92.1% |
| 13.9% | TOV% | 10.8% |
| 1.01 | PPP | 1.32 |
| 1.40 | After TO PPP | 2.00 |
| 0.23 | FTR | 0.29 |
Shoot Summary

ラインナップタイムライン


戦評
前半に3Pを量産した京都が大勝
戦前に予測した戦い方としては、CJやカロイアロ選手がフィニッシャーとなる形で進んでいくと思いましたが、展開は個人的には予想外でした。%FGA3Pをチーム平均(39.43%)とこの試合(49.3%)を見比べると、これまでのチームの勝ち方とは異なるものだったという印象です。
記事執筆時点で【PHPの「緊急」レベルの脆弱性が発見】という世界的なトラブルの影響で、Bリーグ公式のボックススコアを確認することが出来ませんが、手元の試合メモでは、前半のCatch&Shoot 3Pは8/11(72.7%)という非常に高い確率で沈めていました。
ただ、後述する千葉JのDF面についても触れる部分にはなりますが、OFのフィニッシュが3Pだったというだけで、OF構築のメインはP&Rでした。戦術面は正直よく知らないので、スペインピックなどもあったかもしれません。
京都のOFはとにかくギャップをガンガン突いてくるので、例えスペースが狭くてもギャップを認知したら、そこにパスが供給されるように構築されている印象です。故に、前半はコーナーに待機・移動している選手がフリーでいることが多かったため、そこに積極的にパスを供給し、パスを受けたシューターがその期待に応えたということですね。事実、Wide-Open3Pは前半で6/7(85.7%)という精度もさることながら、Attemptが7本も前半だけでありました。
しかし、試合を観ていた感想としては、恐らく3Pが当たらなくても、点差に影響は出ても、そこまで結果に差が出なかっただろうなと思ってます。その辺を踏まえて千葉JのDF面について考察します。
千葉JのDFの弱点が浮き彫りに
戦前データから、千葉JのDFにおいては、リーグ最低レベルのペイントエリアDFとDREB力及び2nd ChanceシチュエーションでのDF力と、明確かつ少なくない弱点を述べました。それらのデータを戦前とこの試合とで見比べてみましょう。
- ペイントエリア内の失点
- 戦前:51.33Pts→この試合:42Pts
- DREB%
- 戦前:60.51%→この試合:64.3%
- Opp 2nd.Chance.Pts
- 戦前:19.22Pts→この試合:14Pts
数字だけ見ると、改善はしています。特にペイントエリア内の失点はチーム平均よりも10Pts近く少ないです。ただ、これは京都のフィニッシュが3Pに偏っていたからの結果であって、一概に「改善した」とは言えない数字です。
DREB%、Opp 2nd.C.Ptsは僅かながら改善。渡邊選手がコンディション不良でこの試合ロスターから外れたことを考えると、普段より各選手の意識は高かったと言える変化でしょう。
でも、それでもこの試合も100失点を喫し、今シーズン4度目の100失点ゲーム(公式で確認できず、うろ覚えなので間違っていたらすみません)となってしまいました。その背景にはDFのギャップをローテーションでカバーできていないという、割と根深い原因があるように思います。
特に現在のロスターのメンツでは、純粋なビッグマンがいないというのは冒頭で述べた通り。緊急加入したギル選手が代役としてビッグマンの役割をになっていますが、この試合ではファウルトラブル(結果的にファウルアウト)に陥ったため、本来ウイングであるルーク・メイ選手が務めている時間帯もありました。
一般的にビッグマンが相手のP&Rを守るときに取る選択肢としては、ハードショウに出るのか、アンダーで迎え撃つのかというのが大雑把な分類。対して、ウイングは基本的にDFマッチアップを交代するスイッチ能力が求められており、そもそも必要なスキルセットが違います。
そんな「急造ビッグマン」としてDFを支えなくてはならない、渡邊選手も含めた3人のウイングの選手にとっては、DF IQを高く保たないと対処できません。
とは言え、現有ロスターで戦っていくのは変わらないため、選手たちもその求められた役割に応えなくてはならないでしょう。そういう意味では擁護は出来ません。
試合を通して、とにかくP&Rやオフボールスクリーンに対するDFローテーションが間に合っておらず、DFにおいては中盤、岸本選手の乱発モードの時間帯以外は終始後手に回っていた感じでした。ベンチワークとしても、DFの修正に時間がかかっている印象があるので、選手だけでなくチーム全体の課題として取り組むべきものでしょう。
両チーム若手選手の躍動は素直に楽しい
結果は京都の大勝で終わりましたが、両チームとも若手選手が躍動しており、それは素直に見ていて楽しかったし、イチバスケファンとして嬉しかったです。
千葉Jは金近廉選手と瀬川琉久選手。金近選手は序盤から集中して試合に臨んでいるのが分かるくらい、自身のショットセレクションに自信を持って3Pを放っていました。最序盤は金近選手のシューティングで第1Qで早々8ptsを挙げていました。ただ、その後のタッチが悪くなってしまったのは残念でしたが、個人的には寧ろもっとボールを預けても良いのではないかと思いました。そうだったら、試合を通じて収束し安定したようにも感じます。
瀬川選手も要所でトップ位置のTOVなど悪目立ちする部分も少なくありませんでしたが、良い方に目を向けると、しっかり自分でフィニッシュに持っていくところは行っていました。
若手PGとして難しい部分かもしれませんが、PGとしてペースをスローダウンさせたかったであろうポゼッションで、上手く周りの選手に共有できていなかったようなタイミングもありました。その辺はまだ成長の余地ですね。
京都では渋田怜音選手と西部秀馬選手の2人。2人ともシューティングに自信を持って放っており、特に渋田選手はこの日3P:4/4(100%)。ショットシチュエーションもC&SとPull-Upが2本ずつと託された側でも自身の選択でも結果を残しました。この試合の岸本選手が比較的乱発系だったため分かりにくいですが、岸本選手とは違うタイプのPGとして、チームに良いアクセントをつけてくれそうです。
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こちらの記事にまとめていますので、これからBリーグを見てみたい方はこちらの記事を参照してください。


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