八村塁選手・河村勇輝選手のNBA組が桶谷HC体制になって初めて合流して臨むFIBA公式試合となったサウジアラビア戦。圧倒的な存在感を放った八村選手の活躍を含め、データで振り返りましょう。
※Window1の試合はこちらから→台湾戦2連戦
8/28の試合データ
まずはスタッツを振り返ってみましょう。
基本スタッツ
| 日本 (FIBAランク:22位) | サウジアラビア (FIBAランク:65位) | |
| 106 | PT | 78 |
| 41/77 53.3% | FG | 31/62 50.0% |
| 26/36 72.2% | 2P | 25/36 69.4% |
| 15/41 36.6% | 3P | 6/26 23.1% |
| 9/9 100.0% | FT | 10/12 83.3% |
| 33 | REB | 33 |
| 8 | OREB | 7 |
| 25 | DREB | 26 |
| 29 | AST | 19 |
| 2 | TOV | 15 |
| 9 | STL | 0 |
| 2 | BLK | 0 |
| 14 | F | 16 |
詳細スタッツ
| 日本 (FIBAランク:22位) | サウジアラビア (FIBAランク:65位) | |
| 63.4% | %FGM2P | 80.6% |
| 36.6% | %FGM3P | 19.4% |
| 46.8% | %FGA2P | 58.1% |
| 53.2% | %FGA3P | 41.9% |
| 49.1% | %PT2P | 64.1% |
| 42.5% | %PT3P | 23.1% |
| 8.5% | %PTFT | 12.8% |
| 24 | Points Off Turnover | 2 |
| 29 | Fast Break Points | 2 |
| 10 | 2nd Chance Points | 11 |
| 40 | Points in the Paint | 44 |
| 37 | Bench Points | 8 |
アドバンスドスタッツ
| 日本 (FIBAランク:22位) | サウジアラビア (FIBAランク:65位) | |
| 73.54 | ポゼッション数 | 74.54 |
| 試合のペース:74.04 | ||
| 144.15 | Offensive Rate | 104.64 |
| 104.64 | Defensive Rate | 144.15 |
| 65.5% | TS% | 58.0% |
| 63.0% | eFG% | 54.8% |
| 1.60 | POTE | 1.00 |
| 1.25 | 2nd Chance Efficacy | 1.57 |
| 50.0% | REB% | 50.0% |
| 23.5% | OREB% | 21.9% |
| 78.1% | DREB% | 76.5% |
| 70.7% | AST% | 61.3% |
| 2.7% | TOV% | 20.1% |
| 1.44 | PPP | 1.05 |
| 0.12 | FTR | 0.19 |
Shoot Summary
| 日本 (FIBAランク:22位) | サウジアラビア (FIBAランク:65位) | |
| 7/13 53.8% | Self-Shootmake | 8/25 32.0% |
| 8/12 66.7% | MID-Jumper | 6/8 75.0% |
| 1/2 50.0% | Short-Jumper | 9/12 75.0% |
| 0/0 – | Push | 0/0 – |
| 2/4 50.0% | Floater | 2/6 33.3% |
| 11/13 84.6% | Lay-Up | 7/10 70.0% |
| 3 | Dunk | 0 |
| 1 | Tip-In | 0 |
| 8/24 33.3% | Catch&Shoot | 5/9 55.6% |
| 2/3 66.7% | Moving | 0/2 0.0% |
| 5/15 33.3% | Pull-Up | 1/13 7.7% |
| 4/17 23.5% | Wide-Open | 2/4 50.0% |
戦評
ここからは個人的な戦評を語っていきます。
なお、観戦直後にTier表を作成し、Xにて投稿しています。
評価内訳は【S:支配的、A:素晴らしい活躍、B:普通、C:物足りない、D:課題多い、E:キツイ】となっています。
圧倒的だった八村選手
29PTS・4REB・2AST・3STL・1BLKという圧倒的なスタッツを残して試合を支配した八村選手。エーススコアラーとして常に得点を狙いながらも、前半はシュートミスなしでFG%:100%で折り返すという圧巻のパフォーマンス。
この驚異的なFG精度も素晴らしいですが、真に特筆すべきはシュートのシチュエーション。1stシュートは相手のゾーンDFを嘲笑うかのようにFTレーンのMid-Jumperで、正直、それが最も八村選手にとって簡単なジャンパーでした。
反対側からカッティング・ロールしてスラムダンク風に言うなら「振り向きざまシュー!」というような、かなり難易度の高いジャンパー。
また、トランジションシーンでのディープ3Pもありましたね。FIBAコートはNBAコートよりも3Pラインが狭くなっていますが、見た目的にはNBAの3Pラインよりもまだ遠い位置からだったように思います。
極め付きは後半にはエンドライン際から相手DFと競り合いながら、ロングミドルとも言える難しい場所からのジャンパー。何故あれが狙えて決め切れるのか全く分かりません(笑)
八村選手の凄みとして感じたのが、当然相手DFがプレッシャーをかけてくるわけですが、どのジャンパーを切り取っても、DFのプレッシャーに煽られてシュートを「打たされている」シーンが全くなかったこと。
どんなタフなシチュエーションでも自分のリズム・自分のタイミング・自分のシュートフォームで打ち切っている感じでした。世界には物凄いサーカスショットを難なく決めてしまうシュート力を持つ選手も凄いですが、八村選手のような職人的な凄みを持つ選手も同じように凄いと改めて感じたパフォーマンスでした。
大勝したが、難しかった第4Qの戦い方
試合を通して、第3Q中盤までTOV:0本で、最終スタッツとしてもTOV:2本。それに対してAST:29本と連携も十分。かと言って、AST%:70.7%と、FGMがASTに頼りすぎていない。%FGMも2P:3P=63.4%/36.6%とバランスも良い。非常に良い最終スタッツだったのは言うまでもありません。
ただ、第4Qに限ると16-26で10点ビハインドでした。その背景にはそれまでの試合の流れに問題がありました。
逆に大量リードを奪った第3Qは34-17。このQはサウジアラビア側の選手の集中力が明らかに落ちていて、OFも無理なタイミングから3P・日本側のgood DFに煽られて打たされたジャンパー、得点シーンはクリエイションや合わせではなく、ビッグマンの2nd Chance Ptsにほとんどが限られていました。
逆に日本側は八村選手の安定感が過ぎるスコアリングや、Fast Breakで得点を重ねました。八村選手のシュートはいずれも簡単なものはありませんでしたが、それ以外の得点シーンは基本的にイージーと言えるものが多かったです。
そんな流れのまま第3Q終盤から八村選手をベンチで休ませた状態で第4Qに入ってしまったためか、日本の選手にもやや集中力の低下が感染ってしまった印象でした。第4Q序盤、比較的簡単なOFでも立て続けにシュートを落としてしまったことが、相手の息を吹き返してしまいました。
その後、踏ん張ってせめてQスコアタイに抑えられたら良かったですが、10点差を詰められてしまいました。今後、欧州欧米の強豪と肩を並べ超えたいとするならば、この辺の修正力は必要でしょう。「タイムアップまで試合の勝敗は分からない」とは、先のW杯2023で日本代表自身が2度も体現してますからね。
Wide-Open3P外し過ぎは要改善
前項にも少し関わってくる部分ではありますが、試合を通してWide-Open3Pを外し過ぎた(4/17:23.5%)のはハッキリ言ってよろしくありません。
基本は外してはいけないWide-Open3Pですが、流石に人間がやることなので、いくらプロ集団でも17本も打って100%の成功率は難しいのは承知ですが、最低限の期待値としては45%は欲しいところ。つまり、今回の試合に換算したら、8本以上は決めて欲しかったです。
敢えて選手の個人名を挙げるとするならば、修正が必要なのは河村勇輝選手と吉井裕鷹選手。
河村選手はこの試合3P:0/5、吉井選手は1/5で、Wide-Open3Pと言えるシチュエーションはいずれの選手も筆者の見方で4本でした。
河村選手はOFのコントロールをする立場であるため、3Pに波があると、相手のDFのアジャストを容易にさせてしまいます。Wide-Open3Pを決め切れないと、ハンドラーである本人にとってもチームにとってもスペースを潰すことになってしまいます。
吉井選手は選手タイプ的にスモールウィングの3&Dプレイヤー。スペーサーとして非常に重要な選手です。基本的に自分でシュートを作るタイプではなく、あくまでチームに作ってもらったシュートを決め切る責任がある選手なので、ここが上手く行かないとチームのOFを潰してしまいます。
他にもジョシュ・ホーキンソン選手や佐々木隆成選手も同様のシーンがいくつかありました。吉井選手を含めたこの3選手は、問題とした第4Qでよく見られたシーンだったので、気持ちの入れ方も含めて改善が必要でしょう。


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